よみもの|聞くトリビア(読む編)

『YouTube公開』「利き目」を判定する方法、知ってる?
【朗読】知っていたら尊敬される雑学【聞くトリビア】

『パリの女性が2013年まで禁止されていたことって?』

『ゆで卵を生卵に戻す方法がある!?』

 

ふとしたときに披露すれば尊敬を集められる?面白雑学動画!

驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

過去、幕内で10度しか負けたことがない力士がいた

江戸時代、今では考えられないような、とんでもない強さを誇った力士がいました。その名も雷電為右衛門。相撲好きの間では伝説の力士として有名かもしれません。18世紀末から19世紀初頭にかけて、通算成績254勝10敗2引き分けと、今では考えられない記録を残しています。優勝回数も全部で25回、うち全勝優勝7回を誇り、当時はあまりの強さに突っ張りや張り手、かんぬきを禁じられていたそうです。

しかし、そんな雷電ですが、実は横綱に昇進していません。大関の座を27場所連続で務めていながら、この強さで横綱になれてないのは、不思議でなりません。ではなぜ横綱になれなかったかというと、2つの有力な説が残されています。

ひとつは顔が良くなかったという説。当時の力士はルックスが重要視されていて、雷電の顔は良くなかったために横綱の器に値しないということで昇進できなかったそうです。

もうひとつが、あえて横綱にならなかった説。雷電は雲州松平家のお抱えの力士であり、自分が横綱になると、力士や行事を支配する相撲司家(つかさけ)を抱える肥後細川家と対立してしまうと考えたためにわざと昇進しなかったと言われています。

残念ながら時代が悪かったため、彼は横綱になれませんでした。もし生まれてきた時代が違ったら彼はどのような扱いを受けていたのか、非常に興味深いところです。

『かいけつゾロリ』は、スピンオフ作品

人気の児童小説シリーズ『かいけつゾロリ』。アニメ作品も人気で、1987年にシリーズ第1作が刊行されているということもあり、幼少期に楽しんだ方も少なくないと思われます。

ところで、これは実は今はやりのスピンオフ作品というのはご存じでしょうか。元々の話はみづしま志穂が文、原ゆたかが絵を担当している『ほうれんそうマン』という児童書でした。

この主人公はブタの小学生ポイポイで、ピンチになるとほうれんそうを食べてほうれんそうマンとなり、ゾロリのいたずらから仲間を守ります。つまり、主人公と思いきやここでのゾロリは敵役です。

とはいえ、ライバルながら憎めないキャラクターであるゾロリは人気となり、逆に主人公となる作品が作られ、そちらのほうが元ネタより多く刊行されるようになりました。

川端康成は、イヌの飼い方を指導したエッセイを残している

ノーベル文学賞受賞者として知られる文豪・川端康成。彼は実は愛犬家としての一面も持っていました。多くの犬を自宅で繁殖させた経験をもとに、犬に関するエッセイも残しています。

そのタイトルは『愛犬家心得』で、犬に対する思いや、タイトル通り、犬を飼うにあたって求められる心構えなどが書かれています。また、犬を単なるペットではなく、自然が生み出した命のひとつとして受け入れることで、自然や命の素晴らしさなど、普段人間が忘れがちな大切な感覚を取り戻すことができると、犬に対する思想もこの中に記しています。

そんな彼が犬の気持ちを尊重していたことがわかるエピソードもあります。川端はある日知人から犬を譲ってほしいと頼まれて譲渡したそうです。しかし、その知人はしばらくしてから相性が合わないのでやっぱり返すと言ってきました。それを聞いた川端は大激怒し、その返事を返すことはなかったそうです。常に犬の気持ちを考えて行動していた川端らしいエピソードです。ちなみにその犬は知人の家から抜け出して、川端のもとまで逃げてきたそうです。犬もその気持ちを受け取っていたのかもしれません。

尿路結石は、ジェットコースターに乗ると取れやすくなる

2016年、アメリカ・ミシガン州立大学の研究者たちが非常に面白い研究を報告し話題となりました。それがジェットコースターに乗ると尿路結石が治るというものです。

これはある患者がフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドにあるジェットコースターに乗ったところ、3個の結石が出たとの報告を受けたことに端を発します。どうやら、ジェットコースターに乗ることで腎臓が揺さぶられることで、結石が体外に出やすくなるらしいとのこと。

研究チームはこのことを証明するために、人の腎臓を再現したものに尿と結石をつめてジェットコースターに搭乗し、何度も実験を繰り返しました。その結果、およそ64パーセントの割合で結石が外に出たそうです。ただし、この方法で効果があるのは直径4mm以下という小さめの結石の場合だけで、大きいと外には出ないようです。しかし、現に高い確率で確認できたということで、彼らは学会誌にこの研究を掲載、たちまち話題となったということです。

ちなみにこれを発表した研究チームは2018年にノーベル賞のパロディーであるイグノーベル賞の医学賞を受賞しています。

オリンピックのボート競技で、偶然居合わせた子どもを乗せて金メダルを取った国がある

オリンピックの金メダリストの中で最年少は誰か。公式では1936年のベルリン大会の女子3m飛び板飛び込みで勝利したアメリカのマージョリー・ゲストリングとされています。当時13歳268日で、100年近く経った現在でもこの記録は破られていません。しかし、この記録はあくまで公式に発表されたもので、実はもっと若い年齢で金メダルを獲得した選手がいるという話が残っています。

