よみもの|聞くトリビア(読む編)

ライバル関係の雑学
【聞くトリビア 読む編part.12】

清少納言は、『枕草子』の中で紫式部の夫の悪口を書いている。

平安時代、一条天皇の中宮彰子(ちゅうぐうしょうし)に仕えた紫式部と、中宮定子(ちゅうぐうていし)に仕えた清少納言は、同じ時期に宮中に出仕していました。

しかし、2人の関係は嫉妬などもあったのか良好ではなかったようで、清少納言は『枕草子』で紫式部の夫・藤原宣孝(ふじわらののぶたか)の悪口を書いています。

紫式部もこれに負けておらず『紫式部日記』で、清少納言のことを「うぬぼれがひどく、利口ぶっているが、まだまだ勉強不足」と批判しています。

 

武蔵は、巌流島に遅刻していない。

「待ちかねたぞ武蔵」といえば、巌流島の対決の際、先に到着していた佐々木小次郎のセリフと想像がつくでしょう。

宮本武蔵が相手をじらす心理戦のような描写としても有名です。

しかし、この決戦の逸話には後世の創作がかなり多く入っているといわれ、武蔵と小次郎は同時刻に島へ着いていたともいわれています。

宮本武蔵(自画像)

武蔵の数人の弟子も巌流島に渡っており、集団で小次郎を襲ったという説がある。

小倉藩の家老であり、門司城の城主代理であった沼田延元(ぬまたのぶもと)の家人の記録である『沼田家記(ぬまたけき)』には、巌流島の対決について記述がみられます。

しかし、その内容は佐々木小次郎は一対一の約束を守り単身で島に来ていたが、宮本武蔵側は数人の弟子が島に潜んでおり、最後は集団で小次郎にとどめを刺したというものです。

そして、怒った小次郎の弟子が敵討ちに動いたところ、武蔵は門司城に逃げ込んで保護を求めたともあります。

剣豪同士の真剣勝負のほうが夢はありますが、真実はどちらなのでしょうか。

 

ノーベル賞に数学賞がないのは、ライバルに受賞されたくなかったからである。

ノーベルと同時代のスウェーデンに、ミッタク・レフラーという数学者がいました。

両者の仲は非常に険悪で、ノーベルが「万一のときにあいつに賞をあげたくない」という理由で、数学賞を除外したともいわれます。

この仲の悪さは、ふたりが恋敵だったから。

ソーニャ・コワレフスカヤという美人数学者に熱を上げていたノーベルは、レフラーに強い嫉妬心を抱いていたともいいます。

結局のところ、ソーニャは夫と死別した後再婚はせず、レフラーとの仲も不明です。

ノーベルの独り相撲だったのかも知れません。

 

ベルが電話の発明者になったのは、特許の出願が2、3時間早かったからである。

電話の発明者はグラハム・ベルではなく、エリシャ・グレイという人物になっていた可能性もありました。

実は同じ日に特許がそれぞれ出願されたのですが、ベルの方が若干早かったのです。

申請に出向いたのはベルの後援者である弁護士のハバードという人物です。

ライバルのグレイがワシントンへ向かったことを察知したハバードは独断で出願手続きをし、ベルが電話の発明者となるお膳立てをしたのでした。

後にベルは、ハバードの娘と結婚もしています。

 

大隈重信は、福沢諭吉に嫉妬して、早稲田大学を創ったといわれている。

明治維新期の偉人として知られる大隈重信と福沢諭吉。

両者は早稲田大学と慶応大学の創始者です。

このふたり、違った分野で活躍を見せていたものの、福沢は大隅を「生意気な政治家」、大隅は福沢を「お高くとまった学者」と、双方あまり良い印象を持っていなかったようです。

そんな中、共通の知り合いである雑誌編集者が双方に知らせず一席を設けたのが初顔合わせとなりました。

この際、先に慶應義塾を創設した福沢諭吉から「君も創ったら?」といわれ、悔しい思いをした大隈重信は早稲田大学を作ったと伝わります。

 

