よみもの|雑学記事

衛星が一つだけの太陽系準惑星は?

地球と月

太陽系の8つの惑星のうち、1つしか衛星を持たないのは何か?

答えは地球。地球には月しか衛星がない。

 

地球以外の太陽系惑星に関する衛星の教養を簡潔にまとめると以下のようになる。

  1. 水星と金星には衛星がない。
  2. 火星にはフォボスとダイモスの2つの衛星がある。
  3. 木星はイオ・エウロパ・ガニメデ・カリストのガリレオ衛星を含めて79個の衛星が観測されている。
  4. 土星は82個の、天王星は27個の、そして海王星は14個の衛星が存在し、それぞれの一番大きい衛星がタイタン、ティタニア、トリトンである。

 

では衛星が一つだけの太陽系準惑星は何か?

それを答える前に、まず惑星と準惑星の共通点と相違点を解説しよう。

太陽の周囲を回っている点と、十分大きい(重い)容量による重力で球形に近い形状をなしている点は共通している。

一方で惑星はその軌道付近に他の天体が無いのに対し、準惑星はその軌道付近に他の天体が存在しかつ衛星ではないとIAU(国際天文学連合)で定義されている。

 

2020年5月現在、太陽系の準惑星に指定されているのは冥王星・エリス・ハウメア・マケマケ・ケレス(セレス)の5つだ。

冥王星にはカロン・ニクス・ヒドラ・ケルベロス・ステュクスと5つの衛星が確認されており、いずれもギリシア神話に登場する人物・女神・怪物の名前に由来している。

エリスは2005年に、唯一の衛星ディスノミアとともにマイケル・ブラウンの研究チームが発見し、翌年に命名された。エリスはギリシャ神話に登場する不和と争いの女神から、そしてディスノミアはエリスの娘から名前を取っている。

ハウメアには2つの衛星が発見されている。2つのうち大きくて外側を回っているのがヒイアカ、小さくて内側を回っているのがナマカだ。ハウメアの名前の由来はハワイ神話の大地を司る豊穣の女神で、2つの衛星もハウメアの娘から取っている。

マケマケを公転している衛星は、現在観測されている時点で1つだけだ。ハッブル宇宙望遠鏡で見つかったこの衛星の名前はS/2015 (136472) 1で、他のように神話由来のおしゃれな名前ではない。ちなみに発見チームからはMK2と愛称がつけられている。

ケレス(セレス)には衛星が発見されていない。

従って1つしか衛星が見つかっていない太陽系準惑星はエリスとマケマケの2つである。

 

ただしこれは2020年5月現在の時点での答えである。今後宇宙観測の技術が進み新しい準惑星とその衛星が発見されれば、正解が変わる可能性がある。

またすでに発見されている小惑星のいくつかは準惑星の候補に挙がっている。そのうちの一つであるオルクスが準惑星に格上げされた場合、発見された衛星はヴァンスのみなので今回のクイズの正解に加えられる。

太陽系外縁天体(太陽と海王星との平均距離より長い距離で、太陽を公転している天体)の宇宙観測やIAUの準惑星への格上げに対する議論は続けられているので、目が離せられない。

面白法人カヤック・企画部プランナー
マジー田中
1991年生まれ。大阪府生まれ奈良県育ち。現在は鎌倉在住。
2011年に大阪大学理学部に入学。大阪大学クイズ研究会(OUQS)と大阪大学天文同好会に入り、4年を過ごした。
2015年に大阪大学卒業後、大阪大学大学院理学研究科に進学。惑星物質学研究室に配属。
2017年に修了後、千葉大学大学院博士課程に進学したが、2019年夏に中退しカヤックに秋入社。
名もなきクイズクリエイター(自称)。
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