それは1900年のパリ大会の男子ボート舵手(だしゅ)つきペアでの話で、金メダルを獲得したのはオランダのフランソワ・ブラントとルロフ・クラインのペアでした。ただ、この種目ではそれぞれの船に舵取り役のコックスと呼ばれる役職の人が乗ることになっていますが、そのコックスの体重が重いと、スピードが出ずに不利になってしまいます。そこで、彼らは少しでも軽い人を乗せようということで近くにいた幼い少年を誘い、彼を乗せて競技に参加し優勝しました。その少年が最年少記録ではないかというわけです。

ちなみにその少年は記念写真を撮影した後にすぐ立ち去り、消息が不明となっています。調査によるとその時の彼の年齢は12歳だったらしく、これが判明すれば、おそらくオリンピック最年少金メダリストが更新されることになりますが、100年以上経った今となっては真相は藪の中です。

北海道では、宴会などの乾杯の時に牛乳を使うように定められた町がある

酪農が盛んなことで知られる北海道東部の町、中標津町(なかしべつちょう)。ここでは地元で生産された牛乳をもっと世間に知ってもらいたい、みんなに飲んでもらいたいということから、一杯目は必ず牛乳で乾杯しようという「牛乳で乾杯条例」を2014年に施行しました。

牛乳は中標津町にとって身近な飲み物であるにもかかわらず、宴会やイベントでは必ずお酒が乾杯で使われることを疑問に思い生まれたのがこの条例です。牛乳で乾杯することで、知らない人にとって町を知ってもらえるいい機会になる、また牛乳だと老若男女誰でも飲むことができ、また時間や場所も気にせず乾杯ができるというメリットがあるようです。

2024年には条例施行10周年を記念して、牛乳で乾杯しているシーンを撮影してSNSにアップするフォトコンテストが開催されました。対象は中標津町に限らず日本在住者であったため、これをきっかけに牛乳で乾杯を始める人がいたのかもしれません。

高級な将棋盤や碁盤には、マス目を区切る線を描くとき、日本刀が使われるものもある

タイトル戦などに用いられる最高級の将棋盤や碁盤。その盤上の黒線はなんと日本刀を使って入れられることがあります。

これは「太刀盛り(たちもり)」という工程で、日本刀の刃の部分に漆をつけて、盤を斬るようにして漆の線を盛り付けていきます。まっすぐで反りのある日本刀は直線を描くのに適していて、盛り上がりが際立った美しい線に仕上がります。

埼玉県行田市にある吉田碁盤店では長年この太刀盛りの技術で将棋盤、碁盤を作ってきました。ちょっとした空気の変化で漆の状態も変わり、繊細な技術を要するため、1日に最大2面までしか作業ができないそうです。それだけ慎重に作られることから、やはり太刀盛りで作られた盤の価格は値が張るようで、最高級品のものはおよそ250万円もします。

ちなみに太刀盛り以外の伝統的な線の入れ方には、他にも金属製のヘラを使ったヘラ盛り、ねずみのヒゲを使った筆盛りなどがあります。これらの技法によって日本の将棋盤・碁盤文化が保たれているというわけです。

かつてトルコでは、コーヒーを飲ませてくれないという理由で離婚ができた

ヨーロッパとアジアにまたがる国トルコ、この国の人たちにとってコーヒーは実に大事な存在で、正装に身を包んでコーヒーを楽しむ日本の茶道に似た芸道もあり、文化としてしっかり浸透しているようです。

そんなトルコでは16から17世紀頃、夫が妻にコーヒーを飲ませなければ離婚できるという法律があったそうで、また、結婚するときには男性は「毎日妻にコーヒーを飲ませるようにします」と誓いの言葉を立てないといけなかったとか。もしかしたらこの言葉にはそれだけしっかり働いて稼ぎますという意味も込められているかもしれません。どちらにしろ、コーヒー文化が根付いたトルコならではの法律、風習に思われます。

またトルコと同じようにコーヒーを大事にしている国がアフリカにあります。それはコーヒーノキの原産国でもあるエチオピアです。この国ではコーヒーを飲む行為を「コーヒーセレモニー」と呼び、伝統的な儀式であり重要な文化として扱っています。また、南西部では男性が女性の実家にコーヒー豆を持っていき、その豆を使ったコーヒーを飲みながら結婚について話し合う「コーヒープロポーズ」なる風習もあるそうです。

世界各国でこのような変わった風習を生み出すきっかけとなったコーヒーは、改めてすごい飲み物であるということを感じさせてくれます。

世界初のカーナビは、機械に地図を差し込んで使っていた

現在、ドライブに無くてはならないカーナビ。誕生したのは1981年と今から40年以上前のことになります。当時まだコンピュータの技術もそれほど発達しておらず、車に搭載できるような小型ディスプレイも存在していません。ではどのようにして目的地までの道のりを表示していたのでしょうか。

実は、透明のセルロイドに印刷された地図をブラウン管のモニターに差し込むことで、目的地までの道のりを表示していました。ただ、当時GPSがないため、自分の車がどこにいるか、自動的に検出できなかったようです。そこで利用する際には専用のペンを使って地図に現在地を書き込む作業が必要となりました。それさえすれば、あとはカーナビに搭載されたセンサーが自動車の動きを自動的に検出し、自分がどの辺りにいるのか、目的地までどのように行けばいいか確認することができたそうです。

