よみもの|聞くトリビア(読む編)

『YouTube公開』数珠の珠の数、何の意味がある?
【朗読】集中力が上がる雑学【聞くトリビア】

『奈良県で、ここ数年だけ一番高い建物は?』

『大企業が「作れない」食材とは!?』

 

集中力が向上して作業が捗る、面白雑学動画!

驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

刑務所の受刑者にも、ちゃんと給料が払われる

犯罪を犯した人が刑務所に入ると、刑務作業と呼ばれる仕事に従事します。その内容は工場での家具などの生産やミシンを使った縫製作業などがよく知られており、中にはそこで生産されたものが特産品として地方の名物になっている例もあります。しかし、あくまで彼らは受刑者。いくら働いても給料なんて出るわけがないと思われがちですが、実は少量ながらお金が支給されます。

正確には給料という名目ではなく「作業報奨金」という形で支払われるもので、この中から日用品を購入したり、残された家族にお金を送ることができますが、基本は生活費の支援という形で釈放時にまとめて払われるそうです。

気になるのはその額ですが、さすがに一般人の給料並みというわけにはいかず、受刑者の技術ランクなどにより1時間あたり6円から40円くらい、1ヶ月で最大6500円ほどとかなり少額です。とはいえ、釈放時に何もないよりは良いことでしょう。

ちなみにこれらの仕事の内容は、入所の際に一応希望は聞かれるそうですが、あまり聞き入れてもらえることはないようです。

ミッフィーの顔のバツの部分は、鼻と口が一緒に描かれたもの

オランダの絵本作家ディック・ブルーナが生み出したウサギのキャラクター、ミッフィー。日本では「うさこちゃん」という名前でも親しまれています。そんな彼女の顔の特徴として、口の位置にあるバツ印があります。このバツ、多くの人はミッフィーの口と思われているかもしれませんが、実は厳密には違います。

実はこのバッテン、上半分のV字型の部分が鼻、下の逆V字の部分が口として描かれているそうです。これはブルーナがウサギを見た時に鼻から口にかけての部分がバツの形に見えたことからこのようなデザインになったとのこと。ちなみにミッフィーのお父さん、お母さんはバツではなくて一本横棒が多い、「アスタリスク」の形をしています。この横棒はしわを表していて、大人の口を表現したそうです。

ちなみにあの口は開くのかという疑問を持たれた方もいるかもしれませんが、ミッフィー本人ではないものの、同じ形の口を持つ友達ウサギが驚いたときに大きく「O」の字に開いたシーンが描かれたことがあります。おそらくミッフィーも驚くと同じように口を開けるのでしょう。

日本で一番広い市は、日本で一番狭い県よりも広い

日本で一番広い市は何市かご存知でしょうか?正解は岐阜県高山市で、その面積は2179平方kmもあります。では日本でもっとも狭い都道府県はどこかわかりますか?正解は香川県で、面積は1876平方kmです。これを聞いて、高山市の面積は香川県の面積より大きいの?と思われた方もいるかもしれませんが、実はその通りです。もっといえば高山市は日本で2番目に狭い大阪府よりも大きく、3番目に狭い2187平方kmの東京都とほぼ変わらない面積を持っています。

これは2005年に高山市が丹生川村(にゅうがわむら)、清見村(きよみむら)、国府町(こくふちょう)など9つの町や村と合併したことによりこの広さになりました。ちなみに旧高山市時代と比較すると面積は15.5倍にもなったそうです。

なぜこのような大合併が行われたかというと、高山市をはじめとする周辺地域は山の中に位置するということで人口の減少や少子高齢化といった問題が生じていたため、それを解消する目的があったようです。また高山市以外の町や村も行政サービスの提供も他の地域に比べ低水準であったため、これらの町村にとっては合併によって高山市水準の行政サービスを提供することができるというメリットもありました。これらがうまく噛み合い、合併につながったそうです。

「ルビをふる」の「ルビ」とは、宝石のルビーのこと

本や新聞には読みにくい漢字の横に小さくふりがながつけられていることがあります。このふりがな、「ルビ」と呼ばれますが、この「ルビ」の語源についてご存知でしょうか?実はこれは宝石の「ルビー」からつけられたそうです。

19世紀後半のイギリスでは、印刷で使われている文字の大きさに宝石の名前がつけられていました。本来、印刷の文字のサイズは「ポイント」と呼ばれる単位で表され、1ポイントはおよそ0.35mmとなります。この文字の大きさで、4.5ポイントのものはダイヤモンド、5ポイントはパール、そして5.5ポイントはルビーと呼んでいたそうです。

西洋の印刷術が日本に伝わったとき、ふりがなに使われる活字の大きさが「ルビー」にもっとも近かったことから、ふりがなのことを「ルビー」と呼ぶようになり、それが次第に「ルビ」として定着するようになりました。こんなところに宝石由来の言葉が使われているだなんて、意外に思える話ですね。

サッカーで、100点以上差がついた試合がある

サッカーの試合の得点はたいがい3対0、2対1などのように1桁の前半同士で終わることがほとんどです。Jリーグの場合、1試合の両チーム合わせた平均得点は2点台です。しかし、世界の公式試合記録には、149対0というとんでもない記録が残っています。

これは、2002年にマダガスカルの1部リーグ、ASアデマ対SOレミルヌ戦で誕生した記録です。ただ、この149点、すべてオウンゴールだったそうです。というのも、これはレミルヌが前の試合で審判の不公平な判定によりアデマに敗れました。しかも、この試合はレミルヌのリーグ優勝に関わる試合で、レミルヌは負けたことでその座を逃し、代わりに試合に勝ったアデマがリーグ優勝を果たしています。

