よみもの|聞くトリビア(読む編)

『YouTube公開』
「枕を高くして眠る」のは、キケン。なぜ?
【朗読】明日すぐ使える雑学【聞くトリビア】

『ハロウィンの仮装、何の意味がある?』

『盆踊りを踊ってはいけない地域がある!?』

 

明日すぐ人に披露したくなるネタ満載の、面白雑学動画!

驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

コブラ、ドルフィン、イカなどが腕時計にはついている

アナログ腕時計の針を見比べてみると、さまざまな形があることに気づくと思います。これらの針は形によってそれぞれ名前がつけられていて、多くの腕時計に見られる棒状の「バータイプ」、ペンの先に形が似ていることから名づけられた「ペンシル」などがありますが、中には変わった名前のものも存在します。

たとえば、短針の先が丸く膨らんでいるものは、その形がコブラの頭に似ていることから「コブラ針」と呼ばれます。また、針の先が鋭くとがっている「ドルフィン針」というものもあります。この名前は動物のイルカが由来ではなく、フランス語では「ドーフィン」といいますが、「王太子妃」という意味。こちらの語源としてはイルカから来ているのですが、ややこしくなるので、ここでは省きます。そして、短針の先の一部が少しふくらんだものを「イカ針」といいます。形がまるでイカのように見えることから名づけられたそうです。

他にも「イナズマ」「スペード」「メルセデス」「リーフ」など、様々な針の種類があります。もし腕時計を選ぶ際は、針の形にも注目してみてはいかがでしょうか。

南極にもホテルがある

現在はクルーズツアーもあり、昔に比べると少しは身近なものとなった南極大陸ですが、それでも多くは日帰りで、南極で宿泊するプランはあまり見られません。やはり厳しい環境下での宿泊は難しいということでしょう。しかしそんな南極にも豪華なリゾートホテルが存在します。

それはホワイトデザート社が提供する南極ツアーで利用できるホテルで、ドーム状のシェルターの中に竹でできたツインベッドが用意された寝室やダイニングルーム、シャワー、キッチンといった設備があります。また食事も、一流シェフが調理した料理が提供され、とても南極にいるとは思えない至れり尽くせりぶりです。

また、ツアーということだけあって、南極専門のプロガイドの案内で周辺の絶景を楽しむこともでき、さらには南極点まで足を延ばせるオプションもあるとか。

このツアーは、一週間ほどの滞在で7万ドル、日本円で1千万円ほどから体験できるそうです。かなり高額ではありますが、南極で泊まる貴重な体験ができることを考えると割安かもしれません。

枕投げの大会がある

最近はあまり見られないようですが、かつては修学旅行の宿で枕投げすることが一種の風物詩だった時代がありました。見廻りの先生の目をかいくぐり、みんなで枕をぶつけあって楽しんだ人もいたのではないでしょうか。そんな枕投げですが、ひとつの競技としてとらえて、日本一を決定する大会が開催されています。

これは毎年冬に静岡県の伊東温泉で催されている大会で、もともとは、伊東市に若者を呼び寄せるために、地元の高校生が考え出したものです。2013年に第1回が開催され、現在も続いています。

競技となるだけあって、ちゃんとルールも決まっています。1チーム8人の選手が40畳の畳のフィールドの上で枕を投げてぶつけ合い、最終的に相手チームの大将に枕を当てた方が勝ちになります。

また、試合中には「先生がきたぞー」とコールできるルールがあり、このコールがされてから10秒間は相手のエリアに投げ入れられた枕を回収することができます。他にもユニフォームとして浴衣を着用しないといけない、大将は試合開始前は畳の上の布団で寝たフリをして、主審の笛の合図で試合に参加するなど、ところどころ遊び心も見られます。

そんなユニークさが受け入れられたのか、現在では地方予選会も開催され、大会当日には400人以上が集まる大規模な催しになっています。

ボクシングは、黒船がきっかけで日本に伝わった

日本に初めてボクシングジムが誕生したのは大正時代、1921年のことですが、それ以前からボクシングは知られていたようで、明治時代にもボクシングの試合が行われたという記録が残っています。ではいつ、日本に伝わったのかというと、江戸時代であった19世紀の中頃で、伝えたのは、あの浦賀に来航した黒船の乗員でした。

黒船には乗組員として屈強な水兵が乗船していました。彼らは拳に薄い布を巻いて殴りあっていたそうです。この様子を多くの人が目撃したことで、日本人にボクシングが伝わったと考えられています。

また、後にアメリカが日米和親条約の締結を迫った際に、相撲の力士の存在を知っていたアメリカ側が、「我々のほうが力が強い」と証明するためにレスリングとボクシングの経験者を連れてきたという話も書物として残されています。その際には彼らと日本の力士との異種格闘技戦が行われ、力士の圧勝に終わったそうです。これも日本にボクシングが広まる一因になったのかもしれません。

日本に様々なものをもたらした黒船ですが、ボクシングもそのひとつだったとは驚きです。

ハロウィンで仮装するのは、悪霊から身を守るため

最近は日本でも定着してきたハロウィン。街中では多くの人が仮装して練り歩いています。もともとこの仮装は本場ヨーロッパでも行われていて、ハロウィンが始まった当初からすでにおなじみのいでたちだったそうです。

ハロウィンでは死後の世界と現世をつなげる扉が開き、先祖の霊が戻ってくると考えられています。しかし、同時にさまよえる魂など、人間に危害を加えるものもやってきます。そこで人々は身を守るために魔女や悪霊の格好をして、仲間だと思わせるようにしていました。これが仮装の始まりです。

