よみもの|聞くトリビア(読む編)

時間の雑学
【聞くトリビア第29話 読む編】

我々から見えている月は1.3秒前、太陽は8分前の姿。

光のスピードは1秒間でおよそ30万キロです。月は地球からおよそ38万キロ離れており、その光が地球に届くまでには1.3秒かかります。つまり地球上の我々から見えている月の姿は、1.3秒前の過去なのです。

太陽はおよそ1億5000万キロ離れているため、地球から見えるのはおよそ8分前の姿です。さらに遠い土星は1時間前の姿。

超新星爆発の可能性が指摘されているオリオン座のベテルギウスは640光年先にあるため、640年前に爆発していない限り、我々がその様子を見ることはできないのです。

江戸時代の人は太鼓で時刻を知った

江戸時代、日の出と日没を基準にして昼と夜をそれぞれ6等分し、その長さを一刻(いっとき)と呼びました。そのため一刻の長さは昼と夜で異なり、季節によっても変化するという複雑なシステムだったのです。

このような時間制度のもとで、人々に時刻を知らせていたのは、決められた時刻に鳴らされるお寺の鐘やお城の太鼓でした。現在でも、香川県の丸亀城などでは、正午を告げる「時太鼓(ときだいこ)」が打ち鳴らされているそうです。

「おやつ」の語源は「昼八つ(ひるやつ)」という時刻

「おやつ」は現代では午後3時頃に食べるのが一般的です。なぜ「お八つ」と呼ばれるかというと、これは江戸時代の時間制度に関係しています。江戸時代の中頃までは、食事というと、朝食と夕食の1日2回だけがふつうでした。

しかし、それだと午後にお腹が減ってくるため、午後2時から4時の間に間食をとるのが一般的で、この時間帯を「昼八つ(ひるやつ)」といい、そこから「おやつ」と呼ばれるようになりました。

「草木も眠る、丑三つ時」は、鬼門の方角にあたる時刻

怪談話などでよく使われる文句「草木も眠る、丑三つ時」。江戸時代までは、1日の時刻を子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二支で表し、丑(うし)の刻(こく)は午前1時から午前3時までを指しました。

「丑三つ時」は、その丑の刻を細かく分けたうちの3番目で、午前2時から2時30分までを指します。この「丑三つ」は方角に当てはめると「丑寅」になりますが、これは鬼が出入りすると信じられた鬼門にあたる北東です。このため、「丑三つ時」は幽霊と結びつけられたのです。

広告の時計は大体10時ちょっと過ぎ

ネットでも雑誌でも、アナログ時計の広告を見てみてください。おそらく全てが10時5分から10分頃になっているのではないでしょうか。これは偶然の一致ではなく、ちゃんとした理由があります。

たとえば、セイコーの場合は必ず10時8分42秒となっていますが、この位置だと躍動感があるというためです。他にも時針・分針・秒針の3本が重ならなずに美しく、引き締まって見えることや、12時下のブランド名が隠れないといったメリットがあります。ファッションアイテムとしても重要な時計、やはり目を引くための工夫は欠かせないようです。

日本の標準子午線が通る市は結構多い

日本の標準子午線である東経135度を通るのは兵庫県明石市と小学校の頃に習ったことでしょう。確かに天文測量をに基づく子午線上に明石市天文科学館も建てられています。しかし、これだけだと50点といったところです。

当然ながら経線は点ではありません。そのため、線が複数の自治体にまたがっていてもおかしなことではないのです。実際に見てみると、京都府の京丹後市、福知山市、兵庫県の豊岡市、丹波市、西脇市、加東市、小野市、三木市、神戸市西区、明石市、淡路市、和歌山県の和歌山市(和歌山県)と、実に多くの市を通過しています。

各地にはそれを示すモニュメントも作られているので、興味ある方は全て制覇してみてください。

H・G・ウェルズの『タイムマシン』の最初の邦題は『八十万年後の社会』

H・G・ウェルズの『タイムマシン』といえば、SF小説の金字塔です。19世紀末に科学文明への批判も込めて著された本作ですが、現代の小説にも大きな影響を与えています。

