よみもの|聞くトリビア(読む編)

『YouTube公開』ブラックホールに飲み込まれた人間は、どうなる?
【朗読】気が遠くなるような宇宙の雑学【聞くトリビア】

『スプーン1杯で10億トンの星がある!?』

『宇宙エレベーターの完成は何年後?』

宇宙旅行をしているような気持ちで眠れる?面白雑学動画! 驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。

 

驚きの雑学の数々を、フリーアナウンサー大橋俊夫氏の朗読とともにお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

宇宙の95%は正体がわかっていない

宇宙は何からできているのでしょうか?最近の研究によって、宇宙は3つの成分から成り立っていることがわかってきました。そのうちの1つが、我々が理解できる普通の物質です。普通の物質というのは、私たちの身体や地球、星、宇宙空間を満たすガス、そしてブラックホールなどの天体を構成するものです。これらの物質は電磁波によって観測することができ、我々の理解の対象となっています。しかし、普通の物質は宇宙全体のわずか5%にすぎません。

宇宙の残りの95%は、ひとつはダークマター、もうひとつはダークエネルギーと呼ばれる、謎に包まれた物質から成り立っています。ダークマターは重力を持ち、銀河の形成や運動に影響を与えますが、どのような波長の電磁波でも観測できないため、「暗黒物質」を意味する名前で呼ばれています

一方のダークエネルギーは宇宙の膨張を引き起こすものと考えられていますが、やはり正体は不明のままです。これらの謎の物質を理解することが、宇宙の進化や構造を解き明かす大きな鍵となっています。

太陽系の惑星の数は今後増えるかもしれない

未知の惑星があるとすれば、その場所は現在太陽系のもっとも外側を回るとされる惑星・海王星や、かつては惑星とされていた冥王星があるもっと先です。もし実在すれば太陽系の第9惑星となることから、この、あるかもしれない惑星は「プラネット・ナイン」と呼ばれます。

プラネット・ナインがあると主張する天文学者によると、その質量は地球の5~6倍あり、海王星の外側にあるカイパーベルトと呼ばれる一帯にある天体に影響を与えているように見えるため、その存在が推定されるそうです。

これまで、天文学者らは、ハワイの山マウナケアにあるすばる望遠鏡を使ってプラネット・ナインの発見に取り組んできましたが、天の川に集まる他の明るい星に混ざって見えない可能性が高く、見つけるのはなかなか困難なようです。しかし、南米の国チリに新しい天文台がまもなくできる予定で、この天文台の最新鋭の望遠鏡を使えば、いよいよプラネット・ナインが見つかるのでは、と期待されています。

世界一のプラネタリウムで映せる星の数は7億

そのプラネタリウムがあるのは、横浜市磯子区にある「はまぎん こども宇宙科学館」です。この科学館では2022年にプラネタリウムをリニューアルし、「はま銀河」という愛称がつけられた新しい投影機「MEGASTAR-IIA」を導入しました。

この新しい投影機は、およそ12億個の星を映し出すことができるため、ギネス世界記録に挑戦しました。ところが、肉眼では見分けられないような小さな星まで映し出すため、今までの方法ではすぐに記録を判定することができず、およそ2カ月にわたって、専門家である2人の天文学者が検証作業を実施しました。その結果、少なくとも7億個の星が投影されていることが認められて、2023年にギネス世界記録に掲載されました。

ちなみに、このプラネタリウムで投影される星の数は7億以上ですが、現在望遠鏡で見えている星の数は700垓あるそうです。1垓は1兆の1万倍のさらに1万倍なので、700垓というのは途方もない数ですね。

宇宙にも天気予報がある

宇宙という広大な領域にも、実は天気が存在します。宇宙における天気というのは、太陽フレア、磁気嵐、太陽風、オーロラ活動などの変化のことです。日本では国の組織である情報通信研究機構内にある宇宙天気予報センターが、その予報の役割を担っています。

ある日の宇宙天気予報を見てみましょう。「太陽活動は活発でした。引き続き今後1日間、太陽活動は活発な状態が予想されます。地磁気活動は穏やかでした。今後1日間、地磁気活動はやや活発な状態が予想されます。電離圏は乱れた状態でした。」などといった情報が毎日公表されているとちょっと驚くのではないでしょうか。

宇宙の天気の変化も私たちの生活に様々な影響を及ぼすため、天気予報は必要なのです。たとえば、磁気嵐が起きると人工衛星や無線通信などに影響が出ることがあります。特に宇宙天気予報を必要としている分野が、航空機の運用です。北極や南極付近を飛行する際には宇宙天気の影響を受けやすいので、予報によっては航路を変えることもあるそうです。

マグネターという天体はスプーン一杯分が10億トン

宇宙ではわれわれの想像を超えるような天体が存在します。特に知られるのが、光が脱出できないほどの重力を持つブラックホールですが、マグネターも想像を絶するような天体で、「宇宙最強の磁石天体」と呼ばれるほどの強力な磁場を放ちます。

マグネターとは、中性子星の中でも極めて磁力が強いものを指します。その磁力は、人類が作ることができる最強の磁力の10億倍もの強さだそうです。そして、マグネターは密度も非常に高く、わずかスプーン1杯の量で10億トンにもなると言われます。