後にハロウィンがヨーロッパからアメリカに渡ったとき、仮装だけが注目され、ホラー映画に登場するドラキュラなどの怪物の仮装が行われるようになり、そこから現在のような宗教色のない、さまざまなキャラクターをモチーフとするようになりました。ハロウィンの仮装にこんな意味が込められていることを知ると、楽しみ方も少し変わるのではないでしょうか。

ロブスターは、永遠に生き延びることができる

高級食材としても知られるエビの一種、ロブスター。その寿命はおよそ20年から50年ほどで、他のエビに比べて長生きすることが特徴ですが、実は、ロブスターは理論上では数百年、それどころか永久に生きることができるそうです。

ロブスターは脱皮を繰り返して成長していきますが、その際、殻だけでなく内臓も一緒に新しいものに交換します。そうすることでたとえ内臓が悪くなっても取り替えられ、永久に生きることができるわけです。

しかし、あくまでこれは理論上の話で、実際にはなかなか厳しいようです。というのも成長して体が大きくなるにつれて脱皮するのが難しくなり、最終的には完全に脱皮できなくなって、途中で死んでしまうことも珍しくありません。また、脱皮には時間もかかってしまうため、その途中で外敵から攻撃されることもあり、それも死因となるそうです。

ちなみに、過去に発見されたロブスターの中で、最も長生きしたものは推定140歳です。もしかすると、我々が知らないだけで、もっと長生きしているロブスターもいるかもしれません。

18世紀ヨーロッパの貴族では、朝に風呂場でホットチョコを飲む習慣が流行した

今でこそ多くの人に食べられているチョコレートですが、かつては非常に高価なもので、ヨーロッパに伝わったときも貴族など、裕福な人々の間でしか口にすることができませんでした。その楽しみ方も独特で、朝にお風呂に入りながら、ホットチョコレートを飲むという習慣があったようです。

18世紀頃に描かれた、当時の様子を表した絵画に、貴族の男性がお風呂の中で使用人にひげを剃らせながらホットチョコレートを飲んでいるものがあり、その作品の注釈に、「フランスの男性にとってお風呂に入ってチョコレートを楽しむことは、朝の儀式として行われた」とあります。また、湯上がりの女性がホットチョコレートを飲んでいる絵画では、「女性にとって、朝風呂はラブレターとチョコレートで終わる」と添えられています。どうやら、当時の貴族たちにとっては風呂とチョコレートは切っても切れないものになっていたようです。

朝、お風呂に入ることがあるなら、浸かりながらホットチョコレートを楽しんでみてはいかがでしょうか。フランス貴族の気分を体験できるかもしれません。

梅雨入りがあって、梅雨明けがない年があった

梅雨と聞くと気分が滅入ってしまいがちです。梅雨入りと梅雨明けのニュースで一喜一憂する人も多いのではないでしょうか。この梅雨入りと梅雨明け、全国各地の気象台が発表していますが、実は明確な基準は特に決まっていません。

どのようにして梅雨入り、梅雨明けが決まるかというと、各気象台がそれまでの天気と今後一週間の予報をもとにして、そろそろ雨やくもりの日が多くなるのではないかと判断すれば梅雨入り、梅雨前線が日本付近に見られなくなり、晴れが多くなったと判断すれば梅雨明けになります。降水量や雨の日数がどれだけだったから梅雨入りとか、そういう決まりはなく、曖昧な感じで決まっています。

そのため、8月上旬の夏真っ盛りの頃まで雨が続いてしまうと、その後の秋雨との区別がつかなくなり、結果梅雨明けが宣言されないまま秋を迎えることもあるそうです。実際に2020年の東北北部では梅雨明けが発表されていません。また、一度梅雨明け宣言がされたものの、後日に見直してみると、実際にはしていないと判断され、取り消しされた例もありました。

新1万円札の渋沢栄一の顔は、想像で描かれた

2024年7月に発行された新紙幣。一万円札には明治から昭和初期にかけて日本経済を発展させた実業家・渋沢栄一の肖像が描かれています。この肖像は渋沢がもっとも活躍していたとされる60代の頃の姿とされますが、実はこの肖像、想像上の姿といっても過言ではありません。

というのも、肖像に適した60代の頃の渋沢の写真が一切残っていなかったからで、担当者は晩年の写真などを参考にして、60代であればこのような顔をしているのではないかと、担当者が想像して描いたとのこと。

ちなみに五千円札の津田梅子、千円札の北里柴三郎はそれぞれ30代、50代の頃の姿ですが、ふたりともその頃の写真が残っていたため、それを参考にして描かれました。

ただ、参考となる写真があったとしても、お札の肖像は偽造防止のために細かい点や線で描く必要があるため、写真をそのまま模写すると表情に違和感が出てしまうとのこと。たとえモデルがあっても、簡単に描けるものではないようです。

夏の甲子園の開会式に、水着で参加した選手がいた

1915年以来ほぼ毎年開催され、現在まで100回以上続いている高校野球の夏の甲子園。その開会式で多くの高校球児が入場行進する姿には多くの人が心躍るのではないでしょうか。実は、そんな開会式に、かつて水着で参加した選手がいるのは驚きです。

これは1940年、まだ高校野球大会ではなく、中等学校野球大会だった頃のことです。この大会の開会式は全日本中等学校体育競技能力大会の一部門として開催されました。そのため参加者は野球の選手だけでなく、陸上やテニス、体操、バレーボール、水泳などの競技の選手も参加。その際、選手たちはそれぞれのユニフォームを着用していました。そのため、水泳選手は水着で入場行進をすることになったというわけです。

この大会で行進に参加していた選手はおよそ2200人ほどで、その中の一部の選手が水着だった光景は、ちょっと不思議な感じがします。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、匂いがする絵画を描いたことがある