そんな世界的な人気小説ですが、大正時代の日本にも早速紹介されました。『巌窟王』などを翻訳したジャーナリスト黒岩涙香(くろいわ・るいこう)は、同じく科学万能の世界に対し疑念を抱いていました。そんな彼がこの傑作を見過ごすわけはなく、1913年に翻訳して「萬朝報(よろずちょうほう)」という新聞で連載を始めています。

当時の邦題は『八十万年後の社会』。主人公がタイムトラベルした先は紀元80万2701年でしたが、果たしてバラ色の未来がそこにはあったのでしょうか。

「四六時中」というようになったのは24時間制になってから

いつも、常にという意味を持つ言葉に四六時中があります。しかし、これを辞書で引いてみると「二六時中」という同義の言葉が記載されています。

意味は同じなので深く考えない方もいるとは思いますが、この違いは何なのでしょうか。それは昔の時間の影響です。かつての日本では1日を12刻、つまり12分割していました。そのため、2に6をかけた12が1日ということで、一昼夜のことを二六時中といいました。

しかし、知っての通り1日が24時間というスタイルが導入されると話が変わってきます。なので、さらに2倍することで24時間制に合わせたのです。
生活や文化とともに言葉が変わる、わかりやすい例といえるでしょう。

落語の『時そば』は元々『時うどん』

古典落語の名作『時そば』は、実際に噺家から聞いたわけでなくとも大筋を知っている人も少なくないでしょう。

日本人の麺類に対する好みとして、東はそば、西はうどんといったように違いがあります。なので、西の人はそばといわれてもピンとこないのでは、などと心配する人がいるかもしれません。しかし、実はその逆、元々は上方落語の演目だったのです。しかも、西でのタイトルは『時うどん』。そばのほうは改変されたものです。

これは、三代目柳家小さんが翻訳したもので、その際にカットされたくだりもあるようです。興味がある方は聞き比べてみてください。

日本でも本来は2時間程度時差がある

海外旅行にいくと、まず腕時計を動かして時間を合わせると思います。アメリカなどでは国内なのに時差があり、移動先によっては時刻の調整をする必要があります。日本の国内旅行ではそんな手間もないので気楽でいいと思うかもしれませんが、実は時差は存在しています。

国土は意外と東西にも長く、東端の南鳥島は東経153度、西端の与那国島は122度と、およそ経度30度の開きがあります。この両端で見ると日の出・日の入りともに2時間程度の差が出ます。中間あたりの愛知県で見てもそれぞれ1時間は差が生じることとなります。

日本では標準時を用いているので時計を直す必要はありませんが、東の方に長い距離を移動すると夜明けが早いなというのは錯覚ではなく、ひっそりと時差が存在しているためなのです。

歳を取ると時間が過ぎるのを早く感じるという法則がある

ついこないだお正月を迎えたと思ったのに、気づいたらもう数ヶ月。年を取れば取るほどそんな風に感じる機会が増えてきます。

19世紀のフランスの哲学者ジャネーは、10歳の少年にとっての1年は10分の1だが、50歳の人にとっての1年は50分の1なので、10歳にとっての1年は50歳にとっての5年にあたると、この現象を心理学的に説明しました。

そしてこのことを端的に表した「人生で感じる時間の心理的長さは、年齢に反比例する」という原理は、彼の名前をとった「ジャネーの法則」と呼ばれ、心理学の世界で有名な法則として聞かれるようになりました。

アナログ時計があれば、方角を知ることができる

もし、スマホが電波をとらえられないほどの深い山で方角がわからなくなったら、どうしますか?そんな時は、このトリビアを思い出してください。ただし、アナログ時計を持っている必要がありますが。

まず、時計を水平にして、太陽の方向に時計の短針を向けます。その向きと文字盤の12時がある向きのちょうど真ん中の方向が南になります。

注意しなければならないのが、これは北半球での話で、南半球の場合だと先程の方向が北になります。南と思って移動していると大変なことになるので気をつけてください。

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