これまでに20数個のマグネターが発見されていますが、天の川銀河には推定で3000万個のマグネターが存在すると考えられています。

ちなみに、マグネターに近づくと、人間は1000キロほどの距離で生命活動が維持できなくなり、さらに表面に近づくと原子レベルで分解されてしまうのだそうです。マグネターはこのような極端な天体ですが、同時に、宇宙の謎を明らかにする重要な手がかりにもなると考えられています。

地球外の知的生命体に向けたメッセージを積んだディスクが宇宙を飛んでいる

このディスクを積んでいるのは、太陽系の外まで飛んでいく探査機のボイジャー1号と2号で、1977年に打ち上げられました。ディスクは地球の生物や文化を記録したもので、地球外の知的生命体が解読できるようにデザインされており、宇宙のちりから中身を守るために金でメッキされているため、「ゴールデンレコード」と呼ばれます。

ゴールデンレコードには59の言語での挨拶や、115枚の画像、バッハの作品など世界各地の楽曲27作品が収められ、太陽の位置情報やレコード再生の手順も記載されています。日本からのメッセージとして、「こんにちは、お元気ですか」という日本語の挨拶と、尺八の曲も収録されました。

他にも、1977年当時のカーターアメリカ大統領と国連の事務総長ワルトハイムからのメッセージなども入っています。レコードにはウラン238の試料も添付され、その残量から経過時間も知ることができるようになっています。

ボイジャーは太陽系の彼方に向かって飛び続けており、その距離は地球から二百数十kmほど。いつの日か知的生命に出会って、地球文明を伝えられたらと思うと、ロマンがありますね。

ベテルギウスはもう爆発しているかもしれない

オリオン座の一等星、ベテルギウス。2019年には突然薄暗くなり、もしかすると爆発が間近なのではないかという憶測を呼びました。しかし、ベテルギウスは結局明るさを回復し、一時的に暗くなった現象は直接的には超新星爆発とは関係ない可能性が高いことが示されました。

ベテルギウスの年齢はおよそ800万歳で、一生の終わりに近づいているのは確かであり、超新星爆発が迫っているのは間違いないと考えられています。しかし、それがどれぐらい近い未来なのかは分かっていません。定説では我々が生きている間には爆発しないとする説が有力なのですが、一方では超新星爆発につながるコアの崩壊が、数十年以内に起こると予想している論文もあり、天文ファンの興味をひいています。

もし超新星爆発が起きると、マイナス12等級ぐらいまで明るくなるといわれています。太陽よりは暗いですが、その明るさは昼でも空に見えるほどです。そして夜間にはさらにみごとな光景になるのではと想像されます。

地球との距離は640光年ほどなので、ひょっとして室町時代に爆発していたら、地球で観測されるのはそろそろなのかもしれません。

ヘリウムの名前の由来は太陽

風船や気球、あるいは声が高くなるパーティーグッズに使われることでも知られる元素のヘリウム。水素に次ぐ原子番号2番、すなわち2番目に軽い元素です。

ところが、このヘリウム、希ガスという元素のグループの仲間で、ほかの元素とほとんど反応しません。反応しない元素というのは存在を確認するのも大変です。そのため、地上でその存在が認められる前に地球外で発見されました。その発見に役割を果たしたのが太陽です。

フランスの天文学者ジャンサンとイギリスのロッキャーは、1868年の皆既日食のとき、太陽のスペクトル線を解析し、当時知られていたどの元素にも当たらない未知の元素が存在すると考えました。彼らはこれを太陽固有の元素であると考え、ギリシャ語で太陽を表すヘリオスにちなんでヘリウムと名付けました。27年後に、ドイツの化学者がクレーベ石と呼ばれる鉱石に硫酸を作用させることで、地球上でヘリウムを分離することに成功しました。

今日ではヘリウムは身近な元素であるとともに、低温工学の研究にも欠かせない物質となっています。そのような物質が、地球よりも先に宇宙で発見されたというのは、ちょっと意外な気がしますね。

もしブラックホールに落ちると、体が素粒子にまで分解される

ブラックホールは宇宙にある重力がとても強い天体です。一度中に入ったら、物体だけでなく、スピードの速い光でさえも外に出ることができなくなります。まるで穴のような天体なので、ブラックホールと名付けられました。

さて、考えるとちょっと怖いのですが、そのブラックホールにもし人が落ちてしまったらどうなるのでしょうか?まず、落ちた人は潮汐力という力によって細長く引き伸ばされます。このとき、外の景色はだんだん青く、視界が狭くなっていきます。そして、ブラックホールの中心近くにまでいくと、体が素粒子レベルに分解されてしまいます。

一方、この現象を外から観察すると、落ちていく人は徐々に赤くなって、中心付近で止まってしまうかのように見えるそうです。このような不思議な現象が起きるのは、強い重力によって、空間と時間がゆがんでいるからです。

ちなみに、これまでのところ地球にもっとも近いブラックホールがあると考えられているのは、150光年先のヒアデス星団だそうです。

もし巨大なプールがあれば土星は浮く

土星は、太陽系の中では木星に次いで2番目に大きな惑星です。輪をのぞいた土星本体の直径は地球のおよそ9.5倍、体積は755倍、質量は100倍近くあります。ところが、もし太陽系全部が入るほどの大きなプールがあったと仮定すれば、土星だけ水に浮いてしまうとされます。これは、土星の平均密度が水の0.7倍と、水よりも軽いからです。