ただし、このシステムの欠点として、エリアが変わると地図を手動で差し替えなければならず、その都度、車を停止させる必要があったことです。また、センサーもそれほど性能が良くなかったのか、表示が本来の道からずれていることもあったようです。

マクドナルドのチキンマックナゲットには、4種類の形がある

マクドナルドの定番メニューのひとつ「チキンマックナゲット」。行くと必ず注文するという人も多いかもしれませんが、その形をじっくり見たことがあるという人はそれほどいないのではないでしょうか。

実はナゲットの形は全部で4種類あり、それぞれベル、ブーツ、ボール、ボーンと形をイメージさせる名前がつけられています。なぜこのような形になったかは、はっきりはわかっていませんが、日本マクドナルドでは、食べるときにお客さんに楽しんでもらうためにこのような形にしているそうです。ただ、形が違うからといって味が違うというわけではないとのこと。

また、ナゲットの表面はデコボコした形をしていますが、これはソースを絡みやすくするための工夫で、工場でナゲットを揚げるときに、衣をつけた鶏肉を高いところから油に落とし、その衝撃で表面がデコボコになるのだそうです。

もし、マクドナルドでナゲットを注文するときは、形にも注目してみてはいかがでしょうか。面白い発見があるかもしれません。

服を乾燥させるとき、乾燥機に氷を入れると、シワがとれる

いつだってシャツにできるシワは悩みのタネです。アイロンをかければなんとかなるものの、そんな時間もないときは、シワがついたシャツを着て外出しなければならず、テンションも下がりがち。しかし、そんな人に朗報があります。氷を数個とシワの入ったシャツを乾燥機に入れて、設定温度をもっとも高くして回すだけで、簡単に取ることができます。

これは氷が乾燥機内で溶けて、さらに高温で加熱されることでスチーム状態になるため、これが服にかかることでアイロンをかけるのと同じ状態になるからです。

ただし、この方法だと1度でシワが取れるシャツは2枚程度と少なく、それ以上入れるとうまく取ることができません。あと、氷も1度に2、3個で良いようです。大きな乾燥機だとそれだけで足りないような気もしますが、これ以上入れるとあまり効果は出ないとのこと。

ただ、これはあくまで緊急用ということで、普通にアイロンをかけたほうが仕上がりはもちろんきれいです。アイロンをかける余裕がないときにだけ試してみてください。

松尾芭蕉は、料理人として働いていたことがある

俳人としておなじみの松尾芭蕉。彼の生涯は非常に謎が多く、一説ではその正体は忍者ではないかとまで言われています。そんな芭蕉ですが、実は料理人として働いていた経験があるようです。

芭蕉は10代のときに家を出て、伊賀を治めていた藤堂家の奉公人になりました。そのときの記録で料理人として藤堂家の屋敷で食事の準備をしていたことがわかっています。

しかし、そこで藤堂家の跡継ぎである良忠(よしただ)と出会い、彼とともに俳句について学んでいるうちに興味を抱き、俳人の道を歩むようになったと言われています。

ちなみに料理人の他にも様々な職業についていたそうです。町の役人のもとで事務員として書類の作成や整理を担当したり、神田上水の工事にあたり必要となる作業員を手配したり、また俳句絡みでも講師として俳句を教えたりなど、色々な職歴があったとされています。

謎に満ちた芭蕉の人生ですが、こうやって紐解いてみると、意外に浮世離れせず、地道に生きてきたことがわかります。

カレー南蛮とカレーうどんの違いは、ネギが入っているかどうか

うどん屋のメニューで「カレーうどん」と「カレー南蛮」が並んでいることがあります。何も知らないと、カレー味は共通するものの、どちらがどんなうどんであるか、わからずに食べることになりますが、実は上に長ネギが乗っているのが「カレー南蛮」、乗っていないのが「カレーうどん」です。

というのもかつて長ネギは「南蛮」と呼ばれていました。もともと「南蛮」とは、室町時代や江戸時代にポルトガルやスペインから日本にやってきた人を指す言葉「南蛮人」からきたものです。彼らはインドや東南アジアなどを経由し、南の方角からやってきたことからこのように呼ばれていたそうです。

彼らは日本に滞在しているとき、好んで長ネギを食べていたそうです。それを見ていた日本人が、次第に南蛮人が良く食べていた食材ということで「南蛮」と呼ぶようになり、それが現在にも伝わっているというわけです。

もし長ネギが苦手な人がいたら、カレー南蛮、鴨南蛮などの「南蛮」とついたメニューは選ばないようにしましょう。

カラフルなタイヤを作ることはできない

自転車や自動車のタイヤで、黒以外のものを見た人はいるでしょうか?実はそんなタイヤは現在存在していません。タイヤがもっとカラフルであれば、自転車や車選びももっと楽しくなるのに、と思われるかもしれませんが、実は黒以外のタイヤは、技術的に作ることができません。

というのもタイヤはゴムにカーボンブラックという炭素の粉末を混ぜて作ります。この粉末はタイヤの強度を高めるために欠かせないもので、これがないゴムタイヤは非常にもろく、普通に走ることができなくなります。そんなカーボンブラック、名前の通り黒い色をしています。タイヤが黒いのはこの粉末が混ぜられているからです。これを別の素材にすればタイヤの色を変えることができますが、現在のところ、代わりになる素材が見つかっておらず、どうしても黒色にならざるを得ないというのが現状です。