それに不満を持ったレミルヌメンバーは、消化試合となった次のアデマ戦で審判への抗議の意味合いを込めてオウンゴールを連発し、このような結果が生まれました。

もちろん、チームメンバーには処分がくだされました。監督には3年間の監督業停止、ゴールを量産した選手に対しても、シーズン終了まで試合出場停止となったそうです。

和歌山県からも富士山が見える

日本のシンボル、富士山。中部関東地方を離れるとその姿はまず見ることはできません。しかし、和歌山県に富士山を見ることができるというスポットがあります。

それは、和歌山県那智勝浦町(ちょう)にある色川富士見峠という峠で、名前にも富士山の「富士」という字が入っています。ここは富士山から320.9kmも離れていて、普通だととても富士山なんて見える距離ではありません。しかし、1995年に、ここでプロカメラマンが富士山の山頂の撮影に成功したことで話題となり、富士山が見える場所として注目を浴びるようになりました。

この地点は富士山から離れてはいるものの、間に熊野灘、遠州灘といった海が広がり、視界をさえぎるような高い山がないため、富士山が視界に入る絶妙なポイントとなっています。ただし、当然いつでも見えるというわけではなく、夏場の朝など空気が澄んだ日などタイミングも重要で、今まで撮影に成功した人も数名しかいないそうです。

また、この場所に展望台があるわけでなく、行くだけでも危険を伴います。自治体も到達する推奨ルートがないと表明しているため、たどりつくには相当な覚悟が必要です。

漫画『ゴルゴ13』のゴルゴの眉は、マジックインキで描かれていた

1968年の連載開始から、作者のさいとう・たかをが亡くなった2021年以降も彼のプロダクションにより連載がいまだに続いている『ゴルゴ13』。主人公のスナイパー、デューク東郷の活躍を描いたこの漫画、寺西化学工業が販売する油性マーカー、マジックインキが大きく関わっていると聞くと、意外に思うのではないでしょうか?

実はデューク東郷の顔を描くときは眉をマジックインキで描くことから始めるとのこと。マジックインキは乾くまで時間が短いため、扱いやすいというのが大きい理由のようです。また、『ゴルゴ13』の特徴のひとつでもある効果音などの擬音もマジックインキを使って描くそうです。

マジックインキを使って漫画を描いているのはさいとう・たかをだけではありません。あの手塚治虫も『新選組』という作品の中で、刀で切られたときの血しぶきをマジックインキを使って描いています。そのせいか、そのシーンは荒々しく迫力あるものとなっています。

漫画作品はGペンといった、漫画家特有の筆記用具を使って描かれていると思われがちですが、意外に身近なものも使われていたりするものなのですね(するものなんですね)。

『おくのほそ道』で芭蕉が西へ行かなかったのは、痔で悩まされていたから

松尾芭蕉の紀行文学『おくのほそ道』。江戸をスタート地点として東北を周り、北陸を通って現在の岐阜県大垣市までの旅を描いていて、近畿地方より西には一切行ってませんが、実は本当は四国など西にも向かう予定だったそうです。ではなぜその予定が無くなったのでしょう。

実は芭蕉は旅の途中、痔に悩まされていたそうです。『おくのほそ道』の中に「持病さへおこりて、消入計(きえいるばかり)になん」という句が収められています。「持病が起こり、苦しみのあまり気を失いそうになった」という意味の句ですが、この持病というのが痔だったそうです。激痛に悩まされ、出血も多くなったことから、芭蕉は大垣で一旦旅をストップして休憩を取り、治まり次第、西へと向かう予定でした。

しかし、いざ治まって西へ旅に出ようとしたところで、芭蕉は食あたりが原因でこの世を去ってしまいます。彼が痔を患っていなければ、もしかしたらさらなる名句が生まれていたのかもしれません。

ネコは爪を自由に出し入れできる

猫を飼っている人にとって猫の爪は非常に悩ましいものです。鋭い爪で柱や家具などをガリガリされて傷だらけになってしまったという人も多いのではないでしょうか。そんな猫の爪ですが、実は自由に出し入れできるという面白い習性があります。

これは猫の爪が筋肉と骨をつなぐ腱とくっついていているからで、筋肉を緩めると爪は引っ込み、力を入れると外に出ます。もともと猫が野生動物だったときに、音を立てずに獲物に忍び寄るために備わった機能だそうで、このおかげで爪を引っ込めて獲物に忍び寄り、そしていざ近づいたときに爪を出すということができるわけです。

ただ、子猫のうちはまだ筋肉の動きをコントロールできないのかうまく爪の出し入れができず、年をとった猫は筋肉が緩んでいるのか、歩いているときでも爪が出てしまうこともあります。

しかし、こんな風に猫の好きなように爪を出し入れされると、爪のケアが非常にやりにくくなります。スムーズに爪切りができるための方法としては、普段から猫とスキンシップを取って足をなでたりして、抵抗を無くすことで、猫は爪を出しやすくなるそうです。また猫は寝起きのときだと警戒心が薄いため、うまく爪を切れる可能性が高まるとのこと。猫を飼っている人は一度試してみてください。

高級将棋盤の裏の中央にあるくぼみには、恐ろしい名前がつけられている

脚のある高級な将棋盤を裏返したことがある人はいるでしょうか?実は高級将棋盤の裏には四角いくぼみがあります。これは盤を作るときに中の水分がここから逃げることでひびやゆがみができるのを防ぐため、そして盤に駒を指したときの音の響きを良くするために作られたものでだそうです。そんな将棋盤のくぼみ、実は恐ろしい名前がつけられています。