なぜ平均密度が小さいかというと、土星は主に水素やヘリウムといった軽い元素で形づくられているためです。土星の中心には、岩石と鉄と氷でできた核があり、これが惑星の重さのおよそ20%を占めています。その上を、高い圧力で金属的な性質の状態になった水素の層が、およそ1万キロという厚さで覆っています。さらに上には水素とヘリウムがまざった層があります。私たちから見える土星の表面は、そのまた上の層にあたる、メタンやアンモニアの雲です。

このような惑星内部の構造や大気は木星もよく似ているのですが、土星の方が圧力が小さく、ゆるく固まっているため、密度が小さいのだそうです。

天王星は、とても臭い

2018年にNASAは、太陽系第7惑星の天王星を覆う雲に、硫化水素が存在していることがわかったと発表しました。この硫化水素は、温泉や腐った卵が臭う原因となる物質です。

研究したチームは、ハワイ島の天文台に設置した赤外線望遠鏡を使って、天王星の雲が反射する太陽の光を観測することで、雲に含まれる成分を調査しました。そして、10年近くかけた分析の末、硫化水素が含まれることが確認できました。これを観測した研究者は「以前から臭う、つまり怪しいと思っていたが、ついに尻尾をつかんだ」とコメントしたそうです。

天王星は水色に見えるきれいな星なのですが、もし降り立って呼吸をすることができたら腐った卵の匂いだというのは衝撃的です。ただし、天王星の外側は氷点下200度ほどになり、実際に近づいて臭いをかぐことは不可能だそうです。もし可能だとしても、誰も試したいとは思わないでしょうが…。

われわれが見ているデネブは1400年前の姿

宇宙では、星と星の間の距離を測るときに、「光年」という単位が使われます。1光年とは、光が1年間かけて進む距離のこと。例えば、こと座の一等星ベガは地球から25光年先にあります。これはどういうことかというと、25年前のベガの光がいま地球に届いているということです。つまり、私たちが見ているベガは25年前の姿。ちょっと前にお話ししたベテルギウスはおよろ640年前の姿ということでしたね。

全天の1等星の中で、地球からもっとも離れているのは、はくちょう座のデネブです。このデネブはなんと地球から1400光年以上も離れた場所にあるといわれています。つまり、今地球から見ているデネブの姿は1400年以上前のもの。日本だったら聖徳太子が活躍していた飛鳥時代、ということになります。不思議な感じがしますね。

ちなみに、デネブはそんなに遠くにあるのに1等星として地球から見えるということは、非常に大きく、明るい星だということも意味しています。デネブの直径は太陽のおよそ200倍、実際の明るさは太陽のなんと5万から6万倍もあるということです。

宇宙エレベーターは30年以内にできる

みなさんは宇宙エレベーターというものを聞いたことはありますか?人や物資を大量に宇宙に運べるよう、地球と宇宙の間をケーブルでつなぐという輸送機関です。まるで、地上から宇宙に向かって伸びる塔のようなものです。SFの世界のように思われるかもしれませんが、実現可能な技術なのだそうです。もし、宇宙エレベーターが本当にできたら、ロケットよりも効率的・経済的で、環境への影響も少ない輸送手段になると期待されています。

宇宙エレベーターは、1991年に日本の科学者によって軽くて強い素材であるカーボンナノチューブが発見されたため、実現が見込めるようになりました。そして、現在は大手ゼネコンの大林組が、2050年からの供用開始を目標に開発を進めています。

宇宙エレベーターができたあかつきには、訓練を受けた宇宙飛行士ではない一般の人たち、そして、高齢者や体が不自由な人も宇宙に行けるようになるかもしれません。私たちが生きているうちに、ぜひ実現してほしい技術のひとつですね。

宇宙ゴミの数は1億3000万個以上

宇宙ゴミ、英語でスペースデブリとは、地球の周回軌道上にある必要のない人工的な物体のことです。具体的には、運用を終えたり、故障した人工衛星や打ち上げロケットの残骸、ミッションの最中に放出した部品、爆発や衝突などで発生した破片などです。

宇宙ゴミは年々増加しており、欧州宇宙機関によるとその数は、1cmから10cmの大きさのものでおよそ100万個、1ミリ以上の大きさのものでは、1億3000万個にもおよぶそうで、このまま増えると、将来的には人類の宇宙活動の妨げになると予想されます。

また、実際に宇宙ゴミと人工衛星の衝突はこれまでに何度か起きているそうです。宇宙ゴミは秒速7〜8キロと猛スピードで飛んでいるため、たとえ小さな破片であっても、もし衝突すれば衛星に大きな被害を与えてしまいます。

現在日本でも、JAXAと民間企業が協力して、宇宙ゴミを除去するプロジェクトを進めており、その成果が期待されています。

宇宙で初めて子供を産んだ動物はメダカ

1994年、日本人初の女性宇宙飛行士・向井千秋さんとともに4匹のメダカが宇宙飛行しました。そしてこのメダカは、脊椎動物として初めて、無重力状態の宇宙で産卵、さらに幼魚のふ化に成功しました。

例えばニワトリの場合、卵の中でヒナが成長するために重力が必要なので、無重力空間では卵からふ化しませんが、魚類のメダカはふ化することができます。特にメダカの中には、重力が小さい状態に適用しやすい系統がいるため、この実験に選ばれました。

出産後に地上に戻ってきたメダカは、しばらくは浮き袋の使い方を忘れてしまい、水槽の底に沈んだまま動けなくなっていたそうですが、やがて普通に泳げるようになりました。また、宇宙に行ったことによる子孫への影響も特に見られなかったそうです。