また、それ以外にも、黒だと汚れが目立たないというメリットもあります。タイヤは地面の上を走行する性質上、どうしても汚れがちです。そのため、色をカラフルにしてもあまり意味がないということで、黒以外のタイヤが開発されていないようです。

利き手、利き腕と同じように、利き目もある

利き腕、利き足という言葉はよく聞いたことがあると思います。スポーツ選手などはこれらが右・左のどちらかがかなり重要視されています。実は同じように目にも「利き目」というものがあります。人間はものを見る時、利き目を軸として、もう片方の目で利き目を補っているそうです。

ただ、生活していく上でどちらが利き目かが重要視されることはまずありませんし、意識しなくとも生きていくことができますが、スポーツ選手にとっては大事な要素らしく、たとえば野球のバッターだと、利き目をピッチャー側に向けてボールを見ると、ボールの動きを把握しやすくなりますし、フィギュアスケート選手は、利き目の方向に回転すると良いとされています。

しかし、スポーツ選手でなくとも、こういう話を聞くと、自分の利き目がどちらか気になると思います。実は簡単な方法で利き目を調べることができます。まず、数m先にある物を見続けた後にそれを指で指します。その指を見ながら片目ずつ交互に閉じたり開けたりします。そうすると片方の目で見たときはしっかりその物を指さしていて、もう片方の目では少しずれた方向を指さしているはずです。そのうち、しっかり指さしている方の目が利き目です。簡単にできるので、一度試してみてください。

日本人より、外国人のほうが、太陽がまぶしく見える

屋外を歩いている西洋人を見ると、サングラスをかけている人の割合が多いことに気づくはずです。これは日本人に比べてファッションに気を使っているから、というわけではありません。実は西洋人はどうしてもサングラスをかけざるを得ない事情があるからです。

実は西洋人は東洋人に比べて太陽の光をまぶしく感じやすい性質があります。西洋人の瞳の色は青くなりがちです。これは目の中にある虹彩(こうさい)と呼ばれる細胞の色が違うためで、暗い色の虹彩は目に入る光の量は少なく、明るい色の虹彩はそれよりも多く光が入ってきます。すなわち、西洋人がまぶしさを感じやすいのは、目の色が青いからというわけです。

ちなみにこれは太陽の光に限らず、部屋の照明に対してもまぶしく感じやすいようです。映画などで見るアメリカやヨーロッパの家の明かりが日本と比べて暗めなのも、そういった理由からというわけです。もし西洋の人を日本の家庭に案内するときは、少し照明を落としてあげると良いかもしれません。

キリンの足のかかとは、地面から70cmほどの高さの位置にある

キリンといえば誰もが長い首を思い浮かべるところですが、実はそれ以外にもユニークな身体的特徴を持つ動物でもあります。皆さんはキリンの足の裏はどこからどこまであると思うでしょうか?普通に考えると地面についているところだけが足の裏だと思うかもしれませんが、実は我々が膝だと思っている部分の裏あたりまでが足の裏なのです。

キリンの膝と思われる部分は、我々人間の膝とは違い逆方向に曲がります。なぜこのようなことが起こるか不思議に感じるかもしれませんが、実はそこがかかとだったと考えると、この謎も簡単に解けます。キリンは実はずっとかかとをあげてつま先立ちの状態で生活しているというわけです。その証拠にかかとの部分を調べてみると、うっすらと浮かんだアキレス腱を発見できます。

では、キリンの膝はどこにあるのかというと、胴体に近い部分、お腹とほぼ同じ高さのところにあります。すなわちキリンには太ももがほとんどありません。

なぜこのような形になったかというと、脚を素早く動かすことができ、速く走れるようになるからです。ずっとつま先立ちでしんどくないかと思いますが、キリンにとってはこれが一番生活に適した形だったというわけです。

新鮮なマグロは、美味しくない

魚は新鮮であればあるほど美味しい、そういうイメージを抱く人は多いかもしれません。しかし、マグロは穫れてすぐに食べてもあまり美味しくない、というか何も味がしないそうです。

我々が食べている生のマグロは釣り上げて締めてから、およそ10日程度経ってからのものです。冷凍マグロに関しても一番美味しいのは解凍してから3日ほど経ったものとされています。これは、マグロの中にある旨味成分、イノシン酸によるものです。締めた直後のマグロにはアデノシン三リン酸というほとんど味がしない成分が含まれていますが、時間が経つとこの成分がイノシン酸に変化していきます。そしてしばらく熟成させることで我々が知る美味しいマグロへと変化していくわけです。

ちなみにこの話、本当はマグロだけでなく、魚全般に言えることだそうで、どんな魚でも釣ってすぐの魚はあんまり美味しくないようです。魚の種類にもよりますが、釣った魚を食べるときは、しばらく置いてから食べるようにしましょう。

江戸時代、大名と同じように「小名(しょうみょう)」もいた

江戸時代の日本には、全国各地にあった藩を治める「大名」という役職がありました。日本史の授業などで必ず聞く言葉であるため、知らない人はまずいないと思われます。しかし、大名に似た名前の「小名」と呼ばれる役職もあったということを知る人は少ないのではないでしょうか?

