よみもの|聞くトリビア(読む編)

「ネコ」の雑学
【聞くトリビア第20話 読む編】

干支にネコがいる国もある

ネコはネズミに干支を決める競走の日付を間違って教えられたために入れなかったという昔話を聞いたことがある方もいるでしょう。それが事実かはさておき、ネコが干支に入っていないのは周知の事実です。

 

しかし、外国に目を向けてみるとどうでしょうか。日本以外にも干支が存在する国は多数あります。中国や韓国は想像できるでしょうが、タイやベトナムといった東南アジアの国に加え、意外なところではヨーロッパのロシアにもあります。

 

そして、採用されているものには国ごとに違いがあります。たとえば、モンゴルではトラのかわりにヒョウ、ベトナムではウシのかわりに水牛がいます。そして、タイやベラルーシなどではウサギでなくネコが干支に含まれます。お国柄が表れているようで、面白いですね。

 

ネコが何か臭いをかいだ後変な顔をする現象は「フレーメン反応」

靴下の臭いをかいだあとなど、ネコが口を半開きにして唇を引き上げるような変顔をしたのを見たことはありますか? この現象は「フレーメン反応」といい、ネコの他にもウマなどに見られるものです。

 

これはあまりの臭さに顔をしかめているわけではなく、フェロモンの臭いをかぎわけるときに起こるものとされています。フェロモンのかおりは一般的なにおいと違い、分子がより細かく繊細なため、ヤコブソン器官という嗅覚の器官を使って感じとりますが、その際の顔なのです。

 

飼いネコにこの反応をされても、あまりショックを受ける必要はなさそうです。

 

ペットのネコの8割は肥満

ネコは肉食動物ゆえ、野生の時代は狩りをしていましたが、家畜化の進んだネコは、大半寝て過ごしているように見えます。それは野性時代の本能が影響しているとされ、元来肉食動物は多くの時間を狩りのエネルギー温存のための休息にあてています。そして、いざというときに素早く獲物を追い立て、エサとするのです。

 

しかし、飼い猫は狩りをすることはなく、食っちゃ寝のような生活になってしまっている子も少なくありません。そのため、飼い猫の8割は肥満傾向にあるといいます。

 

当然、糖尿病や骨関節炎のような問題につながるので、対策が必要です。それには狩りの疑似体験、ネコジャラシで遊ぶ、ポインターの光を追いかけさせるなどの運動が効果的とされます。家族の一員として長く一緒に過ごしたいのなら、こうした遊びの時間も大事にしてみてください。

 

ネコの市長がいた

日本ではかつてネコ駅長が話題となりましたが、このようなケースは海外でもありました。しかも、駅長よりさらに上の市長だったということを聞けば、ネコ好きでなくとも興味がわくところでしょう。

 

その舞台はアメリカのアラスカ州中南部のタルキートナ市。ここではスタッブスというオスネコが名誉市長を務めていました。しかも、1997年の選挙で適切な人間の候補者が不足していたために、記名投票で選出されたという、しっかり支持を得た上での市長でした。

 

当然、人気も高く、ふだん過ごしている事務所には、市長目当ての人が多く訪れたそうです。残念ながら2017年に20歳で亡くなってしまいましたが、この役職は子孫のネコに世襲されたそうです。

 

ツシマヤマネコは人工繁殖に成功している

日本の天然記念物でもあるツシマヤマネコ。名前の通り長崎県対馬にのみ生息する生き物で、100匹ほどまで減少して絶滅の危機に瀕しています。

 

しかし、良い知らせもあります。2021年3月に、よこはま動物園ズーラシアで、人工授精による繁殖に成功したことが報じられました。国内では他にも飼育している施設はあるので、今後もぜひ明るいニュースを届けて欲しいものです。

 

世界最古のネコはマヌルネコ

ネコといえば古くはエジプト王国時代から人間の身近にいる動物です。それを遡っていくと、どこにたどり着くのでしょうか。

 

現在、世界最古のネコとされているのはマヌルネコという種類で、およそ600万年前から存在すると考えられています。毛が長く密集してずんぐりと見える体型や、瞳の光彩が他のネコ科の動物のように縦に細くならず、丸い形のまま縮小することも特徴的です。