これらの宇宙メダカの子孫は、全国の学校などの施設に配られ、現在も子孫を増やしていっています。子孫を展示している科学館などもいくつかあるので、興味がある方は調べてみてください。

宇宙空間では背が伸びる

宇宙飛行士は宇宙に行くと、身長が数センチ伸びます。だいたい1~2センチ伸びるということが多いようですが、中には7センチ以上伸びた人もいるそうです。

身長はふつう立って測定しますが、地球上で直立するときは頭から足の方向に重力が働きます。このとき、背骨を構成する骨の継ぎ目や、足の関節などが圧縮された状態になります。しかし無重力では、地上で圧縮されている部分が解放されるため、背が伸びるというわけです。

他にも、無重力では様々な体の変化が起きます。たとえば体液が下に引っ張られなくなるため、地上よりも上半身に体液が多くなり、顔がむくんでムーンフェイスという丸顔になってしまうという現象がよく知られています。また、鼻の粘膜もむくんでしまうため、宇宙飛行士は鼻詰まりをよく経験するんだとか。また、「宇宙酔い」という症状もよく見られる現象です。

逆に、宇宙飛行士が地球に帰った際には、立ちくらみがよく起きるのだそうです。これは宇宙よりも重力が大きい地上では、心臓から頭に血液を届けることが大変になるからです。

宇宙飛行士になるのに学歴はいらない

2023年、JAXAは、諏訪理(すわ・まこと)さんと、米田(よねだ)あゆさんの2人を新たな宇宙飛行士の候補者に決定しました。このときの募集が始まったのがその2年前の2021年なのですが、当時応募条件が大幅に緩和されたことも話題になりました。

最新の応募条件は2つ。まず、3年以上の実務経験、つまり社会で仕事をした経験があるということ。もう一つが、身体的な条件。具体的には身長149.5から190.5cmで、矯正視力が1.0以上あり、色覚や聴力が正常なことです。年齢や性別は問われません。

以前は、宇宙飛行士になるためには理系の4年制大学を卒業していなければならず、加えて3年以上の理系の分野での実務経験も必要でした。しかし、現在ではこの条件が撤廃されたのです。つまり、たとえ中卒であっても、文系であっても、派遣社員や自営業などであっても宇宙飛行士に応募することはできるのです。

ただし、だからといって理系分野の知識が不要になったわけではなく、実際に新しい宇宙飛行士候補者の諏訪さんは東京大学理学部、米田さんは東京大学医学部を卒業しています。

宇宙飛行士の試験に使われる白いパズルは22万個売れた

漫画の『宇宙兄弟』を読んだことがある方は、宇宙飛行士の選抜試験に、絵が何も描かれていない真っ白なジグソーパズルが登場することを覚えているかと思います。この白いジグソーパズルは、実際に宇宙飛行士の試験に使われており、閉鎖空間での耐久力を試されるものです。2010年にスペースシャトルのディスカバリーに搭乗した山崎直子さんは、300ピースの真っ白なパズルに課題として取り組んだそうです。

この白いパズルはジグソーパズルの製造販売を手掛ける「やのまん」によって2012年に商品化され、発売から10年でシリーズ累計22万個の販売を達成しました。この宇宙パズルは「そこそこ難しい」99ピース、「けっこう難しい」300ピース、「スゲー難しい」204ピースの3種類があります。

204ピースの方が「スゲー難しい」となっているのは、ピースが小さいからです。一番取り組みやすい99ピースのものは、メーカーの人で1~2時間ほどでクリアできるぐらいの難易度だそうで、ここからチャレンジするのがおすすめだそうです。

宇宙服の値段は1着15億円以上

宇宙空間での活動を可能にする宇宙服、その値段は我々のような一般の人間にはなかなか想像がつきませんが、1着1000万ドル以上もするのだとか。為替レートによっても変わってきますが、ここ最近の為替相場をもとに換算すると、15億円というとんでもない額になります。

1000万ドルの内訳ですが、特に高いのが宇宙飛行士が背中に背負っている生命維持装置で900万ドルします。残りの100万ドルが、それ以外の宇宙服アセンブリと呼ばれる部分の値段です。船外活動を行うための宇宙服は、パーツごとにいくつものサイズが用意されており、着用する飛行士の体格に合わせてパーツを交換します。また、グローブは宇宙飛行士ごとに用意されており、これだけで2万ドル、およそ300万円します。

もちろん、一般の人が本物の宇宙服を買うのはまず不可能ですが、ネットなどではアポロ宇宙飛行士の宇宙服のレプリカを80万円弱で販売しているお店もあるようです。しかし、それでも十分高いですね…。

科学的に証明された世界最古の隕石は、日本の神社にある

この隕石があるのは、福岡県直方市の須賀神社です。平安時代に境内に落ちてきた隕石は「直方隕石」と呼ばれています。

言い伝えによると861年のある日の夜、神社の上空が突然真昼のような明るさになり、境内で激しい爆発音が起こりました。深くえぐられた穴ができていたので、中をのぞくと、黒く焦げた石があったそうです。その石は桐の箱に納められ、大切に受け継がれることとなりました。その大きさは500グラム弱で、大人のこぶしほどあります。

この直方隕石、目撃記録が残っていて、さらに科学的に鑑定・証明された世界でもっとも古い隕石なのだそうです。境内には記念碑があり、普段は隕石のレプリカが見られるようになっていますが、5年に1度、お祭りの際には本物の隕石が公開されるそうです。