大隈重信は、伊藤博文の暗殺事件を羨ましがった。

大隈重信は非常に負けず嫌いな性格だったそうです。

少年時代に自分より字が上手いクラスメイトがいて、どう練習しても勝てなかったため、生涯字を書かないと宣言したほど。

実際に字を書くことは好きではなかったようで、大日本帝国憲法発布時の外務大臣としての署名は震えているようにも見えます。

その同じ年、大隈は、暴漢に爆弾を投げつけられ右足を失う経験もしています。

そんなこともあってか、ライバル関係にあった伊藤博文が暗殺された際、「何と華々しい死に方をしたのか」と、悔しがったといいます。

 

野球の早慶戦が始まったのは、早稲田が慶応に挑戦状を叩きつけたからである。

現在では様々な競技で対抗戦が行われている早慶戦。

そのルーツは野球にあります。

1903年の11月5日、早稲田の野球部から慶應義塾野球部に挑戦状が届きました。

慶應側がこれを受けたのがきっかけです。

後日、三田で3000人の観衆を集めて行われたこの試合は、11対9で慶應が勝利しています。

 

1933年の早慶戦で起きた大乱闘事件を「リンゴ事件」という。

この年の早慶戦で、慶応のスター選手・水原茂が9回表に3塁の守備についたときのこと。

3塁側の早稲田の応援席から、ヤジとともに食べかけのリンゴがグラウンドに投げられたのです。

水原はリンゴを拾って、スタンドへ投げ返したため、早稲田側は騒然。

このあと9回裏に早稲田が逆転サヨナラ負けしたこともあり、大乱闘に発展しました。

なお、早慶戦では、先攻後攻に関わらず、あの試合のときとは逆の早稲田が1塁側、慶応が3塁側と固定されていますが、このリンゴ事件がきっかけだとされます。

 

マングースとコブラの対決が広まったのは、『ジャングル・ブック』のイメージからである。

沖縄でかつて行われていたハブ対マングースのショー。

現在は、動物愛護の観点からもう見られなくなってしまいましたが、海外ではマングースといえばコブラと戦うのが定番です。

マングースの神経には特殊な受容体があるため、コブラの毒は効かないといいます。

そして、この対決のルーツですが、ディズニー映画にもなっている、キップリングの小説『ジャングル・ブック』にあります。

作中で、マングースの「リキ・ティキ・タビ」とコブラが戦うシーンがあり、これの影響で定番化したといわれます。

 

銭形警部とルパン三世は、大学の先輩後輩である。

アニメ・漫画を代表する因縁のライバル、ルパン三世と銭形警部。

ふたりはかつて同じ東西京北(とうざいけいほく)大学に通っていたというエピソードがあります。

銭形警部が法学部の4年生だったとき、ルパン三世は電子医学部の1年生でした。

また、峰不二子も学年は不詳ですが、同じ大学の学生として登場します。

ちなみに、学生時代のルパン三世は意外にも角帽に学ランのバンカラスタイルでした。

 

スティーブ・ジョブズは、亡くなるときビル・ゲイツの手紙を枕元に置いていた。

スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツ。両者は確かにライバル関係にあった時期もありますが、晩年はイベントに同席するなど、互いにリスペクトしあう良好な関係にあったといいます。

それがうかがえるエピソードのひとつに、ゲイツが「自分がしてきたことと自分が築き上げた企業を誇りに思うべきだ」などの内容を記した手紙をジョブズに送ったというものがあります。

そして、これに感謝したジョブズは亡くなる前にも手紙を枕元に置いていたと、彼の妻のコメントで明らかになっています。

 

1月21日は「ライバルが手を結ぶ日」という記念日になっている。

この記念日は、慶応2年1月21日、敵対していた薩摩藩と長州藩が「薩長同盟」を結んだことにちなんでいます。

坂本龍馬らが仲介役となり、薩摩藩の西郷隆盛と長州藩の木戸孝允が同盟を締結。

一般にはこれが倒幕に向けた出発点になったとされています。

ただ、現在では薩長同盟はあくまで政治的な提携であり、倒幕を意図した軍事同盟ではなかったという見方も出ているそうです。”

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