もともと大名は平安時代末期に誕生した言葉で、当時は土地を所有する武士を指していました。しかし時代が経つにつれ大名の数が多くなったのか、その中でもランク付けがされるようになり、広い土地を持つものはそのまま「大名」、そしてそれほど広くない土地を持つものは「小名」と呼ばれるようになったそうです。これが小名という言葉の始まりでした。

そして江戸時代、大名という言葉は我々が知る藩主という意味合いで使われるようになりましたが、ランク付けはまだ続いていて、比較的領地が少ない大名のことを小名と呼んでいたそうです。

ではどれぐらいの規模の領地の大名が小名と呼ばれていたかというと時代によって変わっていたそうです。ただ、江戸時代初期に制定された「武家諸法度」には、大名、小名の区分の境界線は5万石だったと書かれています。

パリでは2013年まで、女性がズボンを履いてはいけなかった

多様性が叫ばれる現代、男性、女性に関わらず好きな格好ができる時代になりました。しかし、フランスのパリではほんの10年ほど前まで、女性はズボンを履いてはいけないという法律が存在していました。

この法律は1800年に成立したもので、その背景には、フランス革命戦争が終わり開放されたことを国民に認識させたいという国の願望があったようです。というのも、戦争中、一部の女性は武装して男性とともに戦っていました。戦争が終わって、そんな彼女たちが女性らしく生きていけるようにと、ズボンを履かずにスカートを履くことが推奨されました。その一環として誕生したのがこの法律だったというわけです。

しかし、この法律によって女性はこうあるべきだという偏った考えを国民に植え付けることになり、逆に女性としての生き方を狭めることになりました。当時はまだ許されたかもしれませんが、200年経った現代では通用しません。さすがにこの法律は時代錯誤であるとフェミニストをはじめとした女性たちが立ち上がったことで、2013年になってようやく廃止となりました。

ファッションの都として知られるパリで、こんな保守的な法律が長年存在していたということは驚きですね。

フィギュアスケートで演技中に宙返りすると、減点されていた

氷の上で美しい演技を見せてくれるフィギュアスケート。美しさを競うためか、たとえば宙返りのようなアクロバティックな演技を見ることはほとんどありませんでした。もっと言えば、演技中の宙返りは減点対象となっていました。

なぜ減点対象かというと、優雅ではないから、というわけではなく、単に危険性が高いためという理由のようです。確かに硬い氷の上で宙返りを失敗したとなったら大ケガになること間違いないでしょう。また、その衝撃で氷の上に穴が開いたら、次に滑る選手が危険だという理由もあります。

そんな中、2024年のヨーロッパ選手権、世界選手権のフリースケーティングで、フランスのアダム・シャオ・イム・ファ選手が減点を承知の上で宙返りに挑戦し話題となりました。彼は観客を喜ばせたい一心で行ったそうですが、関係者やファンの間では賛否両論でした。

しかし、そんな宙返りですが、2024年7月のルール改正により減点対象ではなくなることが発表されました。この改正には、先程のシャオ・イム・ファ選手の演技が話題を呼んだことが大きなきっかけになったようです。とはいえ、宙返りができたからといって特に得点がプラスされるということではないとのことです。

植物にも、血液型がある

人間には、ABO式の血液型の分類では、A型、B型、O型、AB型の4種類があります。人間以外の動物も4種類ではありませんが、同じく血液型が存在します。では植物はどうでしょうか。血液自体がないから血液型なんてありえないと思うかもしれませんが、実は人間と同じ、A型、B型など4種類の血液型があります。

ただ先ほども言ったとおり、植物には血液はありません。ではどのようにして判断されるかというと、植物をすりおろして液状にしたものを調べ、そこに含まれる糖タンパク質の種類によって判断します。バラやスモモはAB型、サザンカ、ダイコン、ツバキなどはO型といったように、個体それぞれではなく植物の種類によって分かれるようです。中には鑑定する時期によって変わるものもあり、モミジだと黄色に色づく頃はAB型ですが、赤くなるとO型に変化します。

ただし、全世界の植物のうち、糖タンパク質を含んでいおるものはわずか10%しかなく、それ以外の植物は血液型を判定できません。

女性のF1レーサーがいた

F1の世界で活躍するドライバーは男性ばかりで、女性が活躍するのはかなり厳しいのではないかと思う人もいるでしょう。しかし過去には、女性F1レーサーが6人存在し、しかも中には上位に食い込みドライバーズポイントを獲得している人もいます。

女性初のF1レーサーはイタリア人のマリア・テレーザ・デ・フィリッピスで、1958年のF1モナコグランプリに初出場しました。このときは予選落ちしたものの、後のベルギーグランプリでは予選を通過し決勝レースに出場しています。

そして女性初のポイント保持者が同じくイタリアのレラ・ロンバルディで、1974年のイギリスグランプリでデビューしています。彼女もその時は予選落ちとなったものの、翌1975年のスペイングランプリで6位入賞、女性初のドライバーズポイント獲得者となりました。

現在のF1には女性ドライバーはいませんが、日本人の野田樹潤(のだ・じゅじゅ)が現在ヨーロッパのBOSS GPシリーズで転戦しており、日本人女性初のF1ドライバーになるのではないかということで注目を浴びています。今後のF1界が非常に楽しみですね。

腕枕をして寝るヒグマもいる

2023年に大量出没し、多くの人身被害をもたらして日本中を震え上がらせたクマ。キャラクターなどではかわいく描かれていますが、実際に出会ってしまうと、そんなイメージはすぐさま吹き飛んでしまうでしょう。その中でも恐ろしいクマの代表格としてヒグマが知られていますが、そんなヒグマにもある可愛らしい習性があります。それは腕枕をして寝るのが好きというものです。