ルネサンス期を代表するイタリアの画家レオナルド・ダ・ヴィンチ。画家としてだけではなく、建築や科学など、様々な分野でその名前を轟かせています。また、彼は香水の調香師としての一面も持っていたそうで、多くの香水を作ったと言われています。

そんなダ・ヴィンチは調香師であることを活かし、絵画作品にも香りを取り入れたものを制作しています。たとえば『白貂(しろてん)を抱く貴婦人』という作品では、キャンバスにクルミ材を使い、その香りを漂わせていたそうです。また、ダ・ヴィンチの監督のもと弟子に作らせた『裸のダナ』という作品でも、香りが出るように工夫されていたという記録が残っています。

しかし、これだけ画期的なことをしておきながら、当時はあまり注目されませんでした。というのも当時ヨーロッパ人は、芸術について、目で見るものや耳で聞くものしか人を魅了できないと考えていて、匂いについては軽視されていたためで、芸術作品に香りなどの余分な要素は必要ないと思っていたからです。当時、これらの作品が認められていたら、芸術の歴史も色々と変わっていたかもしれません。

ヤギに足の裏を舐められる拷問がある

18世紀のフランスで、罪人に自白をうながすために恐ろしい拷問が行われていたという記録が残っています。それは通称「ヤギ責め」と呼ばれる、罪人を椅子に座らせて固定し、足の裏に塩水を塗ってヤギに舐めさせるというものです。

こう聞くと、ただくすぐったいだけじゃないかと思われるかもしれませんが、ヤギの舌はまるでヤスリのようにザラついているため、舐められることで、やがて足の皮が削がれていき、そのうちに中の肉が見えてきて、血が流れ出します。

ヤギは塩分のあるものを舐め続ける習性があるそうで、塩水にはもちろん、血液にも塩分が含まれているため、血が出るとさらに舐め続けます。結果、足の骨が見えて、血が流れ尽きるまでこの拷問は終わりません。

ちなみにこの拷問は、日本にも江戸時代に伝わって、実際に行われたという話もあります。一見可愛らしいヤギですが、このように使われていたと聞くと、イメージダウンにつながりかねず、いい迷惑です。

イタリアでは、パスタの茹で汁で皿を洗う

パスタの本場イタリアでは、普通は捨てるはずの茹で汁を、お皿を洗うときに使うなど有効活用しています。一見すると、かなり節約に力を入れているんだなと思える行為かもしれませんが、実はこうすることで簡単に油汚れを落とすことができるそうです。

というのも、茹で汁にはパスタのでんぷんが溶け出していて、それが油汚れを吸い取って水の中に取り込むことで、お皿をキレイにしてくれるからです。実はこの方法、でんぷんが含まれる食材の茹で汁であれば、同じような効果が得られるそうです。ラーメンやそうめんといった乾麺の茹で汁も同じくでんぷんが含まれているためこの方法が適しています。パスタの本場イタリアだから、パスタの茹で汁が使われていたというだけです。

やり方は簡単で、茹で汁をボウルなどに入れてその中にしばらく食器をつけておき、その後、洗剤を使って洗うだけです。これで油汚れはほとんどなくなるようです。今まで一生懸命こすり洗いして汚れを落としていた人は、一度この方法で洗ってみてはいかがでしょうか。

ワインを女性がお酌するのはマナー違反

今でこそ少なくなりましたが、かつての日本では女性が男性のビールをお酌する風景がよく見られました。フランス料理のレストランでも、同じように男性のグラスが空いたときにワインを注ごうとする女性の方もいるかもしれません。実はこれはやってはいけないマナー違反の行為として捕らえられることがあります。

というのも、フランスをはじめとした西洋ではレディーファーストの文化が浸透しています。そのため、女性がワインのボトルを持つことがご法度と考えられています。もしグラスが空いていたら、レストランのソムリエにお任せするか、いない場合は男性がすすんで注ぐようにしないといけません。

また、注がれるときに、ついグラスに手を添えたりしがちですが、実はこれもやってはいけません。手を添えることで注ぎにくくなるためです。注いでもらう側は、グラスをテーブルに置いたまま、何もしてはいけません。

他にも、もうワインはいらないのに、ソムリエさんがおかわりを注ごうとしてきたときは、「いらないです」など声に出さずに、グラスの上に手をかざすなどしてジェスチャーで伝えるのがマナーとされています。

色々と細かいマナーが多いかもしれませんが、お店の雰囲気を壊さないためにも覚えておいたほうが良いでしょう。

パラリンピックで、健常者を上回る世界記録が出たことがある

オリンピックの後に開催されるパラリンピック。オリンピックに負けない勝負の世界がそこにはあり、目が離せなくなることもしばしばです。しかし、障がい者のタイムや記録は、健常者と比較するとどうしても引けを取ってしまうと思う人もいるかもしれません。しかし中には障がい者の記録が健常者より上回っている競技があります。

それがパワーリフティングのベンチプレスで、台に仰向けになって、その状態でバーベルを押し上げるものです。オリンピックでは正式競技ではありませんが、パラリンピックでは正式競技として行われています。この競技、2016年のリオデジャネイロで行われたパラリンピックで、イランのシアマンド・ラーマン選手が310キロの世界記録を樹立しました。

これは、同じ条件で健常者が出した記録を上回るものでした。本来、この競技では下半身の踏ん張りが必要になりますが、ラーマン選手は下半身に麻痺があり、本来この競技に不利なはずでしたが、努力を重ねた結果、彼は記録を樹立。イランの国民的アスリートとして称えられるまでになりました。