ちなみに、この直方隕石なのですが、2016年に公開されたアニメ映画『君の名は。』に出てくる隕石のモデルになったという説もあり、映画ファンの間では話題になったようです。

火星の衛星フォボスでジャンプすると、800mぐらい跳べる

天体の重力は、その天体自体の重さで変わってきます。例えば、地球より軽い月の重力は地球の6分の1ほどです。これは月でジャンプすると、地球よりも6倍高く飛べるということを意味しています。だいたい地球で垂直にジャンプすると50cmほどなので、月でのジャンプは3mくらいになります。

では、月よりもっと小さい天体でジャンプするとどうなるでしょうか。準惑星の冥王星でジャンプすると、7m以上になります。火星と木星の間にある小惑星のケレスでジャンプすると、15m以上になります。そして、火星の衛星であるフォボスでジャンプすると、なんと800m近くも跳べるそうです。

ただし、フォボスでも、普通にジャンプする限りはたとえ高く跳べても、地表に戻ってこられなくなるということはないようです。逆に地球よりも大きい木星では20cmも跳べないそうです。

火星の地表にはかつて水が流れていた

地球のすぐ外側を回る惑星、火星。その表面を望遠鏡で見ると、運河のように見える地形があります。今でこそ火星は極寒の砂漠の星となっていますが、干上がった三角州、川岸といった地形から、水が流れていた時代があったことが見て取れます。

これらの水はどこへ行ってしまったのでしょうか?最新の研究によると、多くの水が地殻内にある鉱物に取り込まれ、残りの水は宇宙空間に流出したと推定されています。そして、火星はかつては地表にも多くの水を湛えており、微生物の生息にも適していたであろうことがわかっているそうです。さらに、火星には水だけでなく、生命をつくる有機物が存在し、また火山もあるので、生きていくのに必要なエネルギーも揃っています。

では、実際に火星に生命がいたことはあるのか、というと、これはまだ分かってないのですが、NASAの火星探査車「パーシビアランス」が、生命の痕跡を見つけるために今まさに活動を行っています。火星で採取されたサンプルを地球に持ち帰ってきた暁には、地球外生命の証拠が見つかることが大きく期待されています。

葛飾北斎や松尾芭蕉は、水星のクレーターの名前になっている

太陽系でもっとも内側を回る惑星・水星。その地表には多数のクレーターがあります。これらは水星ができたあとに、たくさんの小さな天体が衝突してできたものです。

ユニークなのは、水星のクレーターの多くには、芸術家の名前がつけられているということです。その中には葛飾北斎にちなむ「ホクサイ」、松尾芭蕉にちなむ「バショウ」など日本人の名前がついたものもいくつもあります。

どんどん挙げていきましょう。まずは作家。ソウセキ、アクタガワ、フタバテイと、明治の文豪が揃っています。紫式部にちなんだムラサキというのもあります。それ以外の分野の芸術家では、ゼアミにリキュウ、ウンケイなどもあります。「セイ」「ヤマダ」など誰が由来か分かりにくいものもあります。これはそれぞれ、清少納言と作曲家の山田耕筰にちなみます。

水星の英語名マーキュリーの由来となったローマ神話のメルクリウスは芸術の神様でもあるのですが、その名にふさわしく、水星は多数の芸術家を抱えているわけですね。

金星は硫酸に覆われた過酷な星

ローマ神話の愛の女神に由来する「ビーナス」という美しい英語名を持つ金星。明るく輝く星ですが、その環境は非常に過酷なものです。金星が明るく輝いて見えるのは、硫酸でできた雲に覆われており、太陽の光をよく反射するためです。硫酸は理科の授業でも登場しますが、何でも溶かしてしまい、取り扱いが注意な物質。そのため、仮に金星に行くとすれば、硫酸の雨から身を守ることのできる宇宙船が必要となります。

さらに、猛烈な台風よりも強い風が吹きつづけているので、地表に到達するには困難を極めます。地面におり立つことができたとしても、気圧は地球の90倍あります。加えて、金星は太陽系でもっとも熱い惑星であり、その表面温度は465℃にもなります。これは、金星の大気の96%が二酸化炭素で構成されており、温室効果でどんどん熱くなってしまうためです。

このように美しい金星は実際は地獄のような過酷な環境の星。遠くの地球から眺めるだけで良さそう、と思いきや、NASAはこんな星にも探査機を送りこもうと開発を進めているそうです。

月の模様が何に見えるか、国によって様々

日本では、月の模様はウサギが餅つきをしているように見える、と言われますね。アジアの他の国でも、月の模様をウサギに見立てる習慣は広くあります。韓国では、日本同様に餅つきをするウサギの絵が描かれるそうです。中国では餅つきではなく、ウサギが薬草を挽いている姿にたとえているということです。この「うさぎ」の伝承はインドの伝説から始まり、中国や日本に伝わってきたものとされています。

しかしながら、アジア以外の地域では、月の模様はまったく別のものに見立てられます。例えば欧米では「女性の横顔」とされ、アラビアではライオンだと言われたりします。また、南半球のオーストラリアでは、月が上下左右反対に見えます。そのため、月の模様は「男の人の顔」に見えるのだそうです。

他にも「ワニ」「大きなハサミのカニ」「本を読むおばあさん」など、地域によって様々なものに解釈されます。
世界各地で、月を見る人々は想像力を働かせ、さまざまな解釈や伝承を生み出してきたのです。

