よみもの|聞くトリビア(読む編)

クリスマスの雑学
【聞くトリビア 読む編】

日本初のサンタクロースは、殿様の格好をしていた

明治時代の1876年、東京築地の学校で開催されたクリスマスパーティーで日本で初めてサンタクロースが登場しました。

驚くべきはその格好、裃と刀を身に着け、さらにはちょんまげのカツラをかぶるというまさに殿様のような格好でした。しかし当時日本ではサンタクロースについて詳しく知られていなかったので、誰からも突っ込まれることなく、パーティーも盛り上がったそう。

皆さんが知る赤い服を着たサンタクロースが初めて登場するのは大正時代に入ってからのことでした。それまで日本独自のサンタ像が世間を賑わせていたわけです。

 

クリスマスツリーの頂点につけられる星は、キリストが生まれたときに輝いていた星

クリスマスツリーのてっぺんには大きな星が飾られています。これは「ベツレヘムの星」と呼ばれるもので、かつてキリストが、現在のパレスチナ自治区にあるベツレヘムという地で生まれたときに輝いた星をモチーフにしたものです。

『新約聖書』には、この星が光ったことで救世主が誕生したと悟った占星術師たちが、キリストに会うためにベツレヘムに向かったというエピソードが書かれています。このことから、ベツレヘムの星はキリスト誕生のシンボルとして扱われているのです。

あの星は単にきれいだからという理由で飾られていると思う人もいたと思いますが、実は深い意味があって飾られていたというわけです。

 

実はクリスマスは、キリストの誕生日ではない

クリスマスはもともとどんな日?と聞かれると、ほとんどの人はイエス・キリストの誕生日と答えると思いますが、実はそうでないという話があるのです。

というのも聖書の中にキリストが12月25日に生まれたという記載がまったくないのです。一説によると10月ではないかとまで言われているのです。

ではなぜ12月25日が祝われているのかというと、4世紀中頃、古代ローマでは12月のこの時期、様々な宗教で祭りが重なっていたため、キリスト教も何かアピールしないと、と考えた結果、25日にキリスト誕生を祝う日を設けようと、「クリスマス」=「キリストのミサ」、つまりキリストを礼拝する日が誕生したそうです。

 

サンタクロースが住んでいるとされる山がある

ロシアとの国境近くにあるフィンランドの山、コルバトゥントゥリ。実はここはフィンランドでは知らない人がいないという特別な山なのです。

というのも、ここにはサンタクロースが暮らしていると言われているからです。コルバトゥントゥリとはフィンランドの言葉で「耳の山」という意味があります。これは横になった耳の形に似ているからつけられたもので、この耳でサンタが子どもが本当に良い子であるかどうか聞いていると考えられていたことから、サンタの故郷だとされているのです。

とはいえ、サンタが暮らしてる形跡も何もなく、傍から見たらただの山でしかありません。ただ、フィンランドの人にとっては大事な存在として長年言い継がれている山なのです。

 

クリスマス・イブの「イブ」とは、イブニングの略

クリスマス・イブと聞くと、皆さんは12月24日のことを思い浮かべるかもしれませんが、実はこれは正確ではありません。というのも、この「イブ」とは英語で「夜」という意味の「イブニング」を略したもので、正確には「クリスマスの夜」という意味だからです。

では、なぜ24日をクリスマス・イブというのかというと、その昔、日付が変わるのは夜の12時ではなく日が沈んだときだったのです。すなわちクリスマスの日とは24日の日没から25日の日没までを指していました。この間で夜にあたる時間は24日の夜だけです。つまりクリスマスの夜、クリスマス・イブとは24日の夜のことを指していたのです。

しかし、色々とあって現在では12月24日まる一日を言うようです。ただ、ワクワクする時間は長いほうがいいので、もしかしたら24日全体がイブでいいのかもしれません。

 

メキシコでは、3週間クリスマスが祝われる

メキシコは国民の8割がカトリック教徒というキリスト教大国です。なのでクリスマスは大切なイベントとして祝われるのですが、その期間が12月16日から1月6日までと3週間ほど。というのも、この間にメキシコではキリストに関する様々な行事が連続して続くからなのです。

まずは12月16日から9日間かけて行われる「ポサダ」という、キリストの両親が出産の場所を探す旅に出たことに対するお祝いからメキシコのクリスマスは始まります。その後クリスマス・イブ、クリスマス、大晦日、新年と続き、1月6日の「東方の三賢者の日」というキリストが3人の賢者と出会ったことを祝う日で締めくくります。