他にも走り幅跳びの世界記録がそのうち健常者のものに追いつくのではないかとも言われています。

飛行機の非常口近くの座席に座るには、さまざまな条件がある

飛行機のお客さん用の座席は、金額にもよりますが、運賃を払えばどこの席でも座れるものだと普通は思います。しかし、実はある席だけ、条件を満たさないと座ることができません。それが非常口のそばにある座席です。

というのも、非常口の近くということは、非常事態のときに他のお客さんがスムーズに脱出できるように手助けする必要があります。そのため、各航空会社は、その座席に座るお客さんには様々な条件をつけています。

主な条件として、年齢が満15歳以上であること、小さな子どもを連れていないこと、搭乗するときに付き添いや係員の補助が必要ないこと、緊急脱出時にドアの開閉などの援助ができることなどがあります。また、この席に座る場合は、客室乗務員の指示のもと、積極的に他のお客さんが脱出できるようにサポートをお願いされることもあるそうです。

もし、この条件に該当しないお客さんがその座席に座ろうとした場合は、航空会社側の権限で座席を変更させられることがあります。もし、事前に座席を指定済だった場合でもこの変更は拒否できないので、予約の際には注意が必要です。

牛のお尻に目を描くと、他の動物に襲われない

オーストラリアの研究チームが、2016年から変わった実験を行ったことで話題となりました。それは、ウシのお尻にかなりリアルな目を描いて、他の動物から襲われないかどうかを調べるというものです。

この実験はアフリカ大陸南部のボツワナで、飼育中のウシが野生の大型肉食獣に襲われて激減していることの対策として行われました。この地域で生息する野生生物は保護しなければいけないため、肉食獣を傷つけるような安易な駆逐はできませんでした。そこで何かしら簡単な方法でウシの安全を守れないかと考え出されたのがこの実験です。

ウシを3つのグループに分けて、1つには目を、2つ目のグループにはバツ印をお尻に描き、もう1つのグループには何も描かずに放牧させて、その様子を見ました。この実験を4年かけて50回ほど行ったところ、何も描いてないウシはおよそ800頭中15頭、バツ印を描いたウシはおよそ550頭中4頭が襲われましたが、目を描いたおよそ700頭のウシは、なんと1度も襲われることがなかったそうです。

どうやら、目を描くことで、食べようとした動物がウシに気づかれたと思って攻撃をあきらめることから襲わなくなったのではないかとされています。今後、この方法が実用化されると、低コストでウシを守ることができるため、注目を浴びています。

ヒツジのオナラが原因で、飛行機が緊急着陸したことがある

2015年、オーストラリア・シドニー発、マレーシア・クアラルンプールに向かうシンガポール航空の貨物便が、煙探知機が作動したことによりインドネシア・バリ島の空港に緊急着陸する出来事が起こりました。しかし、調べてみても煙や炎が出ていた気配がありません。なぜ探知機が反応していたのか、よくよく調べてみたところ、運んでいたヒツジたちのオナラが原因だったことがわかりました。

この貨物便には2000頭以上のヒツジが搭載されていました。毛を採るためのヒツジたちで、長時間、かつ慣れない飛行機移動によるストレスで、頻繁におならやゲップなどが出てしまい、貨物室中に充満してしまいました。それにより室内のガス濃度が高まり探知機が反応したとのこと。

貨物便はバリ島の空港で数時間滞在した後に、換気を終えて再び出発、無事にクアラルンプールに到着しました。たかがおならかもしれませんが、ガスには変わりないため、火事になる可能性はあります。煙探知機の過剰反応と思えるかもしれませんが、ある意味正常に動いただけだということでしょう。

辛くないタマネギが開発されている

生のタマネギをそのままかじると、辛くて食べられるものではありません。しかし、ハウス食品グループはそんな価値観をひっくり返す、丸かじりしても辛さを感じない、生で食べることができるタマネギを開発しました。

それは2015年に販売された「スマイルボール」というタマネギで、独自の技術を用いた品種改良を繰り返すことで、タマネギの中にある辛味成分を抑えて、甘みを楽しめるものが誕生しました。また、この辛味成分は切ったときに涙を誘発します。それが抑えられているということで、スマイルボールを切っても涙がほとんど出ません。

もともとハウス食品では、レトルトカレーを製造する過程で、タマネギとニンニクを一緒に焙煎しますが、その際、タマネギがまれに飴色ではなく緑色になってしまうことがあったため、原因を調べるための研究を行っていました。その変色の原因はすぐに解明したのですが、その研究中、タマネギの辛みに、ある酵素が関わっていることが偶然判明しました。目的と違う研究結果でしたが、せっかくだからその酵素を利用して辛くないタマネギを作ってみようということで、この「スマイルボール」の開発が始まりました。

この研究から実際に製造販売されるまでに10年以上かかりましたが、その甲斐あって、日本のみならず、海外でも好評を得て人気の品種になっているそうです。

中国で、スイカが爆発する事故が起こっていた

2011年、中国の江蘇省で奇妙な事故が起こりました。それは、およそ50ヘクタールの畑で栽培されていたスイカがすべて爆発したというものです。

この事故の原因は、スイカ栽培に使われていた「ホルクロルフェニュロン」という農薬でした。この農薬は、スイカなどの野菜や果物の成長を促進させるために使われているものでしたが、使用方法を誤るとこのようなことが起こるらしく、この農家では、生産高を増やすために、積極的かつ多量にこの農薬を使っていたため、今回の爆発事故につながったそうです。

実はスイカはこのような農薬を使わなくても、内部が腐ることで発生したガスが充満し、外の皮が耐えきれられなくなって爆発することもあるそうです。そんな事態を起こさないためにも、買ったスイカは早めに食べたほうが良いでしょう。