その名前とは「血溜まり」で、これはかつて対局中に第三者が口を挟んでアドバイスをすることは死に値するということで、その者の首をはねて、このくぼみに据えたことに由来するそうです。というのも当時、将棋は真剣勝負と考えられていました。それを邪魔することはタブーであったため、こんな話が出てきたのかもしれません。

また、高級将棋盤の脚には膨らみをつけた装飾がありますが、これは「くちなし」と呼ばれるもので、植物のクチナシの実をかたどったものです。対局中に周囲の人間が口を出してはいけない、という戒めを込めて作られたのだそうです。将棋の対局を観戦する際は、ぜひともお静かに。

かつて、トンネル工事で女性が働くことはできなかった

昔、日本では、山には女性の神様がいて、女性がトンネル工事に携わると神様が嫉妬して山が崩れてしまうということで、女人禁制とされていました。しかし、現在ではさすがにそういう言い伝えは風化して多くの女性技術者が活躍しています。ところが、最近まで女性がトンネル工事に従事していなかったのは、単に言い伝えが残っていたからだけではありません。法律で工事に関わることが禁止されていたからでした。

1980年代前半までの労働基準法では、原則として女性がトンネル工事の現場で業務に従事することは禁じられていました。これは単に肉体労働だけでなく、調査業務も含められていて、そのせいで女性の調査員はトンネルの調査ができませんでした。さすがにそれではまずいということで、土木工事に携わる女性たちによる団体、土木技術者女性の会が働きかけ、1985年に法律が改正されたことで、女性でも働けるようになりました。

ちなみに、なぜそんな法律があったかというと、単にトンネル工事に女性が適切でないとされていたからだそうです。おそらく体力的なことを考えて禁じられていたのかもしれませんが、現在の男女平等の視点からは考えにくい理由ですね。

日本のセーラー服は、もともと体操着だった

かつては女子学生の制服として定番だったセーラー服、最近はブレザーが主流となりあまり見なくなってきましたが、ある年齢以上の人には制服としての印象が強いのではないでしょうか。そんなセーラー服、日本に導入された当時は体育の授業で着る体操着として使われていました。

セーラー服が女子学生の制服として導入されたのは明治時代でした。1905年、東京女子高等師範学校、現在のお茶の水女子大学の教授・井ノ口阿くり(いのくち・あくり)が欧米で見た体操着をヒントにセーラー服とブルマーを体育の授業で生徒が着用する服として提唱し、それが同校で受け入れられたことで、正式な体操着となりました。しかし、この体操着、女性に対する国民の意識が保守的であった時代ということもあり、普及はしませんでした。

大正時代に入り、徐々に新しい女性の在り方が受け入れられるようになり始めると、ブルマーが女性の解放の象徴として導入されていきました。またセーラー服は体操着としては普及しなかったものの、通常の制服として受け入れられ、多くの学校で使われるようになりました。

もし、明治時代、女性に対する意識が少し変わっていたら、現在でも体操着としてセーラー服が使われていたかもしれません。

ティッシュペーパーは、もともとガスマスクのフィルターとして使われていた

我々の生活に欠かすことができないティッシュペーパー。その歴史をたどると、非常に面白い事実にぶち当たります。なんと、ティッシュペーパーはもともとガスマスク用のフィルターとして使われていたのです。

それは第一次世界大戦までさかのぼります。当時、ドイツ軍は毒ガス兵器を使い敵軍を攻撃していました。対策としてアメリカ軍は大量のガスマスクを兵士たちに配ります。そのフィルター部分に使われていたのがティッシュペーパーで、何層にもかさねることで毒ガスから兵士の体を守っていました。しかし戦争が終わり、利用価値を無くしたガスマスクは余り、同時にティッシュも在庫を抱えてしまいます。そんなとき、アメリカのキンバリー・クラーク社がこのティッシュを大量に仕入れ、女性用のメイク落としとして販売したところ、たちまち大ヒットとなり、また女性以外をターゲットとするために、手を拭くための紙ハンカチとして販売したところ、こちらも大ヒット。現在も多くの人に愛されるロングセラーとなりました。

ちなみに当時販売されていたティッシュペーパーは、現在のものより分厚かったそうです。今の薄さは肌の弱い日本人に合わせて生まれたとされています。

乾杯でグラスを合わせるのは、悪魔を追い払うため

宴会などで最初に行われる乾杯。場所によってはグラスを合わせて「チン」と鳴らすこともあります。そんなこの儀式、もともとはヨーロッパで悪魔を払うために行われていたものでした。

ヨーロッパでは、悪魔はグラスを合わせたときの「チン」という音が嫌いだと伝えられているため、悪魔を追い払ってみんなで幸せな門出を祝おうではないかということから始めたのが、乾杯という儀式だったというわけです。

また、同時に、お互いのグラスを打ち合わせることで、中のお酒に毒が入っていないことを確認するために行われていたという説もあります。それで毒入りかどうかわかるかははななだ疑問ですが、かつてヨーロッパでは暗殺がつたびたび行われていたことを考えると、こちらの説もあながちウソとは言い切れないのかもしれません。

日本に乾杯という文化が持ち込まれたのは幕末の1854年のことです。日本がイギリスと日英和親条約を結んだ際、その記念に行われたのが日本最初の乾杯だそうです。それが明治に入って西洋文化が日本中に広がったことで、このスタイルの乾杯が一般に知られるようになりました。