 

シベリア南部から中央アジアの砂漠・岩石地帯に分布しているのですが、絶滅危惧種であり、繁殖も非常に難しい種とされています。

 

そんなレアな動物ではありますが、日本国内の動物園で見ることは可能です。神戸どうぶつ王国で2020年に迎えられています。貴重な品種ですので、興味がある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

鳥獣戯画の人気投票1位はネコ

『鳥獣戯画』といえば、歴史の教科書などにも載っているため、断片的にでも見たことがある人が大半でしょう。様々な生き物が描かれているこの絵巻、もっとも有名なのはおそらく相撲をとるカエルとウサギですが、当然、ネコも描かれています。

 

ネコは当時の絵らしく、烏帽子をかぶり、扇子を持った姿で登場しています。二本足で立つ様子もなかなかキュートです。かつて、京都の美術品メーカー京都便利堂が『鳥獣戯画』の人気投票を実施したところ、このネコが1位となりました。

 

現在、インターネットサイトでも、所蔵する高山寺公認のスタンプなどのグッズが購入可能です。興味がある方はぜひチェックしてみてください。

 

肉球が毛で覆われているネコもいる

独特のさわり心地のネコの肉球、ついつい触れてみたくなるものです。その肉球ですが、ネコの中には毛で覆われているものもいます。アフリカ北部や西アジアなどに生息するスナネコがそれです。

 

スナネコは野生のネコの中でも小さい部類のもので、主に砂漠で暮らしています。砂浜などで熱い思いをしたことのある方も多いでしょうが、ネコにとってもそれは問題。焼けた砂の上を歩くのは危険なため、保護するように肉球を覆う毛があります。また、砂漠に溶け込むような毛色をしているのも特徴です。生存環境に適した形といえるでしょう。

 

なお、このスナネコ、小型でかわいらいしいのですがな気性が非常に荒いことでも知られます。ペットとして飼うことは残念ながら不可能なようです。

 

世界一体が大きいネコは120センチ

大きさのギネス記録を持つネコは、イタリアに住む「バリベル」という名前の飼い猫で、2018年の計測時にしっぽを含め120センチありました。

 

町の人気者で、バギーで散歩させると多くの人たちが一目見ようと寄ってくるそうです。バリベルくんはメインクーンという品種なのですが、この品種自体、体の大きさや性格から「穏やかな巨人」と呼ばれます。

 

世界一大きいネコ科の動物は3.33メートル

イエネコという枠を超えたネコ科全体での体の大きさのギネス記録は、アメリカの野生動物保護区で暮らす「ヘラクレス」という名前のライガーが持っています。

 

ライガーとは、オスのライオンとメスのトラの間にできる雑種で、自然界で生まれる可能性はほとんどなく、動物園での人工繁殖によって誕生します。ヘラクレスは、2013年の計測時には長さ3.33メートル、重さ412.2キログラムもありました。

 

最も長生きしたネコは38才

ギネスブックに載っている最も長生きなネコは、アメリカで2005年に亡くなった「クリーム・パフ」という名前のメス猫です。38才と3日も生きました。

 

一般的にネコの平均寿命は15才前後と言われていますが、人間と猫の平均寿命の比較から算出すると、38才という年齢は人間の170才に相当すると考えられます。

 

なお、飼い主さんはこのネコにベーコンエッグ、アスパラガス、ブロッコリー、クリーム入りのコーヒーなど、ちょっと変わった食べ物を与えていたそうで、これが長寿の秘訣だったのでしょうか。

 

ネコは甘みをほとんど感じない

アメリカの研究所で、味覚について研究している科学者がネコのDNAを解析したところ、甘味をほとんど感じないことが判明しました。ネコの他にもニワトリやナマズも甘味を感じないそうですが、哺乳類で甘みを感じない種は、ネコ科の動物しか知られていません。

 

ちなみに、あんこや生クリームを好んで食べるネコもいますが、これらは甘みではなく、脂肪分やアミノ酸に反応するからだといわれています。

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