かつてロシアでは、未成年でもビールが飲めた

日本では20歳以上でないとお酒を飲むことはできません。しかし、海外ではその基準がより厳しかったり、緩かったりと国によって違いが見られます。中でもロシアは変わっていて、2011年までビールは未成年でも平気で飲むことができました。

というのも、かつてのロシアではビールは食品として考えられていて、未成年でもスーパーなどで普通に買うことができたからです。また、当時はおよそ500ミリリットルのビールが160円ほどで販売されていたので、誰でも手軽に購入することができ、ビールで酔っ払う未成年の姿を見ることはそう珍しくなかったようです。

しかし、当時のロシアでは未成年者の飲酒やアルコール依存者の増加などが社会問題となっていました。未成年の頃からビールをソフトドリンク感覚で飲んでいた国民がこうなってしまうのは、至極当然だったのかもしれません。そこでさすがにまずいということで、2011年からビールをアルコールに分類することが法律で決まり、未成年が飲むことができなくなりました。

その結果ロシアでは、消費量こそ減ったものの、路上や公共の場所でビールを飲む人の姿はほとんど見られなくなり、治安も良くなったそうです。

金色に輝くキャビアがある

世界三大珍味のひとつであるキャビア。おそらく皆さんが想像するキャビアは、色が黒いものでしょう。しかし、中には金色に輝く「ゴールドキャビア」と呼ばれる逸品が存在します。

通常、キャビアは黒い体のチョウザメから採られますが、このゴールドキャビアは、色素の関係で金色の体をしたチョウザメから採られます。体の色が卵の色と関係があるのか、と思われるかもしれませんが、それがあるのです。親の体の色素の薄さが卵にも遺伝する性質があるとのことで、卵も金色になるそうです。この金色のチョウザメは数千尾に1尾しか存在しないため、ゴールドキャビアは非常に貴重で、幻の最高級キャビアと呼ばれています。市場にもあまり流通せず、たとえお金持ちでも、食べたことがない人も多いそうです。

味はというと、通常のキャビアに比べて繊細でありながら、濃厚な味わいがするとか。そう聞くと、一度は食べてみたいと思うかもしれませんが、やはり貴重なだけあって、かなり高い値段で取引されており、まずお目にかかれることはないでしょう。

マクドナルドには、無料でハンバーガーが食べられるゴールドカードがある

続いても、ゴールドつながりの話題です。
マクドナルドのメニューを無料で食べることができるカードがあると聞くと、何か都市伝説っぽく聞こえますが、2015年、俳優のロブ・ロウがテレビ番組でそのカードを公開し、実在するすることを証明したことで話題となりました。

そのカードとは「マック・ゴールドカード」。マクドナルドが設定した厳しい基準により選ばれた、ほんの一部の人しか持てないプレミアムなカードです。ロブ・ロウ以外には、Microsoftの創業者ビル・ゲイツや投資家のウォーレン・バフェットに贈られていることがわかっていますが、それぞれ有効期限も違い、使える店もその人によって決まっているそうです。ちなみにロブ・ロウは1年間有効のものでした。

そんな限られた人しか持てないカードが、2018年に一般の人を対象に抽選でプレゼントされるというキャンペーンが行われました。しかもカードだけでなく、プレゼントされた人の名前が入った純金のスマートフォンケース付きだったことも話題となりました。ただし当選者は1人だけ、ゴールドカードは普通の人には見られない幻のものであることには変わらないようです。

クッション材のプチプチは、当初壁紙として使われていた

荷物の運搬の際に、衝撃から保護するために使われる「プチプチ」。中に封じ込められた空気がクッションとなって、中の荷物を守ってくれます。

この「プチプチ」、正式には「気泡緩衝材」といいます。最初に作られたのは1960年頃のアメリカでした。インテリア関係の技術者が、部屋の掃除をするときに、壁が汚れないように壁紙を貼り、さらにその上にビニールをもう1枚重ねて貼りましたが、失敗して間に空気が入り込み、小さな気泡がたくさんできてしまいました。壁紙作りには失敗したものの、技術者はこの気泡を利用して衝撃をやわらげるものが作れないかと考え、そこから改良を重ね、最初の気泡緩衝材を誕生させました。

この素材、発売当初は部屋の壁紙や庭のプールを落ち葉などから守るカバーなどとして使われていました。のちにクッションとしての役割が理解され、コンピュータなどの梱包に使われ大ヒットしたそうです。

ちなみに「プチプチ」という名前は、日本の川上産業というメーカーがつけたもので、同社の登録商標となっています。今では一般的によく聞く単語ですが、川上産業以外の会社が商品名に使うことはできません。

川崎市には、「まんが寺」と呼ばれるお寺がある

神奈川県川崎市にある常楽寺。重要史跡にも指定されており、おごそかな雰囲気のお寺ですが、実は「まんが寺」という愛称で呼ばれる変わった一面もあります。

このお寺の先々代の住職である土岐秀宥(とき・しゅうゆう)さんは大の漫画好きで、多くの漫画家と交流があったそうです。その縁で1968年、お堂の解体修理の際に、漫画家たちにお願いして、壁やふすまに様々な漫画を描いてもらいました。そこから、漫画に関する資料などが集められ、現在では博物館として、多くの人が閲覧できるようになっています。

そのコレクションは実に2000点以上、『のらくろ』などの作品で知られる田河水泡や、漫画の神様・手塚治虫などの資料もあり、住職の交流のすごさが感じられます。また、昭和の世相をテーマにした風刺画も多く描かれているため、漫画に詳しくなくても楽しむことができます。