化粧品用の冷蔵庫がある

2020年、日本である変わった冷蔵庫が発売され話題となりました。その名も「スキンケアフリッジ」。なんと化粧品専用の冷蔵庫です。

化粧品は夏の暑さや直射日光などに弱く、環境によっては溶けたり、香水の香りや色が変わることもあります。ただ、それを防ごうと普通の冷蔵庫に入れると、中が本来化粧品の保管に適した温度よりも低いため、油分が分離してしまうなど、こちらも品質を悪化させてしまいます。そこで誕生したのが「スキンケアフリッジ」で、これは中の温度を化粧品の保存に適した摂氏10度前後にキープできるため、劣化を防ぐことができます。

またサイズもそれほど大きくないため、場所を取ることもありません。日本のような四季があり気温差が激しい国に適したアイテムです。興味がある人は一度調べてみてはいかがでしょうか。

奈良県で一番高い建物は、五重塔

2024年現在、日本でもっとも高いビルは東京都港区にある麻布台ヒルズ森JPタワーで、その高さは325mと東京タワーとほぼ変わりません。そして現在東京駅周辺に高さ390mほどになるTorch Towerが建設中です。今後、これよりも高いビルがどんどん生まれてくるかもしれません。

しかし、多くのビルが建設されているなか、なんと1426年に再建された五重塔がもっとも高い建造物という都道府県があります。それが奈良県で、その建造物とは興福寺の五重塔。高さは50.1mと森JPタワーの6分の1以下です。

なぜ、奈良県では高いビルが誕生しないのかというと、高い建物が建設できない県の条例があり、その高さの基準となったのが、興福寺の五重塔で、景観を守るために五重塔が見えなくなるような高さの建物を建ててはならないようになったというわけです。

ただし、現在この五重塔は保存修理工事が行われていて、塔を覆う形で高さ60mほどの作業用の屋根が作られています。工事は2031年に終了する予定なので、それまではこの作業用の屋根が奈良で一番高い建造物になります。

霧ともやとは、どれだけの距離が見えるかで変わる

天気予報でよく聞かれる「霧」と「もや」。はたから聞いただけでは同じような現象ではないかと思われるかもしれませんが、実はこれらはちゃんと明確な基準があって区別がつけられています。

その基準とは、目で見ることができる距離で、気象庁では人の目の高さで見渡せる距離が1km未満のものは霧、1km以上10km未満のものがもやと分類しています。

これは、霧は空気中で水滴のみが浮かんでいる状態、もやは水滴や水分を多く含んだ微粒子が浮かんでいる状態であるため、視界に広がる距離に違いができるというわけです。また、その性質から、肌が霧に触れると水滴が蒸発し体の熱を奪うため冷たく感じますが、もやは霧に比べて水滴が多くないため、冷たく感じることはありません。

似たような言葉に「かすみ」がありますが、これは気象用語ではないため、天気予報で聞かれることはありません。もし今度、霧やもやの予報を聞いたら、それらの違いを意識して外に出てみると面白いかもしれません。

虹の色の数は、国によって違う

「虹の色は何色?」と聞かれると、普通は「7色」と答えることでしょう。しかし、この虹が7色であるという考えは実は世界的にはそれほど多数派ではありません。アメリカでは6色、中国やフランスでは5色、南アジアではなんと2色と考えられています。また逆にアフリカの一部地域では日本よりも多い8色としているところもあります。日本と同じ7色と考えられている国はオランダ、イタリア、韓国ぐらいです。

なぜ、このような違いが生まれるかというと、各国で色の見方やその色を表す言葉があるかどうかが大きく関わっているようです。虹の色はある地点でいきなり変わるわけではなく、徐々にグラデーションがつきながら変化しています。途中に説明できない色があると、国や地域によってはその色を飛ばして、説明できる色まで変わったときに、はじめて色として認識されます。これが色の数の違いに表れているというわけです。

ちなみに色彩学的には7色に分類されているようです。これはニュートンが7色と分類したからだそうで、一部では日本はこのニュートンの区別をそのまま受け入れて7色としたのではないかという説も出ています。

宝石のトルコ石は、トルコでは産出されない

鮮やかで明るい青緑色が特徴的な宝石、トルコ石。パワーストーンとしても人気でアクセサリーとして身につけている人も多くいます。そんなトルコ石、名前からして、トルコが原産地であると思うかもしれませんが、実は違います。それどころかトルコで産出されることはありません。ではなぜこのような名前がついているのでしょうか。

トルコ石は13世紀まで別の名前で呼ばれていました。それは「美しい石」を意味するペルシャ語「カレース」です。十字軍の時代、カレースはフランスやヨーロッパに持ち込まれ、その美しさから人気でした。そのカレースを最初にフランスに持ち込んだのがトルコの商人だったそうで、そのことからフランス人はカレースを「ピエール・テュルコワーズ(トルコの石)」と呼ぶようになりました。そして「カレース」という名前は次第に使われなくなり、代わりに「トルコ石」という名前が一般的になったそうです。英語ではターコイズですね。

ちなみにトルコ石の多くはイランで産出されるそうです。またアメリカの南西部も産地として知られ、多くの国に輸出しているとのことです。

数珠はもともと、お坊さんがお経の回数を数えるための道具だった

お葬式やお墓参りのときに使う数珠。多くの小さい珠を糸に通す形で作られていますが、これはもともとお坊さんが念仏を唱える際に、その回数を数えるための道具として使われていたものでした。

正式な数珠には珠が108個つなげられていますが、かつてお坊さんはその珠をひとつひとつ指先でたぐりながら、お経の回数をカウントしつつ唱えていたそうです。数珠を漢字で書いたときに「数」という字が使われているのはそのためです。

