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あやかし、もののけ、ホントにいるの?
<日本三大妖怪とは? その2・鬼>

地球・あやかし紀行

鬼不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。

今回は日本に伝わる妖怪の中から、日本三大妖怪と呼ばれる“あやかしさん”を紹介します。所説ありますが、一般的に三大妖怪と言われる<かっぱ><鬼><天狗>の中から今回は、日本で一番有名な恐ろしいモノの代名詞「鬼」です。

 

鬼のイメージといえば、頭に角、半裸で虎柄のパンツ、そしてトゲつきの大きな棒(棍棒?)を持ってコワイ顔をしています。

危険な場所には「鬼が出る」、「鬼に攫われる」、悪いことはすれば「鬼になる」と戒められ、コワイ女性を「鬼ババア」、強い瓦は「鬼瓦」。そして数年前、若者たちの間で“とても”“強い”“すごい”の形容にも「鬼〇〇」なんて言葉も流行りました。

鬼とは、特別なもの、恐ろしく強いもの、いわゆる“驚異的”なものに使われることが多いようです。

鬼の伝説も日本全国で伝われています。「桃太郎」を代表する数々の昔話や、秋田では「なまはげ」というお祭りにも登場。鬼っていつから存在するのでしょう?

 

  • 鬼の歴史
  • 色で異なる鬼の性質
  • 鬼のパンツはいいパンツなのか?

 

<1 鬼の歴史>

「鬼」というものが文献に登場するのは日本書紀から。そもそもは幽霊や妖怪など人間に非ざるもの、を鬼と表現したようです。鬼=おぬ(いない)、鬼=陰と言うような意味合いで、幽霊や妖怪など実体のないもの、原因不明の災いを「鬼」と表現しました。

平安時代には多くの書物に鬼が登場。邪悪や畏怖の象徴として鬼ブームとなりましたが、長年恐れられた鬼も、江戸時代になると、ちょっとオフピーク。“一番コワイ存在”の地位を怨霊に奪われます。その名残なのか?現代でも幽霊の存在を信じる人はいても、鬼の存在は…ほとんどの人が架空のモノと思っています。

そもそも、鬼は中国の風習が日本に伝わったものですが、長い時を経て。日本文化を吸収、根強く定着して不動の地位を確立しました。

 

 

<2 色で異なる鬼の性質>

節分に豆まき。誰もが一度は経験したのではないでしょうか?「鬼は外!福は内!」

鬼を家から追い出して、幸運を招き入れる…豆まきの時、どんな鬼を想像していましたか?実は鬼にはカラーバリエーションが意外と豊富です。

★赤鬼…欲望

★青鬼…怒り

★白(黄)鬼…乱れ 後悔

★緑鬼…弱気 逃避

★黒鬼…疑心

それぞれの鬼の性質は人間誰もが持っているネガティブな一面。鬼=ヒトなのかもしれません。今度、豆まきをする機会があるなら、今の自分を振り返り、自分が今、一番改めたい鬼をイメージして豆まきしてみるのもいいかもしれませんよ。

 

<3 鬼のパンツはいいパンツなのか?>

虎柄のパンツを履いている鬼のイメージは室町時代には、ほぼ定着していたようです。もちろん「パンツ」とは呼ばれていませんが…100年履いても破れない、耐久性に優れた高品質のパンツのようです。…腰蓑や綿の方がリーズナブルで日本の鬼には似合うような気もしますし、虎の皮では履き心地はちょっと微妙…。どうして鬼が虎柄のパンツを愛用しているのでしょうか?

現在も使用される干支と方角そして時刻。風水でもよく耳にします。これも中国から伝わったものです。北に当たる0時の位置が子、1.00が丑、2:00が虎…東が3:00の位置の卯になります。ちょうど丑と虎の間の北東が“ウシトラ”と言われ、邪気が出入りする「鬼門」。鬼門からやってくる鬼は牛と虎の象徴を兼ね備え、頭(上半身)に牛の角、お尻(下半身)に虎皮を身に着けている姿が定着しました。鬼のシンボル、虎のパンツを履いてこそ、本物の鬼なのです。

アクティブに活動する鬼にとっては強く頑丈な虎のパンツが一番!虎のパンツはいいパンツなのでしょうね。

 

中国からやってきた鬼は日本の文化を吸収し、独自のキャラクターとなり、すっかり日本を代表する“あやかしさん”になりました。

ジャンルは違いますが、鬼同様に中国から伝わり日本に根付き、日本流に工夫され国民食となったラーメン。日本人は異文化から独自の文化を作るのが得意のようです。

鬼については、知れば知るほどヒトに通じるものがあります。武器の謎、鬼が棲む鬼ヶ島の謎など、まだまだたくさんの謎がありますが、それはまた別の機会で…

 

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放送作家 キャスティングプロデューサー
南鰻衣ルカ

本業はTV番組・イベントなどキャスティングP

音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。

仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に

巡り合ううちに“不思議なモノ”や“目に見えぬものが”大好物に!

それらを伝えていこうと執筆している。

得意ジャンルは神話、伝承、歴史、天文、色彩、スピリチュアル、どうでもいい雑学。

趣味はイラストレーション、読書。

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