興味がある方は拝観に行ってみてはいかがでしょうか。ただし、その際には事前の予約が必要です。

伊勢神宮の正宮には、賽銭箱がない

三重県の伊勢神宮にお参りした人は、本来神社などに置かれているはずのものが正宮、内宮の中心となるお宮の前にないことに気がついた人もいるかもしれません。実はそこにはお賽銭を入れるための賽銭箱がありません。

というのも、伊勢神宮では「私幣禁断(しへいきんだん)」といい、個人がお賽銭をはじめ、お供えをすることが禁じられているからなのです。これは伊勢神宮の正宮が公の祈願を行う場所であり、個人的なお祈りやお願いをする場所ではないという理由からです。しかし、多くの参拝客がそれを知らずにお賽銭を投げるため、仮設の賽銭箱が置かれていたりするそうです。

また、伊勢神宮にはおみくじがありません。おみくじは日頃から参拝できる身近な神社で引くものであり、かつて、一生に一度ぐらいしか訪れることができない特別な場所だった伊勢神宮では、そこに行くだけで大吉であると考えられていたため、設置されていないということです。

加齢臭を取ろうと肌をゴシゴシ洗うのは、逆効果

年齢を重ねた男性の体から出てくる加齢臭。このニオイの原因は、皮膚の脂が太陽の光などを浴びて変化した「ノネナール」という成分で、50歳を超えるとノネナールができやすい体質になります。このニオイを落とそうと、必死に体をこすって洗う人もいるかもしれませんが、実は皮膚の脂を落としすぎると、余計に加齢臭がひどくなるそうです。

というのも、この脂は皮膚を守るために分泌されるもので、落とせば落とすほど、皮膚を守ろうと余計に脂が分泌されます。そのため、普段より脂の量が増えてしまい、ニオイがきつくなってしまうわけです。

加齢臭を防ぎたいのなら、お風呂で体をしっかり洗って肌を清潔に保つことは重要ですが、強く洗うのではなく、優しくマッサージをするように丁寧に洗うことが大事です。もしお風呂に入る時間がなければ、濡れタオルでニオイの気になる部分を優しく拭き取るだけでも効果があるようです。

また、抗酸化作用の高い食べ物を食べることでノネナールを減少できるデータがあります。特にブルーベリーに含まれるアントシアニンに高い効果があるため、パンにブルーベリージャムを塗るなどして、積極的に摂取すると良いそうです。

松江市では、盆踊りを踊ってはいけない地域がある

夏の風物詩である盆踊り、どこの祭でも踊っている風景を見ることができます。しかし、島根県松江市の一部では、そんな風景をまったく見ることができません。これは江戸時代、松江城が築城されたときのあるエピソードが大きく関わっているからだそうです。

実は松江城には若い女性の人柱が立てられているという伝説が残っています。当時、石垣の一部がどうしてもうまく積み上がらず、工事が大変遅れていました。そこで、人柱を立てればうまくいくのではないかということで、工事の成功を祈願する計画が立てられました。そのとき、ちょうど夏祭りのシーズンだったため、人柱には盆踊りがうまい若い女性が適していると考えられ、盆踊り大会を開いて、そこで選ばれた娘が生き埋めにされたそうです。

しかし、その娘の怨念が城に関わる人達を呪い殺したことで、城主一族は断絶することになりました。そのため、松江市の一部地域では、盆踊りが行われると災いが起きるとされ、踊られなくなったと伝わります。ちなみにこの話は、小泉八雲が著書の中で伝説として書き記しています。

サスペンス映画の巨匠ヒッチコックは、卵恐怖症

『サイコ』『裏窓』『北北西に進路を取れ』などの数々のサスペンスやスリラー映画を制作し、巨匠として名高いアメリカの映画監督、アルフレッド・ヒッチコック。人を怖がらせる作品を作るだけあって、怖いものなどない、と思われがちですが、実は意外なものに対して強い恐怖心を抱いていたそうです。

その意外なものとは「卵」です。彼は「あの穴もない白い丸いものが割れて、そこから黄色い液体が出るのを見るとぞっとしてしまう」と発言しています。ヒッチコックは卵を食べることはもちろん、見ることも耐えられなかったようです。ちなみにこの恐怖症には「オウフフォビア」という名前もあり、恐怖症のひとつとして数えられています。ヒッチコック以外にも、卵に恐怖を感じる人は意外に多いようです。

そんな卵嫌いのヒッチコックですが、映画にはさまざまなシーンで卵を登場させています。当然、卵は恐怖の対象とされていて、ガラスにぶつけたり、ナイフで真っ二つにしたりといった形で恐怖を演出しています。ヒッチコック映画を見るときは、卵に注目すると、また違った面白さを発見できるかもしれません。

香川県は昔、地図から消えたことがある

日本が明治に入って廃藩置県が行われると、かつて存在した藩が消滅して県という形に代わり、その後、現在の形になるまで、統合や分割を繰り返しました。その時に誕生した県の中には、時代の流れに振り回され、大変な目にあったものもあります。それが香川県で、実は一度、地図から存在が消されたことがあります。

1871年(明治4年)、廃藩置県にともない、四国には香川県、高知県、現在の愛媛にあたる松山県と宇和島県、現在の徳島にあたる名東県(みょうどうけん)、そして瀬戸内海の島に位置する北条県の6つの県が誕生しました。しかし、1873年(明治6年)、政府はそれぞれの県の人口や財政力の差をおさえるために、一部の県を統合しました。四国もその例にもれず、愛媛県、高知県、名東県の3つだけになり、香川県は名東県に統合されました。

その2年後、再び香川県は名東県から分割される形で一度復活しましたが、その翌年、なんと四国は北半分の愛媛県と南半分の高知県の2つだけになります。しかし、1880年(明治13年)に高知県から分離する形で徳島県が誕生、そして1888年(明治21年)に愛媛県から分割されて香川県が復活することになり、ようやく現在の四国と同じ形になりました。