ただ、数を数えるときに仏様に対して手を合わせて使うため、次第に本来の目的よりも仏様や亡くなった人に対する仏具として使われることが多くなり、一般的にも礼拝のための道具として認識されるようになりました。ただ、お坊さんの中には数珠の珠で回数を数える人も実際にいるそうです。

ちなみに、108個という数の理由は、除夜の鐘と同じように煩悩の数にちなんでとのことです。さすがに108個つなげたものは非常に長くなるため、一般的に販売されているものは珠が40個ほどの略式のものになっています。

日本で初めて放送されたテレビCMでは、放送事故が起こっている

日本で初めてテレビCMが放送されたのは1953年8月28日、その日に開局した日本テレビが流したもので、現在のセイコーにあたる精工舎によるものでした。

その内容は時計のメンテナンスを勧めるもので、正午に流されることから、同時に正午の時間を伝える時報の役割もありました。日本初のテレビCMということで局内の職員をはじめ多くの人がその放送に注目していましたが、そこで恐ろしいことが起こります。なんとフィルムが裏返しにかけられてしまったために逆向きに映像が流され、わずか3秒で放送が中止となりました。おそらく現場は相当なパニックになったことでしょう。

ちなみに同日の夜7時に、同じく精工舎のテレビCMが放送されました。内容は時計のゼンマイの巻き方のお知らせと午後7時の時報でした。これはうまく放送されたため、実質的にはこちらが日本初のテレビCMということになるかもしれません。

名古屋城のシャチホコは、火事を防ぐおまじないとして作られた

名古屋城といえば、多くの人はそのシンボルである「金のシャチホコ」を思い浮かべるのではないでしょうか。ではこのシャチホコ、なぜ作られたのでしょう?

実はこのシャチホコは城を火事から守ってくれるためのおまじないとして作られました。かつてシャチは火事が起きたときに口から水を出して火を消してくれるという言い伝えがありました。このシャチは想像上の生きもので、姿は魚、頭は虎、尾ひれは空を向いており、背中には鋭いとげが連なっています。その言い伝えからシャチは火事からの守り神として讃えられ、名古屋城の屋根につけられたそうです。ちなみに城が建てられた当時、ほとんどの建造物が木造であったため、名古屋城以外の多くの建物でも守り神として飾られていたと言われています。

ちなみにシャチホコを最初に城の飾りとして取り入れたのはかの織田信長だそうです。彼が建てさせた安土城にも付けられていたようで、城趾からはシャチホコのかけらが見つかっています。

江戸時代の店は、年末の大掃除が終わると主人を胴上げしていた

新年を迎えるにあたって、年末には多くの家では大掃除を行うのはないでしょうか?たまりにたまった汚れを落としきって、スッキリした気分で新年を迎えるのは非常に気持ちの良いものです。そんな年末の大掃除、江戸時代からすでに行われており、なんと当時、商売を行う家では大掃除が終わると最後に主人を胴上げする風習があったそうです。

なぜそんなことが行われていたのかというと、胴上げをして主人の汚れを落とそうと考えていたからだそうです。家の汚れをすべて落とした後に最後に主人の汚れを落とし、新年に神様を迎えるにふさわしい姿にしようと考えていたのだそうです。また、同時に翌年の商売が繁盛するようにと、願掛けの気持ちを込めて行われていたともされています。

しかし、胴上げを行う人の中にはいじわるな人もいたようで、この胴上げは屋内で行われますが、主人を上げるときに力を入れて高く上げ、わざと天井にぶつけて楽しんでいたこともあったとか。

バナナは、実が青い状態で輸入される

皆さんはバナナと聞くと、黄色い皮のものをイメージすると思います。この黄色いバナナは熟した状態のもので、熟する前は緑色の皮を身にまとっています。実はバナナが海外から日本に輸入される際、この緑色の状態でしか日本に入れることができません。

というのも黄色く熟したバナナは、中に害虫が混入している可能性があります。その状態で輸入してしまうと、日本の農業に大きなダメージを与える可能性が出てきます。それを避けるために必ず緑色の状態で輸入する決まりになっています。緑色のバナナは、日本に到着すると「室(むろ)」と呼ばれる保存室にしばらく置かれて、そこで黄色く熟させてから初めて店に並びます。

緑色のバナナは食べることはできるものの、そのまま食べると硬くて味も渋く、本来の美味しさを楽しむことはできません。ただ、加熱することでほくほくとした食感になって甘味が出てくるため、揚げたり炒めたりと加工食品用として販売されることがあります。もし見かけたら、買ってみて色々な料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。

輸血するために飼育されているイヌがいる

人間が輸血する際には、血液バンクという所で保存されている血液をもらいますが、動物病院で犬に輸血する際の血液はどうするのでしょうか。犬の血液を保存する血液バンクは、現在日本には存在しません。では、どうしているのでしょう。大きな動物病院では「供血犬」と呼ばれる、他の犬に輸血する血液を採取するための犬が飼育されていることがあります。

これらの犬は、手術などで血液が必要な犬のためにその都度採血されます。犬の血液は長期間保存することができないため、先に抜き取っておくことができません。そのために飼育しているというわけです。ちなみに1回に採血する量は犬の大きさにもよりますが、およそ150から200ミリリットルほどだそうです。

では、供血犬を飼うことができない小さな病院はどうしているかというと、ドナー登録している近くの犬を探し出して、採血に協力してもらうという形をとっています。ただし、この場合は確実にドナー犬が見つかるというわけではないため、場合によっては輸血できない可能性があります。それによる悲劇が起こらないためにも、もし犬を飼っている人がいたら、ドナー犬の登録についてご一考してみてはいかがでしょうか。

