人間検索エンジン?!
稗田阿礼って何をした人?
突然ですがクイズです。
日本の現存最古の書物は何でしょう?
↓
↓
↓
↓
↓
正解:『古事記』
(ちなみに、現存最古の「物語」は竹取物語。引っかけ問題でよく出ます。)
ところで『古事記』にはどんな内容が書かれているのかはご存じですか?
ざっくり言うと、日本がどうやってできたのか、日本を作った神様がどういった人たちだったのかを紹介(?)したものです。
(放送禁止用語が連発されるので詳細は控えます)
また、日本を作った神様の子孫を天皇とし、天皇が日本国を治めることの正当性を表現した(でっちあげた)書物とも言われます。
そしてこの『古事記』の編纂に携わったのが今回話題の「稗田阿礼(ひえだのあれ)」と、「大安万侶(おおやすのまろ)」という人物です。
現存はしていないのですが、『古事記』よりも前に天皇の系譜を伝えた書物として、『帝紀』と『旧辞』という書物が存在したと言われています。
西暦600年代後半(奈良時代)に、時の天皇・天武天皇がこれまでの天皇の系譜を誤りなく後世に伝えたい!と考えました。
そこで思いついた案は
・当時、とても頭がいいと言われていた稗田阿礼に全文暗記させる
ということでした。
現代からすると予想外の方法です。
(一つに集約するのはいいけれど、突然事故死してしまったらどうするつもりだったのでしょうか。)
稗田阿礼は命令通りこの『帝紀』と『旧辞』を全文暗唱しました。
さらに時は過ぎ、700年頃の元明天皇の時代に、きちんと記録に残そうということになり、内容面をサポートする稗田阿礼と、内容を書き留める筆録者として大安万侶が『古事記』編纂の命令を受けることになりました。
『古事記』は年代順に記録する、歴史年表のような形をしています。
大安万侶「Hey 稗田阿礼、○○天皇について教えて」
稗田阿礼「わかりました。○○天皇についてですね。『帝紀』には△△と書かれており…『旧辞』には▲▲と書かれています」
ということのようです。(ほんとに?)
年代順に「○○天皇について」と言われて、稗田阿礼は暗唱した『帝紀』と『旧辞』から該当箇所を探して大安万侶に伝える作業をしていました。
さながら人間検索エンジン・人間データベースです。
すさまじい。
稗田阿礼の暗記力によって、一つのまとまりになった書物が『古事記』として、現代のわれわれも読める形になって残っています。
ジャンル | ことば・文学 |
---|---|
掲載日時 | 2022/2/28 16:00 |
大阪府出身・在住。
同志社大学文学部国文学科卒業。
現在は予備校で(比較的)新人講師として勤務。
担当ジャンルは【古典文学】
授業では、本編よりも脱線話の方がウケて悲しい反面、過去の自分もそうだったので生徒を責められません。小ネタを収集する日々です。
基本どんなジャンルでも興味あり!
でも、結局言葉(=ことのは)のもつ魅力から逃れられずここまで来てしまいました。
尊敬する人は中2のときからロザンの宇治原さん。好きなことは、得意ジャンルが全く違う同居人とクイズ番組を見ながらやいやい言うこと。
クイズに関するニュースやコラムの他、
クイズ「十種競技」を毎日配信しています。
クイズ好きの方はTwitterでフォローをお願いします。
Follow @quizbang_qbik