世界初のデジタルカメラは、写真撮影に23秒かかった

現在は、スマートフォンなどにその役割を奪われつつも、根強い人気があるデジタルカメラ。写真を趣味とする人にとって欠かせないアイテムになっています。そんなデジタルカメラ、誕生したのは1975年のこと。アメリカのイーストマン・コダック社のエンジニア、スティーブ・サッソンがわずか24歳にして開発しました。

重さは3.6kg、サイズはちょっとしたトースターほどあり、持ち運びできるレベルには至ってませんでした。また、撮影自体は高速でできたものの、画像の保存技術がまだ未熟だったため、1枚の保存におよそ23秒もかかっていたそうです。それでも、当時としては最先端の技術で、これを世に出せば世界が変わるかもしれないと、開発者スティーブは考えました。しかし、一方で、もしこれを発売すればフィルムが売れなくなるということで、この発明はお蔵入りとなりました。

それから6年後の1981年、ソニーが現在のデジタルカメラのルーツにあたるカメラ試作機を発表し、各社がそれに続けと開発を重ねたことで、現在のデジタルカメラの発展につながっていきます。もし、スティーブのデジタルカメラが世に出ていたら、カメラ業界の歴史も変わっていたかもしれません。

きしめんは、かつて碁石のような形をしていた

名古屋名物としてもおなじみの麺、きしめん。この「きし」が何を表しているか、皆さんご存知でしょうか?実は囲碁で使われる「碁石」を表しているそうです。ではなぜ碁石という意味があるかというと、実はきしめんは当初、碁石のような丸い形をしていたからです。

きしめんは、室町時代頃に中国から伝わったとされています。しかし当時の資料にはそのきしめんは具体的にどのようなものか記載されているものは残っていません。時代を経て、江戸時代に書かれた『貞丈雑記(ていじょうざっき)』という本の中では、きしめんは小麦粉を水で練って薄く延ばし、竹筒で碁石のように丸く抜いたものを茹でて、きな粉をまぶす料理として説明されています。

では、なぜ現在のような平たい麺がきしめんと呼ばれるようになったかというのは、はっきりわかっていません。しかし、江戸時代にはきしめんの原型となる麺がすでに食べられていたそうで、名古屋ではいつのまにかそれが「きしめん」という名前に変わり、親しまれるようになったとされています。

また、現在の愛知県刈谷市には「芋川うどん」というご当地料理があり、これが現在のきしめんの形のルーツになったのではないかという説もあります。

冷麺は、もともと冬に食べられた料理だった

焼肉屋で締めとして冷麺を食べる人も多いのではないでしょうか。そんな冷麺、冷たいことから夏の食べ物というイメージが強いかもしれません。しかしそのルーツとなる北朝鮮では、冬に食べる料理として親しまれています。

というのも、北朝鮮では冬に食料の確保が難しく、そば粉やジャガイモといった冬でも手に入りやすい食材を使って何か料理ができないか、ということで生み出されたのがあの冷麺だからです。また、冷麺に使われるスープはキムチを漬けたときに出る汁から作られます。キムチは12月頃に漬け始めることから、その汁を有効利用しようという思いもあったようです。

しかし、朝鮮戦争が終わって冷麺が韓国に伝わると、北朝鮮に比べて暑い韓国では、冷たい麺が夏にピッタリということで、冷麺は夏の料理として定着しました。

日本では岩手の盛岡冷麺や大分の別府冷麺が知られていますが、あえて冬に楽しむのもオツなものかもしれません。

高い枕を使っていると、脳卒中を起こしやすい

心配事がなく、安心してぐっすり寝ることを「枕を高くして寝る」と言います。しかし、実際には枕を高くして寝ると、安心どころか、生命に危険を及ぼすことが研究の結果わかっています。

というのも、枕を高くすると首の血管が圧迫され続け、首の後ろの血管が裂けてしまい、脳卒中を引き起こす可能性が高まるからです。これは「殿様枕症候群」という症状で、殿様をはじめ、昔の男女がまげを結っていたため、髪型を維持するために高い枕を使用していたことに由来しています。

研究によると、使っている枕の高さが15cm以上の人のうち、9割がこの殿様枕症候群の症状を発症していたそうです。また、枕の硬さも発症に関与しており、柔らかい枕であればリスクは緩和される傾向にあることも明らかになっています。

最近では、寝ながらテレビやスマホを見るために、あえて高い枕を選ぶ人もいるそうですが、これを続けていると健康を害する危険につながる懸念が高まります。寝る時はテレビやスマホを見るのを避け、低い枕でしっかり休むことが大切なようです。

マンモスも、花粉症だった

およそ400万年前から生息し、数千年前に絶滅したとされるマンモス。その絶滅原因は地球の気候変動などが挙げられていますが、近年、あるユニークな仮説がアメリカなどの研究により提唱されています。それはマンモスは花粉症によって絶滅したという説です。

これは永久凍土から回収されたマンモスの遺体を調査した結果、体内から植物の花粉が発見され、マンモスが花粉症に対しアレルギー反応を持っていたことがわかったことに基づいています。この仮説によると、花粉によって嗅覚が損なわれたマンモスは、交尾や繁殖の能力が低下し、出生率が減少したことで絶滅に至ったのではないか、と説明されています。

また、獲物を発見できなかったり、逆に敵を感知できず逃げられなかったりと、マンモスにとって嗅覚の低下は非常に致命的だったようで、花粉がマンモスに与えた影響はかなり大きかったのではないかと考えられています。