ファッションに取り入れられる流行色は、会議で決められている

今年の流行色はこれだ、と毎年テレビや雑誌などで取り上げられたりしますが、よくよく考えると、実際にその色が流行る前にメディアが取り上げて流行すると宣言しているのはおかしく感じます。実はこれらの流行色、ある機関が会議で話し合って決めているのです。

その機関とは国際流行色委員会、通称「インターカラー」。パリに本部を構える1963年に誕生した機関で、日本を含む16ヶ国により構成されています。この機関では毎年6月と12月に会議を開催し、6月には翌々年の春夏、12月には翌々年の秋冬の流行色を選定します。すなわち、その年の流行色は2年前にすでに決定しているというわけです。

そう聞くと、流行色はこの委員会が世の中に流行らせたい色を恣意的に選んでいるのはないかと思われるかもしれませんが、実は世の中の雰囲気に合わせて選んでいるらしく、不況や戦争が続けばピンクなどの明るいトーンの色、逆に景気がよかったりすると落ち着いた色を選ぶ傾向があるそうです。

発表された流行色は様々なアパレル企業が後に発売する服に取り入れられ、世の中へと流通していきます。流行色の決定にはこんな裏事情があったというわけです。

ヨーロッパではワインを水割りで楽しむ人もいる

皆さんはワインをどのように飲むでしょうか?ほとんどの人はそのまま飲むと答えるでしょう。何か他の飲み物を加えてカクテルとして飲むという人も多いかもしれません。しかしヨーロッパではなんとワインを水割りにして飲んで楽しむ人が結構いるそうです。

たとえばドイツでは白ワインに炭酸水を混ぜたものはヴァインショルレ、赤ワインに混ぜたものはロートヴァインショルレと呼ばれ親しまれています。ふつうはワインと水、1対1で混ぜますが、夏場では水の割合を増やしているそうです。

そもそもワインはアルコール度数が高く、平均で13度、高いものでは15度にもなります。そういう意味では水割りで楽しむのはいたって普通のことなのかもしれません。

過去にさかのぼると、かのフランス皇帝ナポレオンや、古代ギリシャの哲学者ソクラテスもワインの水割りを楽しんでいたという記録が残っています。ワインのアルコール度数の高さが気になっていた人や、新しい方法でワインを楽しみたいと思う人がいたら、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

服のセーターは、もともとダイエットアイテムだった

寒い冬場には欠かせないトップスのひとつセーター。セーターを一着も持っていないという人は珍しいと思います。さて、そんなセーターの語源について知っている人はどれぐらいいるでしょうか。実はセーターのもともとの意味は「汗をかかせるもの」。着ている人が汗をかくほど温かいということから名付けられたとされています。

しかし、もともとセーターは防寒目的で着るために作られたものではありませんでした。セーターの原型となるものが誕生したのは19世紀の終わりごろ、アメリカのフットボール選手をはじめとするスポーツ選手が着用して汗を流す、すなわちダイエットアイテムとして作られたものでした。そのため当時のセーターは冬に限らず、一年中着られていました。

しかし、20世紀に入りセーターはその独特の伸縮性や着やすさが注目されるようになり、減量目的ではなく、冬場の防寒やファッションアイテムとして着る人が増えていき、現在のセーターの形ができあがったというわけです。

ふぐ料理が日本に広まるきっかけを作ったのは、伊藤博文

日本では縄文時代からフグが食べられていたそうです。当時はまだフグの毒に関する知識はなく、食べて亡くなった人もいたようです。そして戦国時代、フグを食べたことによる中毒で亡くなった人がピークを迎えてしまいました。そのため、豊臣秀吉はフグを食べることを禁じたそうです。

しかし、明治に入り、初代内閣総理大臣の伊藤博文が下関を訪問した際、宿泊先である宿・春帆楼(しゅんぱんろう)が地元の魚でもてなそうとしたところ魚が取れず、仕方なく訴えられることを覚悟で禁止されていたフグを調理して出しました。ところが、伊藤博文はそのフグの味に感動しました。そしてこれが食べられないのはもったいないということで、山口県にフグを解禁するように働きかけ、1888年、山口県内でフグを食べることができるようになりました。その際、春帆楼はふぐ料理を出すことができる公認第一号店となりました。その後、フグは山口だけならず、日本全国に広まり、現在ではどこでも食べられるようになりました。

日本にふぐ料理の文化が広がったのは、春帆楼と伊藤博文のおかげだったというわけです。

医者が使う聴診器が生まれるきっかけは、セクハラ対策だった

内科のお医者さんが心臓音を聞くために使う聴診器。1816年、フランスの医師ラエネックが発明したものです。なぜこのようなものが生まれたかというと、それは女性患者対策がきっかけでした。

当時の医者は、患者の心臓の音を聞くために直接胸に耳を当てていました。しかし、この方法だと男性はともかく、女性にとってみれば、赤の他人に胸に触れられるということであまり良いように思われていませんでした。ある日、ラエネックは心臓病で苦しむ若い女性患者を診察しましたが、彼女は恥ずかしがり、診察をためらっていました。

そこでなんとかできないかと思ったラエネックは、子どもたちが長い木の棒の端に耳を当てて、もう片方の端をひっかく音を聞いて遊んでいたのを思い出し、近くにあったノートを丸めて患者の胸に当てて音を聞きました。そうすると直接耳に当てるより心臓の音がクリアに聞くことができたのです。これをヒントにラエネックは心臓音を聞く装置、聴診器を発明、これが医療の世界で広がり、多くの医者に使われるようになりました。