ヒグマは通常、うつ伏せや仰向けで寝て、その際には岩を枕にして寝ることもありますが、まだ若いヒグマは好んで腕を枕にするそうです。基本クマは頭を何か枕がわりになるようなものに乗せて寝ることが多いそうですが、若いヒグマの場合はそれが腕だったということです。

歳を取ったヒグマはその寝ている姿が人間とそっくりになると言われています。仰向けに寝っ転がってしたり、他のクマを枕代わりに寝てくつろいでいる姿は見ていて癒やされるとのこと。怖いですが、ちょっと見てみたい気もします。

ゆで卵を生卵に戻すことができる

生卵をゆで卵にするのは簡単にできますが、ゆで卵を生卵に戻すのは不可能とみなさん思われるでしょう。しかし2015年、カリフォルニア大学アーバイン校とオーストラリアの化学者による共同研究で、ゆで卵を生卵に戻す技術が開発されました。

生卵がゆで卵になるのは、熱により卵のタンパク質が別のタンパク質とくっついて固まるからで、それを冷やしても元に戻ることはありません。研究者たちはそこに尿素を加え、機械的圧力を加えるなどをすることで、元の液体状に戻すことに成功したそうです。

この技術、簡単にタンパク質の再形成を行うことができることから、食品生産はもちろん、ガンの治療にも活かすことができ、医療業界からも注目されています。この技術を使えばさまざまな治療にかかる費用も安く抑えることができるそうなので、今後の研究の発展に期待するばかりです。

冷や酒(ひやざけ)と冷酒(れいしゅ)は別物

日本酒の楽しみ方には様々あり、その中に「冷や酒」と「冷酒」があります。これら、ともに「冷たい酒」と書くため、同じものだと思いやすいですが、実はまったく違うものを指しており、「冷や酒」は常温の状態のお酒のことで、「冷酒」は冷蔵庫や氷などで冷した冷たいお酒のことを指します。

なぜ常温のお酒が「冷や」なのかというと、かつて冷蔵庫がない時代、日本酒は熱燗で飲むか、温めず常温のままで飲むかしかできませんでした。そのことから、熱燗よりも温度が低い常温のものを、熱燗より冷えているという意味で「冷や」と呼ぶようになったそうです。

ちなみに冷たくしたお酒の「冷酒」の中にも温度別に分類があります。15℃ほどの「涼冷え(すずびえ)」、10℃ほどの「花冷え(はなびえ)」、5℃ほどの「雪冷え(ゆきびえ)」がそれです。それぞれ、味わいや香りが全然違うので、一度飲み比べてみてはいかがでしょうか。

友人のために芥川賞を辞退したという作家がいる

新進作家にとって純文学の最高峰にあたる賞、芥川賞、その受賞者発表では多くの文学ファンの注目を集めます。しかし、そんな名誉ある賞の受賞を辞退した作家が過去に1人だけ存在します。

それが1940年度上半期の第11回芥川賞に『歌と門の盾』で選ばれた高木卓(たかぎ・たく)です。彼はその辞退理由を「自分の作品は受賞作に選ばれているほど、優れている作品ではない」からだと言っています。当時、この辞退により賛否両論が入り乱れ、様々な議論が巻き起こりました。

そんななか、辞退するにあたり別の理由があるのではないかという説が展開されます。その理由とは、高木が辞退すれば、彼の友人である作家の櫻田常久(さくらだ・つねひさ)が繰り上がりで受賞するのではないかと思ったから、というものです。これは彼らが非常に仲が良かったということから生まれたものですが、あくまで説であるため、はっきりしたことはわかっていません。

しかし、この時、櫻田の作品は候補にすらあがっていませんでした。もしこれが真実であれば、高木はとんでもない勘違いで辞退したことになります。

エレベーターで間違った階数のボタンを押したとき、キャンセルする方法がある

エレベーターに乗ったとき、間違えて降りるつもりのない階数のボタンを押してしまったという人はいると思います。しかし、エレベーターによってはそれをキャンセルする裏技があります。

その方法はエレベーターのメーカーによって違うことがあるため、間違えて押したときはメーカーを確認してからやると良いかもしれません。日本オーチスや日立エレベーターなど多くのメーカーではキャンセルしたい階数のボタンを2回連続で押せばできますが、東芝エレベーターの場合はキャンセルしたい階数のボタンを2回連続で押すと点滅します。その点滅中にもう一度押せばできます。

またフジテックエレベーターの場合では2回連続押し以外にも5回連続押しでもキャンセルできますし、三菱エレベーターでは階数ボタンの上をバツの形に指でなぞってもできます。

もちろんルできないメーカーもありますし、たとえ先ほど言ったメーカーでも機種によってできない場合もありますので、その点は要注意です。

「本場の讃岐うどん」を名乗るには、厳しい条件がある

現在はスーパーなどでも販売されている「讃岐うどん」。よく「本場」「名物」などと銘打って、いかにも香川の味を家庭で楽しむことができるように思わせるものが多いですが、実は生めんに関していえば、商品名に「本場」や「名物」とつけるには、非常に厳しい条件があります。

全国生めん類公正取引協議会では「本場」「名物」と銘打つ条件として6つの項目が設けられていますす。すなわち、麺に含まれる水の割合が40%以上、塩の割合が3%以上、麺の熟成期間が2時間以上、15分以内で茹で上がるもの、製法が手打ちまたは手打ち方式であること、そして香川県内で製造されているものです。はじめの4つに関しては工場でもできるため、それほど難しくないかもしれませんが、手打ちや香川県内での製造となると、できる企業がかなり少なくなると思われます。「本場」と銘打たれた讃岐うどんはそれだけ信頼がおけるものといえるでしょう。