この間、メキシコでは毎日のようにパーティーが行われ、街は非常に賑わいます。日本とは違うクリスマスの過ごし方、一度は体験してみたいものですね。

 

オーストラリアのサンタクロースは、サーフィンでやってくる

サンタクロースといえばトナカイがひいているソリに乗って現れるというイメージが強いのですが、南半球のオーストラリアではなんとサーフィンに乗ってやって来ます。

というのも、日本ではクリスマスは冬ですが、南半球のオーストラリアは正反対の真夏だからです。そのため、サンタは赤いコートなんてもちろん着ておらず、シャツに短パンというラフな格好をしています。

また、サンタの相棒であるトナカイは、オーストラリアではカンガルーがその役目を担っています。真夏のサンタ、ちょっと見てみたくなりますね。

 

かつて長崎では、クリスマスを「オランダ冬至」と呼んでいた

江戸時代、ご存知の通りキリスト教は信仰することを禁じられていました。しかし、長崎にあったオランダ人居住地・出島では、駐在員たちは裏で隠れて信仰を続けていたのです。

彼らは冬になると「オランダ冬至」というイベントを開いていました。名前だけ聞くと冬至をお祝いするものと思われるかもしれませんが、実際にはクリスマスのお祝いで、時期が近いということから「冬至」という名前を使って隠していたのです。

この日だけは島で不自由な暮らしをしていたオランダ人は楽しくパーティーをして過ごしたそうです。彼らにとってホッとする一時だったのでしょうね。

 

オランダは、年に2回クリスマスがある

クリスマスといえば12月25日、というのが一般常識ですが、オランダではなんと12月の頭にもうひとつクリスマスと呼ばれるイベントがあるのです。

そのイベントとは毎年12月5日の「シンタクラース」というものです。このシンタクラースとはオランダで弱者を助けたとされる司祭・聖ニコラスのことで、彼を称える行事がオランダ各地で開催されます。

この聖ニコラス、実はサンタクロースの起源となったとされる人なのです。この日がもうひとつのクリスマスと呼ばれているのは、これが最大の理由かもしれません。

 

雪の降らないクリスマスをグリーンクリスマスという

雪が降ってロマンチックな雰囲気のクリスマスをホワイトクリスマスと言いますが、逆に雪が降らないクリスマスをグリーンクリスマスと言うのはご存知でしょうか?

これはクリスマスの時期に季節が夏である南半球で言われるようになった言葉で、オーストラリアやニュージーランドなどではクリスマスには樹木が青々と茂っていることから名付けられました。この言葉は後に世界中に伝わり、日本でも雪が降らないクリスマスのことをグリーンクリスマスと呼ぶようになったのです。

実は日本の都市部ではクリスマスに雪が降ることはあまりないそうです。地球温暖化のことを考えると、もしかしたらホワイトクリスマスという言葉は死語になってしまうのかもしれませんね。

 

フィリピンではクリスマスに豚の丸焼きを食べる

クリスマスのディナーといえば七面鳥を思い浮かべる人が多いとは思いますが、それは国によって違うようです。

フィリピンではクリスマスに「レチョン」と呼ばれるブタ一頭を串刺しにして炭火でじっくり焼き上げた丸焼き料理が出されます。パリパリな皮とほどよく柔らかく焼き上がった肉がたまらない一品です。

さすがに家で作るのは難しいようで、専門店などで売ってるものを買って帰る人がほとんどだそうです。値段は1匹まるごとだと、日本円で1万7000円ほどとのこと。食べてみたい人は、クリスマスにフィリピンへどうぞ。

 

『赤鼻のトナカイ』は、百貨店の宣伝から誕生した

クリスマスソングとして有名な『赤鼻のトナカイ』。この歌詞が誕生するきっかけとなったのは、ある百貨店が宣伝のために作った絵本でした。

1939年、当時シカゴにあったモンゴメリー・ワードという百貨店で、無料で絵本を配って宣伝しようというキャンペーンが企画されました。絵本を担当することになったロバート・メイは子どもの頃にいじめられていた記憶をもとにして、光る赤い鼻が特徴的なトナカイの話を書き上げました。それが『赤鼻のトナカイ』だったのです。

この絵本が配られるとたちまち大人気となり、合計600万部ほど配布されました。後にメイのいとこであるジョニー・マークスがこの話をイメージした曲を作り、世界中で大ヒットしたのです。

残念ながらこの百貨店はもう閉店になってしまいましたが、ここから誕生したトナカイは全世界でずっと愛され続けています。

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