高校生が開発した宇宙食がある

その宇宙食というのは、福井県小浜市にある福井県立若狭高校の生徒が開発したサバ缶です。宇宙食開発は、若狭高校と統合された旧小浜水産高校で2006年に始まりました。学校がある小浜では、古くから獲れたサバが、鯖街道と呼ばれる街道を通って京都に運ばれていました。そのような地に位置する旧小浜水産高校には、サバ缶を製造する実習工場が併設されていたのです。

宇宙食のサバ缶開発は、NASAなどが開発した食品製造の衛生管理システム「HACCP(ハサップ)」を高校で取得したことが契機となりスタート。開発は簡単にはいかなかったようですが、先輩から後輩へと何代にもわたってノウハウが受け継がれていき、ついに開始から12年経った2018年にJAXAの認証を取得しました。

そして、2020年に宇宙飛行士の野口聡一さんが、国際宇宙ステーションでこのサバ缶を食べる食レポをYouTubeで配信し、宇宙にサバ缶を飛ばすという夢が現実のものとなりました。

国際宇宙ステーションは2031年に太平洋に落下する

アメリカ、日本、カナダ、ヨーロッパ、ロシアの各宇宙機関の共同プロジェクトである国際宇宙ステーション。これまで日本の宇宙飛行士も多く滞在してきました。しかし、国際宇宙ステーションが引退するのは、それほど遠い将来ではありません。

実は当初の予定では、老朽化の進む国際宇宙ステーションの運用期間は2024年までだったのですが、バイデン政権によって2030年まで延長される方針になりました。この延長方針を受けたあと、NASAは2031年に国際宇宙ステーションを南太平洋に落下させる計画を明らかにしました。

ただし、国際宇宙ステーションの引退後は、民間の運営する宇宙ステーションが役割を引き継ぐ予定なのですが、もしその準備が整っていない場合は、国際宇宙ステーションの引退が延期される可能性をにおわせている関係者もいます。

一方、2022年には中国が宇宙ステーションを完成させ、宇宙開発における存在感を強くしており、今後の動向が注目されます。

三宅島は月面に似ている

伊豆七島のひとつ三宅島。豊かな自然に恵まれ、マリンスポーツが盛んなことでも知られています。その三宅島の玄武岩質の砂地が、月面を覆うレゴリスと呼ばれる土に組成が近いのだそうです。また、火山の噴火によってできた複雑な地形も月面に似ているとされます。

月面に似た環境を利用して、三宅島では日本で開発された月面探査車の試験走行も行われています。この月面探査車は、JAXAと日産自動車が2020年から共同開発しているもの。2022年に実験が行われ、さらに2023年には、活火山である雄山のオフロードを月面に見立て、日産エクストレイルで走行する一般向けのツアーも行われました。エクストレイルでに搭載されている4輪制御技術が、月面探査車にも応用されているのだそうです。

三宅島では、今後「月の島」としての魅了が新たな観光資源になっていくかもしれません。一般の人が月に旅行できるようになるまでにはまだまだ年月がかかりそうですが、少しでも月旅行気分を味わうために、三宅島に行ってみるのも楽しそうですね。

人間よりもイヌの方が早く宇宙に行った

ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行に成功したのは1961年のこと。しかし、その4年前の1957年、人類に先立ってイヌが宇宙空間に行きました。このイヌはモスクワの通りで拾われた「ライカ」と呼ばれる雑種犬。人工衛星「スプートニク2号」で大気圏外に飛び出しました。

ところが、このスプートニク2号は、大気圏に再突入したときに壊れないという設計にはなっておらず、ライカは打ち上げ前から、宇宙開発のために犠牲になることが決まっていたそうです。当時の公式発表では、ライカはミッションの最後に毒を混ぜたえさを食べ、安楽死したことになっており、これが長らく信じられていました。

しかし、打ち上げから45年後に、打ち上げに関わっていた研究員によって、発射後たった数時間で、ショックと熱による極度の過労のためライカはすでに死んでいたことが明かされました。ライカの亡き骸を乗せたスプートニク2号は軌道を回ったあと、大気圏への再突入して燃え尽き、悲しい最後を遂げたということです。

宇宙飛行中、酸素タンクが爆発して地球に戻れない危機に陥った事件があった

1970年4月、アメリカの有人宇宙飛行船アポロ13号が月に向かうために打ち上げられました。8ヶ月前には11号が初の月面着陸を達成していることから、かなりの期待を受けていましたが、なんと発射から56時間後、地球からの距離およそ33万kmあたりでエンジンや燃料を積んだ支援船の酸素タンクが爆発を起こし、月面調査どころか、地球に帰還することすら難しい状態へと陥ってしまいました。

爆発の影響で機内には電気や酸素、水はほとんど残ってなく非常に危険な状態で、船内だけでなく、地上でも職員総出で救出活動を行い、動員された人数はなんとおよそ2万人、さらには全米中のコンピュータを駆使して無事帰還できるように取り組んだそうです。

その結果、4日後に13号は南太平洋の海上に無事着水。誰一人亡くなることなく帰還できました。

この事故の原因は酸素タンクの温度調節装置が故障しており、それに誰も気づかなかったというものでした。NASAではこの事故をきっかけに、より厳重な安全対策が行うようになったそうです。