いわば聴診器は、今でいうセクハラ対策のために生まれた道具だったというわけです。

東京消防庁本部庁舎の高さは、電話番号と同じ119m

東京都千代田区大手町にある東京消防庁。その本部庁舎の屋上には大きな鉄塔が建てられています。その高さ、実は消防の緊急通報用の電話番号「119」と同じ119mです。

本部庁舎は1976年に完成、当時から屋上には鉄塔があり、その高さは111mでした。当初はその鉄塔の上に7.5mの避雷針をつける予定でしたが、せっかくだから、それよりさらに50cm長い8mにして、合計119mにしてはどうか、という案が出されました。こうすれば消防の広報効果も出ると考えてのことでした。そして実際に8mの避雷針が建てられ、高さも119mになりました。

しかし、現在庁舎の老朽化により新本部庁舎が建設される予定で、その高さも鉄塔を含めて119mを大幅に超える185mになる予定です。残念ながら、119mの鉄塔を見ることができるのは、あと数年だけになりそうです。そして、消防の電話番号を185に変更するという話も、もちろんありません。

相撲の決まり手には、今まで使われたことがないものがある

大相撲には全部で82の決まり手があります。寄り切りや押し出し、上手投げといったものはよく見られるため、ご存知の方も多いと思われます。しかし中にはめったに見ることができないどころか、一度も出たことがない決まり手もあります。

それは掛け反り、外たすき反り、撞木反りの3つで、1955年に決まり手が制定されて以来、十両以上の関取の取り組みで一度も出ていません。というのもこれらの技は非常にアクロバティックであり、狙って出すことがなかなかできないからです。中でも撞木反りは非常に難しく、頭を相手の脇の下に入れて、肩の上に担ぎ上げた後に、体を反らして相手を後ろに落とすという、まるでプロレスを思わせるような大技で、本場所の裏側で決まり手を判定する人にも、この技は絶対に出ないと言わしめるほどです。

しかし、2019年の夏場所では平幕の照強(てるつよし)が、長らく幻の技であった「送り掛け」という決まり手を決めています。そう考えると、もしかすると撞木反りなどを狙って決めてくる力士も現れるかもしれません。今後の大相撲に注目です。

掛け算に使う「×(かける)」の記号は、十字架が由来

掛け算をするときに使われる、アルファベットの「X」に似た記号「×(かける)」。これを最初に使ったのは17世紀のイギリスの数学者オートレッドという人物だそうです。彼は1631年に発表した著書『数学の鍵』の中で初めて「×」を掛け算の記号として紹介し、その後全世界に広まりました。

実はこの記号、オートレッドがキリスト教で使われている十字架を見たとき、これを斜めにすることで掛け算の記号として使えるのではないかと思いつき作ったものと言われています。ただ、なぜ斜めにしたかははっきりとわかっていません。また一説によると、青地に白い斜めのラインが入ったスコットランドの国旗をヒントに作ったとも言われています。

では、他の計算記号はどうかというと、「+(プラス)」は「and」という意味のラテン語「et(エト、アルファベットでイーティー)」の走り書き、「-(マイナス)」はminusの英単語の頭文字「m」が変形したもの、「÷(わる)」の記号は分数の形がそれぞれヒントとなって生み出されたとされていますが、他にも様々な説があるため、これらもはっきりとしたことはわかっていません。

コオロギの鳴き声で、今の気温がわかる

秋の夜に鳴り響くコオロギの鳴き声。実はその鳴き声に関するある公式がSNSなどで取り上げられ話題になりました。その公式とはなんと、鳴き声の回数で現在の気温がわかるというものです。

コオロギが15秒間に鳴いた回数に8を足し5をかけて、それを9で割ると現在の気温が出るそうです。すなわち15秒間にコオロギが28回鳴いたら、28足す8で36、それに5をけけて180、これを9で割ると20になるため、気温は20℃になるということです。

実はこの公式、もともとは子ども向けに書かれた海外の科学本に書かれていたものだそうです。昆虫などの変温動物は周囲の温度によって代謝速度が変わります。コオロギの鳴き声はハネがこすり合わさって出されるもので、温度によって代謝が変化してこすり合わすスピードも変わってしまうため、温度によって鳴き声のテンポも変化します。それを数字にして表したものがこの公式というわけです。

ただ、あくまでこの公式は目安ということで正確な温度を算出できるわけではありません。しかし、ある程度の参考にはなるため、一度鳴き声をじっくり聞いてみて、実際の温度と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。

学問の神様、菅原道真は、国家試験に落ちかけたことがあった

全国の天満宮に祀られている学問の神様・菅原道真。非常に頭が良かったのではないかと思われるかもしれませんが、実は言うほど賢くなかったというエピソードが残っています。

今から1100年ほど前、道真は当時の最難関の国家試験である方略試(ほうりゃくし)を受験します。道真は無事に合格はしました。しかし、その成績は非常に厳しいもので、なんとかギリギリのラインで合格したと言われています。

では、なぜそんな道真が学問の神様という扱いを受けているか不思議にも思いますが、実は当初、学問の神様として祀られていたわけではありませんでした。道真は政治闘争に敗れて無実の罪で太宰府へと左遷され、無念のまま亡くなってしまいましたが、その後、対立していた人物が次々と死んでいく不可解な出来事が起こり、さらには京都御所に雷が落ちるという天変地異も起こったため、多くの人はこれらの出来事が呪いではないかと思うようになりました。そこで、そんな道真を祀ることで鎮めようではないかということで、神様という扱いをしただけで、そこには学問は一切絡んでませんでした。