もしスーパーで讃岐うどんの生麺を見かけた場合は「本場」などの文字をチェックして、購入の参考にしてみてはいかがでしょうか。

審判を指す英語「アンパイア」と「レフェリー」には違いがある

よく似た意味の英単語「アンパイア」と「レフェリー」。ともに「審判」を指す言葉ですが、実はそれぞれ違った意味で使われています。

「アンパイア」は、よく野球の審判に使われていますが、こちらは試合のときに立ち位置が決まっている審判をいいます。野球の場合はキャッチャーの後ろなどに立ち、そこを離れずに審判を行っていることから、アンパイアになるというわけです。他にもバレーボールやバドミントン、テニスなどの主審もアンパイアと呼ばれます。

そして「レフェリー」は、選手の動きに合わせてフィールド内を動き回る審判をいいます。ボクシングの審判を指すときによく使われますが、実際にボクサーの状況を見るためにリングの中を駆け回ります。他にもバスケットボールやサッカー、レスリングの審判もレフェリーです。

ちなみにテニスではアンパイアの他にレフェリーと呼ばれる審判もいます。コートの中ではなく会場の運営所にいて、さまざまなチェックを行っているそうです。

プロ野球の試合では、新品のボールは必ず汚さないといけない

プロ野球で使われる公式のボール。試合の都度、新しくきれいなものに取り換えられていると思われるかもしれませんが、違います。実は新品のボールをそのまま使うことは規則により禁じられています。

試合開始前、審判はボールを検査したあと、光沢を消すために特殊な砂を使って適度にこねてから使っています。というのも新しいボールの表面には蝋が塗られていて滑りやすくなっているため、その滑りをなくすために砂を使って汚すわけです。

当然1試合で1つしかボールを使わないわけがありません。傷や過度な汚れのついたボールはすぐ交換されるため、数十個のボールを使用します。すなわち試合前にすべてのボールに対しこの処理を行っているというわけです。想像よりも大変な作業かもしれません。

ちなみに、公式球1つの値段は3100円。試合中何度も交換しているので、1試合でかかるボールの合計金額が10万円を超えることはザラだそうです。

新聞のクロスワードパズルを使ってプロポーズした人がいる

新聞や雑誌などによく掲載されているクロスワードパズル、2011年のアメリカで、このパズルを使ってある面白い試みが行われたことで話題となりました。

それはバージニア州に住む男性が、日刊紙ワシントン・ポストのスタッフと手を組んで、彼の恋人である女性に対し、プロポーズのメッセージを埋め込んだパズルを掲載してもらったのです。

小さいカギ番号のヒントから答えとなるワードを埋めていくと、彼とその恋人の名前が出てきて、そして後のほうのカギのヒントに「特別な指輪をプレゼントする時に言う言葉」というものがあり、その答え「Will you marry me(私と結婚してください)」にたどりつくことでプロポーズが完成するという目論見です。

そして男性は恋人にクロスワードを解かせていき、先程のプロポーズのヒントの答えを書き入れた瞬間、指輪を差し出し改めて「結婚してください」とプロポーズしました。恋人の女性は最初は驚きましたが、感動して即OKを出したそうです。

さつまいもを食べたときに出るオナラは、臭くない

さつまいもにはでんぷん質や食物繊維が豊富に含まれているため、体内で発酵が起こり、腸内でガスが発生します。これがさつまいもを食べるとおならが出やすくなる原因です。しかしさつまいもを食べたときに出るオナラ自体には、実は臭い匂いはほとんどありません。

オナラが臭い原因は、肉などに多く含まれるタンパク質を分解したときに発生する硫化水素です。硫化水素は温泉の匂いの原因としてよく知られている物質です。それがオナラに含まれるため臭く感じるのですが、さつまいもにはもととなるタンパク質が少ないため、硫化水素はあまり発生せず、臭い匂いはほとんどしません。

しかし、中にはさつまいもを食べて出たオナラが臭いという人もいます。それはさつまいもが原因ではなく、もともと腸内環境が悪いためです。もし臭いと思ったら、健康的な生活が送れていない証拠であるため、適度な運動やバランスの良い食事を心がける必要があります。

江戸時代の日本で、自転車のような乗り物が発明されていた

自転車のもととなった乗り物が誕生したのは19世紀はじめ、ドイツのカール・フォン・ドライスが作った「ドライジーネ」という二輪車だそうです。これにはペダルがなく、足で地面を蹴るという原始的なしくみで動かしていました。日本に自転車がやってきたのは、それからしばらくたった19世紀末頃だったそうです。しかし、実は江戸時代に日本にも自転車らしき乗り物が発明されていたという文献が残っています。

その乗り物とは現在の埼玉県本庄市(ほんじょうし)で庄田門弥(しょうだ・もんや)という人物が作った(陸の船の車と書く)「陸船車(りくせんしゃ)」なるものです。この陸船車、船みたいな形をしていますが、中の歯車のペダルに足をかけて押すことで前に進みます。

先ほどのドライジーネの原始的な動かし方を考えると、こちらのほうがより現在の自転車に近いものかもしれません。体の重心を傾けることで進行方向も変えることができ、走る速度も時速14kmほどを出したという記録もあります。もし、これが量産されて日本中に行き渡っていたら、自転車の歴史も変わっていたのかもしれません。