人工衛星は増えすぎている

通信、GPSなどの運用や気象観測など、現在の我々の生活に欠かせない人工衛星。しかし、今や人工衛星が多すぎるという問題が発生しているのはご存じでしょうか。

「人工衛星増えすぎ問題」の直接的な原因になっているのが、イーロン・マスクのスペースX社が手掛けている巨大通信衛星網「スターリンク」。スターリンクは辺境の地でもブロードバンドでのインターネット通信を可能にするもので、能登半島地震でも役立ちました。スペースXはこのスターリンクの人工衛星を一度に数十という単位で打ち上げることもあり、その数は急増しています。

人工衛星が増えすぎると何が問題かというと、天文学者が遠くの銀河や星などを観測するのが困難になるということが挙げられます。人工衛星が望遠鏡の視野を通ると、非常に明るくなってしまうからです。特にスターリンク衛星の場合、低い軌道を飛行するため、高い軌道の衛星と比較して、太陽の光を反射した時に明るく見えてしまうそうです。

この衛星による天文観測への影響を防ぐため、スペースXも衛星の塗装を黒くしたり、太陽の反射を抑える日除けをつけたりさまざまな取り組みをしていますが、通信への影響が出てしまうことが分かり、まだ解決できていないのが現状だそうです。

人類が宇宙で初めて行ったスポーツはゴルフ

1971年、アポロ14号のアラン・シェパード船長は、月面でゴルフのショットを行いました。これが宇宙で行われた最初のスポーツだといわれています。

宇宙に行くにあたっては、クラブ1本でも持ち込むのは大変です。しかし、何とか月でのゴルフを実現したいシェパードは、岩石の採集作業をするときのスコップの先に6番アイアンのヘッドをつけてクラブとして使えるようにしました。

月でゴルフのショットをするという歴史的瞬間はテレビ放送され、世界の注目を集めました。しかし、宇宙服と宇宙飛行士用の手袋では両手でクラブをうまく握ることができず、しかも月は見渡す限りのバンカーという難易度の高いコース。1打目は砂埃が上がっただけのダフリでした。しかし、2打目はまっすぐ飛び、さらに3打目は会心のショットとなりました。月の重力は地球の6分の1ですが、どれほどの距離が出たのか聞かれたシェパードは、「何マイルも、何マイルも、何マイルも…」とコメントを残したそうです。

世界初の宇宙飛行は2時間未満

1961年4月12日、旧ソ連は世界初の有人宇宙船「ボストーク1号」を打ち上げました。これに乗り込み、人類で初めて宇宙に行った人物となったのが、ユーリ・ガガーリン少佐です。「地球は青かった」という言葉を残したこともよく知られています。

この世界初の宇宙飛行ですが、時間にしてわずか1時間48分という短いもので、大気圏外を1周したあと、大気圏に再突入しました。このボストーク1号は一人乗りの宇宙船で、乗組員であるガガーリンがコントロールできる部分はほとんど無かったそうです。

ガガーリンが宇宙飛行に成功したわずか3週間後には、今度はアメリカがマーキュリー3号にアラン・シェパードを乗せて、有人宇宙飛行に成功させますが、こちらは打ち上げの勢いで宇宙に飛び出したあと、すぐに大気圏に戻ってくるというもので、ガガーリンの宇宙飛行よりもさらに短い15分の弾道飛行でした。このシェパードさん、さきほどお話した月でゴルフをした人と同一人物です。

ちなみに、人類初の宇宙飛行という偉業を達成したガガーリンはその7年後、戦闘機の訓練飛行中の墜落事故で、34歳という若さで亡くなりました。

世界遺産に登録されたプラネタリウムがある

そのプラネタリウムがあるのは、オランダのフリースランド州にあるフラネカーという小さな町です。現存する世界最古のプラネタリウムとされるロイヤル・エイセ・エイシンガ・プラネタリウムは、エイシンガという人物によって、1774年から81年にかけて作られ、いまも現役の施設として稼働しています。エイシンガは、ウール工場を経営するかたわら、天文学に興味を持ち、自分の家にこのプラネタリアムを作ってしまいました。

そのプラネタリウムとは、リビングルームの天井に、機械仕掛けで太陽系の動きが再現されているというもの。1000個以上の手作りの釘と木製の歯車が使われており、完成から200年以上経った今でも、きちんと惑星の動きが示されています。

この家は、現在も博物館として一般に公開されており、世界中から天文ファンが訪れるそうです。歴史的な価値が認められて、2023年には世界遺産に登録されました。
自力で作ったプラネタリウムが、200年以上経っても人々を魅了するというのは、ロマンがありますね。

他の星の知的生命と交信できる確率を求める方程式がある

その方程式を生み出したのは、アメリカの天文学者フランク・ドレイク博士。彼は地球外知的生命体の探査を主導してきた先駆者です。1960年には、宇宙人がいる可能性のある星として、くじら座のタウ星とエリダヌス座のイプシロン星を選び、これらの星に電波望遠鏡を向けて、信号を探しました。

彼が考案した「ドレイクの方程式」は、次の7つの要素の積で表されます。1つ目が「銀河系の中で毎年生まれる恒星の数」、2つ目が「その恒星が惑星系を持つ確率」、3つ目が「その惑星系の中で生命の発生に適した環境をもつ惑星の数」、4つ目が「その惑星に実際に生命が発生する確率」、5つ目が「知的生物に進化する確率」、6つ目が「知的生物が他の星との間で通信が行えるような技術文明を発展させる確率」、そして最後が「その文明の寿命」です。