ただ、この説はあくまで研究段階であって、確固たる裏付けはありません。今後の研究次第でより明らかになることが期待されます。

火薬は、不老不死の薬を作ろうとしたときに偶然できた

羅針盤、活版印刷術とともにルネサンスの三大発明のひとつに数えられる火薬。一説によると、発明されたのは、ヨーロッパではなく、9世紀初頭の中国であるとされています。ただこの火薬、最初から爆発を起こすための物質を作ろうとして生み出されたわけではなく、研究者がある薬を作ろうとした際に、偶然誕生したものだと言われています。

その薬とは、永遠の命を得ることができる「不老不死の薬」です。当時の中国では、空を飛ぶことができたり、神になることができる薬を作る研究が盛んに行われていました。不老不死はその中でも特に重要視されていたらしく、秦の始皇帝や漢の武帝など、永遠に生きていたいと願う権力者たちが望んでいたため、多くの研究者が開発に取り組んでいました。しかし、薬は完成しませんでした。ただ、その過程で、木炭、硫黄、硝石の混合物が炎を生み出す爆発物であることが判明しました。これが火薬の始まりとされています。

その後、火薬は軍事機密として極秘に研究が進められ、後に武器の原料として使われるようになりました。そして火薬はイスラム諸国を経由してヨーロッパに伝わり、ルネサンスによってさらなる発展を遂げました。多くの人々が求めた不老不死の願望が、まさかこんな形で世に広がるとは、当時の人も思わなかったことでしょう。

盲導犬は、紀元前にも存在していた

目の見えない人を街中で導いてくれる盲導犬。その歴史はつい最近始まったものと思われるかもしれませんが、実は紀元前にはすでに盲導犬らしき役目の犬が存在していたという記録が残っています。

その記録とは、イタリア南部、ベスビオス火山の麓に位置した古代都市ポンペイの様子を描いた壁画にあるもので、目の見えない男性が犬に引っ張られて市場を歩いている姿が見て取れます。ポンペイが発展したのは紀元前6世紀頃とされており、すでに盲導犬が人の暮らしを支えていたのではないかと考えられています。

また、6世紀のフランスでは視覚障害を持つ宣教師が白い小型犬に導かれて布教していたという話も伝えられています。さらに13世紀の中国の絵巻物にも犬を連れた視覚障害者の姿が描かれているとされています。

ただ、それまでは個人がそれぞれ飼い犬に助けてもらっていただけで、組織だって盲導犬が育成されるようになったのは20世紀に入ってからのことです。そこには第一次世界大戦で負傷し失明した軍人を助けるという目的がありました。

靖国神社でプロレスが行われたことがある

東京都千代田区にある靖国神社。戦争で亡くなった軍人を祀る神社として、毎年多くの人がお参りに来ますが、実はこの神社はプロレスの聖地としても知られています。

というのも、1910年、ここの相撲場で奉納プロレスという名目で興行が行われたからです。それ以降、靖国神社はプロレスと深い縁を持つ場所となりました。1921年にはアメリカからやってきたプロレスラーと日本の柔道家が異種格闘技戦を、さらに、1961年には力道山率いる日本プロレスが1910年以来となる奉納試合を、そして2005年以降はプロレス団体「ZERO1」が「大和神州ちから祭り」と銘打って、毎年試合を開催しています。2019年にはアントニオ猪木が特別ゲストとしてリングに登場し、大きな話題となりました。

この「大和神州ちから祭り」は毎年3月に行われるため、満開の桜の中、独特の雰囲気の試合を楽しむことができます。興味がある人はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

「仕事をボイコットする」といったときの「ボイコット」は、もともと人の名前

「仕事をボイコットする」などというときの「ボイコット」。この言葉は、19世紀のアイルランドに実在した人物、チャールズ・ボイコットからきています。

このボイコットという人物は地主に雇われ、農民たちの土地を管理し、その借地代を集めていました。しかし、彼はその立場を悪用し、農民たちに対して一方的なルールを設けて、それに違反した農民には罰金を貸したり、強制的に立ち退かせたりと、非情な仕打ちを行っていました。

そんな中、1880年にジャガイモの不作が起こり、農民たちの収入が激減しました。そこで彼らはボイコットに対し、借地代の軽減をお願いしましたが、あえなく拒否され、さらに土地を取り上げられそうに。これに対し、農民たちの怒りが爆発し、抗議運動が始まりました。食糧の供給を停止し、郵便物を届けず、レストランでは注文を取らないなど、様々な形でボイコットを孤立させた結果、彼は生活できなくなり、最終的には故郷へ逃げ帰ることになりました。

このエピソードから、特定の人や組織を集団で排斥することを、彼の名前をとってボイコットと呼ぶようになりました。自業自得とはいえ、彼もまさか自分の名前がこんな風に使われるとは思いもしなかったことでしょう。

東京・お台場は、ペリーに対抗するために作られた

東京の観光名所にもなっているお台場。フジテレビの本社があることでも知られますが、そんなお台場の誕生には、江戸時代末期のペリー来航が関わっていました。

実は、この「台場」という名前は、砲台、すなわち大砲を置く台となる場所であることに由来します。ペリーの来航をきっかけに、江戸幕府が外国船に対し脅威を抱くようになったことから、砲台を築いて防衛力を高めるために建造されました。

当初、台場は11基造られる予定でしたが、費用や工期の問題から5つしか完成しませんでした。しかし、江戸湾の防衛拠点として幕府崩壊直前まで稼働が続けられたと言われています。現在、そのうち3基は埋め立てや開発により撤去されましたが、残る2基は国の史跡として残されています。

ちなみに、なぜ「お台場」に「お」が付けられているのかというと、当時、幕府直轄の地名や由来のものには、「お」をつけて呼ぶ習慣があったためです。

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