しかし、後に祟りが世間から忘れられてきた頃、道真が京都で学者として活動していたことが取り上げられ、そんな彼を学問の神様として祀ろうではないかということで、現在のような扱いをするようになったそうです。

大企業は、豆腐を製造販売することができない

スーパーに並んでいる豆腐を見ていると、どれも豆腐販売以外であまり名前を聞いたことがないメーカーのものばかりで、いわゆる大手の食品メーカーのものは見られません。これは法律によって大手食品メーカーが豆腐を製造販売することは禁止されているからです。

その法律とは「分野調整法」、正式名称「中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律」というもので、中小企業が多い事業に大企業が参入することに対して、国が「調整」を行うために設けられた法律です。この法律によって現在、豆腐をはじめとして、飲み物のラムネやハイサワーなどの焼酎割り用飲料などの生産に関して、大企業の参入が制限されています。過去にはコカ・コーラ社が焼酎割り用飲料に相当する製品を販売しましたが、すぐに中止勧告を受けて販売しなくなったこともあります。

この法律が制定されたのは1970年代、現在とはまた状況も違うため、もしかしたら時代に合わせて法律も改定される可能性もあります。そのうち大企業が製造する豆腐がスーパーに並ぶ日もくるかもしれません。

金星に浮かぶ雲は、硫酸でできている

太陽系の惑星のひとつ、金星。望遠鏡で見るとその表面は真っ白く見えます。実はこの白いもの、金星の大地ではなく、表面を覆っている雲ですが、危険な物質として知られる硫酸でできています。

この雲、金星の地表からおよそ50から70kmの高さに浮かんでいます。地球の雲と違い切れ目なく覆い尽くしており、またこの雲の中では秒速100mほどの強い風が吹いています。

なぜ、こんな雲ができたかというと、金星が太陽に近い距離にあることが挙げられます。太陽に近いことで金星の表面温度はかなり高く、大気の温度は400℃以上あるといわれています。そのため地表の岩石に含まれる黄(おう)鉄鉱などが二酸化炭素、水と反応して大気中に亜硫酸ガスを増やし、それが上空に浮かび、硫酸の雲となって金星を覆い尽くしていったわけです。

そうなると、金星には硫酸の雨が降るのではないかと思われるかもしれませんが、大気の温度が高いため、硫酸は液体の状態ではいられません。そのため、金星では雨そのものが存在しません。

ヘッドライトがまぶしい車を見るときは、片目を閉じると良い

夜、道を歩いていると向こうからヘッドライトを照らした車がやってきて、その光をまともに見て目がくらんだ人も多いのではないでしょうか。実はその前にあることをすると、ライトを見てもまぶしさを防ぐことができます。そのあることとは、ライトが近づいてきたときに片目を閉じて、過ぎ去ったら片目ををあけるというものです。

なぜ、暗いところでライト見ると目がくらむかというと、目には暗い場所で働く桿体(かんたい)細胞と、明るい場所で働く錐体(すいたい)細胞とがあり、これらの細胞は周囲の明るさに合わせて切り替える形ではたらきますが、急に暗い場所から明るい場所、明るい場所から暗い場所に移動すると、それぞれの細胞が反応するのに時間がかかってしまい、対応が遅れてしまうため、暗いところでまぶしいものを見てしまうと、急に細胞が切り替えられず、強い光の影響を受けて目がくらんでしまうというわけです。

そのため、まぶしい光を暗いところで見るときに片目を閉じることで、その目の細胞が切り替わるのを防ぎ、目がくらまないようになります。もし暗い道を通っているときに車がやってきた時には、一度試してみてください。

宇宙人からメッセージを受けたときの対応の仕方が、国際天文学連合により定められている

1991年、IAU、国際天文学連合の総会である決議が行われました。それは地球外文明、すなわち宇宙人から何かしらの信号を受けたとき、どのように対応すべきかというものです。

その決議では、もし信号を受けた場合、「その発見者は適切な国家の当局に通報すべき」など、かなり厳重な手続きが明確に記されました。実はこのような地球外文明に関する研究は1960年代からかなり大真面目に世界各国で取り組まれています。日本でも2007年に、先程の手続きにある、通報すべき適切な国家の当局とはどこかを、研究者を集めて議論しています。しかし、その時は具体的な機関の候補が挙がることなく、結論が出ないまま終わっています。

アメリカには地球外文明を探す専門の電波望遠鏡もあるそうで、我々が思っている以上に研究者たちは本格的に取り組んでいます。おそらく日本でもそのうち、地球外文明を発見したときの独自のガイドラインが完成するかもしれません。

9月を意味する英単語「September」は、もともと7番目の月という意味

9月を意味する英単語「September」。もともとはラテン語に由来する言葉で、「7番目の月」という意味があります。9月なのに、なぜ7番目の月?と皆さん思われるでしょう。実は、古代ローマで使用されていた暦の数え方が原因でこんなおかしなことになっていたのです。

紀元前8世紀頃、古代ローマでは「ロムルス暦」という暦を使っていました。この暦、月のサイクルと農作業のサイクルに合わせて、1年を現在の3月に始まり12月に終わる10ヶ月で数えていたそうで、そうなると9月は3月から数えて7番目にある月になります。そのため、9月が「7番目の月」という意味の「September」と名付けられたわけです。ちなみに10月の「October」は「8番目の月」、11月の「November」は「9番目の月」、12月の「December」は「10番目の月」という意味があります。これも同じ事情から名付けられています。

ちなみにこのロムルス暦、現在の1月、2月にあたる期間はどのようになっていたかというと、農作業が行われないことから「死の季節」として、およそ61日はあるものの暦に数えられなかったそうです。

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