この方程式は、あとの項目ほど答えを出すのが難しいという特徴があり、結局どのような数字が答えになるのか、議論を呼ぶところなのだそうです。

大きすぎて分割された星座がある

夜空には大小合わせて88の星座が輝いています。現在もっとも大きい星座は「うみへび座」です。しかし、かつてはそれ以上に大きな星座がありました。それが、アルゴ座です。しかし、あまりにも目立ちすぎたゆえ、4つの星座に分割されてしまいました。

アルゴ座は、ギリシャ神話に登場する英雄イアソン率いる冒険者たちが乗った船「アルゴ号」にちなんだ星座です。アルゴ号には、ヘルクレス座のもとになったヘルクレス、こと座のもとになったオルフェウス、ふたご座のもとになったカストルとポルックスなど、星座になった神話の登場人物たちも乗り込んでいました。彼らは金の羊毛を求めて旅立ち、多くの困難を乗り越え、見事に使命を果たしました。

壮大な冒険物語とともに、アルゴ座は巨大な存在として夜空に輝いていましたが、星座としてはあまりに大きすぎるため、18世紀にフランスの天文学者ラカイユによって、とも座、りゅうこつ座、ほ座、らしんばん座という、それぞれ船のパーツの名がついた星座に分割されてしまいました。

天王星や海王星ではダイヤモンドの雨が降る

太陽系の惑星のうち、外側をまわる天王星と海王星は青く見える美しい星です。これは天王星や海王星の大気にあるメタンが青色以外の光を吸収するためです。そして、天王星と海王星の内部では、高い圧力によって、このメタンが分解されて変質し、ダイヤモンドの結晶になるとされています。

このダイヤモンドは中心核に向かって沈んでいき、その様子は「ダイヤモンドの雨」と呼ばれています。ただし、雨といっても地球の雨とは様子が違い、天王星や海王星の氷の層をゆっくりと沈み込んでいくような現象です。また、天王星と海王星では、海王星の方がダイヤモンドの雨の現象は大規模だそうです。

このダイヤモンドの雨ですが、太陽系の外では海王星や天王星のような巨大な氷の惑星が一般的にみられることから、実は宇宙のあちこちで発生しているかもしれない現象なのだとか。

また、このダイヤモンドの雨は、惑星内部の環境を研究室で再現することにより、地球上でも実証することに成功した研究者がいるそうです。

土星の環は消えることがある

美しい環が特徴的な土星。その環は我々の目には平たい円盤のように見えますが、実際は主に直径10メートルより小さい氷のかたまりが集まって構成されているそうです。

この環の見え方は時期によって実は変化しています。土星は環の傾きを保ったまま、太陽のまわりをおよそ30年かけて一周します。この公転周期の半分にあたる15年に1度、環がほとんど見えなくなる時期があります。

この現象は「環の消失」などといわれます。しかし、実際に環が無くなってしまうわけではなく、この時期は我々が土星の薄い環を真横から見るような位置関係にあたるため、あたかも環が消えてしまったかのようになるのだそうです。

さて、今お話ししたのは周期的に土星の環が見えなくなるということですが、環そのものも、いずれ本当に消滅してしまうと考える研究者もいるそうです。土星の環の将来は、構成する氷のかたまりが供給される量と土星に降り注ぐ量のバランスで決まり、早ければ1億年後にはなくなるといわれています。そう考えると、私たち人類は、ちょうど土星の環が美しく見える時代に栄えているといえますね。

北極星はそのうち変わる

北極星は天の北極近くに輝き、北の方角の目印になる星です。現在はこぐま座のアルファ星が北極星にあたります。この北極星、昔は動かないと考えられていましたが、実は少しずつ動いています。そして、北極星と呼ばれる星も時期によって交代していくのです。

これはなぜかというと、地球は太陽・月・惑星の引力の影響で、地軸がおよそ2万6000年の周期でゆっくりと方向を変えていく「歳差運動」と呼ばれるものを行なっているからです。歳差運動は、例えるなら、回っているコマが首をふるような運動です。そして、北極星というのは、その時代でいちばん天の北極に近い明るい星のことですが、地球の歳差運動の結果、天の北極に近い星も徐々に変わっていくというわけです。

たとえば、今から5000年前にはりゅう座のアルファ星であるツバンが北極星にあたりました。逆に今から12000年後には、おりひめ星として知られること座の1等星ベガが北極星の役割を担うことになります。

NASAの職員を称えるスヌーピーのバッジがある

NASAでは、宇宙飛行士から職員に贈られる「シルバー・スヌーピー賞」という賞があります。これは、有人宇宙飛行ミッションの成功に貢献した職員に与えられるもので、シルバー・スヌーピーとは、純銀でできた、宇宙服を着たスヌーピーをデザインしたバッジのことです。たとえば、装置の性能の向上や、コストの削減など、重要な貢献をした人が授与の対象になります。

シルバー・スヌーピー賞は、NASAが職員のモチベーションの向上につながる取り組みとしてはじめたものです。有人宇宙飛行の番犬になるようなシンボルとして、アメリカで国民的に親しまれているスヌーピーが選ばれました。実際、スヌーピーの生みの親であるチャールズ・シュルツは、宇宙開発の熱心な支持者だったため、バッジなどのデザインを喜んで手がけたそうです。

かくして、NASAの職員にとっては、スヌーピーのバッジを贈られることこそ、安全に大きく貢献した証となり、この上ない名誉となったのです。

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