お見合いができる露天風呂がある

長野市の南に位置する中尾山(なかおやま)温泉。そこには1933年開業の老舗旅館「松仙閣(しょうせんかく)があります。地元の人をはじめ多くの観光客に愛されているこの旅館には非常に変わったお風呂があります。

その名は「お見合い風呂」。1987年に露天風呂を造る際に、混浴を望む男性客とゆっくり浸かりたいという女性客のリクエストの折衷案として誕生しました。男女別の露天風呂の境には当然仕切りがありますが、そこには小さな扉があり、女性が紐を引くととその扉が開いて男性と顔を合わして話ができるというものです。ただし、この紐は女性側からしか引けないため、男性側が無理矢理のぞくということはできません。

当然普通の露天風呂としても楽しむことができるので、興味がない人はそのままお風呂を楽しんでいるようです。ただ、ここから何かしらの御縁が生まれるかもしれません。興味のある人は一度訪れてみてはいかがでしょうか。

アイスクリームは、もともと健康食品として食べられていた

暑い夏の救世主、アイスクリーム。ただ、食べ過ぎると太るので、ダイエットの天敵と思われているかもしれません。そんなアイスクリームですが、その元祖とされるものは、健康食品として食べられていたという過去があります。

その元祖となる食べ物は、古代ギリシャや古代ローマにすでに誕生していましたが、それは氷や雪に蜜や果汁をかけただけのシンプルなものでした。その食べ物、涼を取る目的もありましたが、兵士たちの士気を高めたり、疲れた体を元気づけたりする目的のほうが強かったそうです。すなわち、兵士のための健康食品として使われていたわけです。

そんな健康食品だったアイスクリームの元祖は、後に古代ローマの将軍ジュリアス・シーザーによって嗜好品として広められたという話も伝わります。彼は蜜や果汁だけでなく、牛乳、ワインなどを混ぜて食べていたという記録も残っているそうです。

そして現在、みんなから愛されるスイーツとなったアイスクリーム。古代の兵士はこれを食べて戦争に行ってたと考えると、何か感慨深いものがあります。

航空自衛隊では毎月の最終金曜日の昼食に、唐揚げを食べる

日本の海上自衛隊の食堂では、毎週金曜日にカレーライスが出されることを知っている人は多いかもしれませんが、航空自衛隊の食堂で月末の最終金曜日に鶏の唐揚げが出されているというのもまた面白い事実です。

航空自衛隊では月末の金曜日を「空自空上げの日」として全国の基地や分屯基地の給食メニューに出されています。この「空上げの日」の「から」は「空」、「あげ」は「上」という字で書かれています。より上を目指すという意味でこのような当て字が使われているそうです。

それぞれの基地ではその土地独特の味付けやご当地食材を使った唐揚げを出していて、特色を打ち出しています。しかし残念ながら我々民間人には航空自衛隊主催のイベントを除いて食べる機会はまずありません。ただ、航空自衛隊のホームページでは各地のレシピがアップされています。料理が得意な人は、そのレシピを見て、航空自衛隊の味にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

大阪市には、メルヘンチックな雰囲気の下水処理場がある

大阪市此花(このはな)区にある下水汚泥処理場「舞洲(まいしま)スラッジセンター」。ここを初めて見た人はきっと驚くに違いありません。建物の青い煙突、その上にある金色のキューポラ、外壁の赤い模様、木や草花が植えられたバルコニーや屋上などの外観は幻想的で、とても下水処理場とは思えません。

ここをデザインしたのはオーストリアの建築家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーで、「自然への回帰・自然との共存」を理念としてデザインされたそうです。また、処理場が稼働した2004年4月、当時大阪府はオリンピックの招致に力を入れていて、その候補地だった舞洲を観光客に喜んでもらえるように、そしてゴミ焼却場があまり良いイメージがないのを払拭したい、という思いもあったとされています。

ちなみに施設内の一部は誰でも利用できるように開放されていて、遊歩道などを散歩するなど楽しむことができます。この開放区域もメルヘンチックなデザインとなっているため、見る人を飽きさせません。

広島では、原爆で被爆した電車がいまだに走っている

1945年8月6日、広島に原子爆弾が落とされ、14万人以上の死亡者を出す莫大な被害を受けました。強烈な爆風と4000℃にも達した熱により市街は焼き尽くされ、建物もほぼ壊滅状態となりました。しかし、そんな原爆の被害を受けながらも、80年近く経った現在でも現役で走り続ける電車があります。それは広島電鉄で使用されている路面電車の「651号」「652号」の2両です。

原爆が落ちた当日、652号は少し離れた南区を走っていたために被害はそれほど受けていませんが、651号は爆心地から南におよそ750mと近い場所を走っていて、衝撃で脱線して車体も半分焼けてしまいました。しかし、致命的損壊はなかったために復活に至りました。そして現在まで、時代に合わせた改造をしながら、これら2両はいまだに走り続けています。ただ、やはり両方とも車体が古く、最近のものよりパワーは劣るため、出番も減ってきていますが、朝のラッシュ時など、加速をあまり必要としない時間帯を中心に活躍しています。

原爆の被害の恐ろしさを知る世代が少なくなった昨今、このような電車が走ることで、我々に色々と教えてくれると思われます。今後とも長く走り続けてほしいものです。

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