よみもの|聞くトリビア(読む編)

テレビが見たくなる雑学【TVに関する雑学集】

フリーアナウンサー大橋俊夫氏による雑学朗読動画の書き起こし記事です。

動画と一緒にお楽しみください。

イランで最高視聴率90%を超えた日本のドラマがある

日本のテレビ番組の歴代最高視聴率は1963年の『第14回NHK紅白歌合戦』で記録した81.4%です。しかしイランではその記録を超える90%以上という視聴率を取った番組があります。しかもそれは日本のテレビドラマでした。

そのドラマは日本で1983年に放送されたNHKの連続テレビ小説『おしん』です。わずか6歳で奉公に出されていじめられながらも成長するおしんの姿が話題となり、当時65%にもなる視聴率を記録しました。その人気を受けて80年代後半から90年代にかけて海外でも放送され、その中でイランでとんでもない人気を博したというわけです。

当時のイランをはじめとするイスラム圏の国は苦労しながらも、経済的にどんどん成長している時期でした。国民たちはどんな苦労にも立ち向かうおしんの姿と重ね合わせて感動していたとか。

この『おしん』好評の効果からか、イランでは親日家が多いそうです。ドラマが、制作された国の印象を決めてしまうこともあるのですね。

『徹子の部屋』のテーマ曲には、歌詞がある

1976年に始まり、放送回数1万回を超えた長寿トーク番組『徹子の部屋』。そのテーマ曲といえば女性のスキャットが続くものとして知られていますが、実はあの曲には歌詞が存在します。

その内容はというと、高い声で歌うときの注意を歌ったもので、ワサビ、カラシ、コショウは控えめにすべきとかタバコは絶対に吸ってはいけないなど、はたから聞いているとふざけたようなものですが、実はこの歌詞、『聖母(マドンナ)たちのララバイ』『北風小僧の寒太郎』といった有名な曲を手掛けた作詞家・山川啓介が作ったものです。

もともとこの曲は黒柳徹子がやっていた即興音楽劇の中で使われたものを作曲家のいずみたくがアレンジして作ったもので、その後『徹子の部屋』が始まるにあたりこの曲をテーマ曲として使おうという話があがり、そのまま使用されるようになったとのこと。

ちなみに番組でも2006年に、その即興劇で共演していた歌手の島田祐子がゲスト出演し、黒柳徹子とともに披露しました。また2011年にもスペシャル番組で歌われたことがあるそうなので、今後ももしかしたら耳にする機会があるかもしれません。

競馬のレーススタート時に聞こえるゲートを開く音は、テレビ用の効果音

競馬中継を見ていて、スタート時のゲートが開く「ガシャン」という音や馬の走る足音を聞いて興奮する人も多いのではないでしょうか。実はこの音、現場である競馬場ではまったく聞くことができません。というのもこれらの音はテレビで流すときに付け加えられたものだからです。

では、なぜこのような音を出すのかというと、まったく音がないとテレビを見ている人が物足りなさを感じるからだそうです。ただでさえテレビは現場の臨場感を味わうことができません。そこで雰囲気が出るような音を出して見ている人を楽しませようという優しさから採用されるようになりました。

また、ゲートが無音で開くと見ている人はいつスタートしたかがよくわからなくなります。そこでスタートの合図としても「ガシャン」という音をつけたそうです。

「天然ボケ」という言葉を作ったのは、萩本欽一

意図せずに人と少しずれた発言で周囲を笑わせたり困惑させたりする人を「天然ボケ」といいますが、これを初めて使ったのはあのコメディアン、萩本欽一でした。

1980年代、萩本欽一は当時、明石家さんまの弟子的存在だったタレント・ジミー大西の他に類のないボケを見て、ものすごい逸材だと思い自らの番組に出演してもらうよう依頼しました。しかしそれまでジミー大西は計算で行動しているものだと思いこんでいた萩本は、セリフなどをちゃんと覚えられないジミーの様子を見て頭を抱え、「彼は天然だね」といって番組を降板させたそうです。

そしてその話を聞いた明石家さんまが、様々な番組でジミーは天然であると言ったところ言葉が独り歩きし「天然ボケ」という言葉になって世間に広まったとのこと。ある種、生みの親が萩本欽一で、育ての親が明石家さんまと言えるかもしれません。

日本初のテレビCMは、放送事故を起こしていた

日本で初めてテレビCMが放送されたのは1953年8月28日、日本初の民放テレビ局・日本テレビが開局した日のことでした。

この日の正午、スポンサー企業である精工舎、現在のセイコーホールディングスの時報を鳴らすCMを放送する予定でした。さらに言えばこのCMが日本初のテレビCMとなるはずでした。

しかし、そのCMを12時に流したところ、職員が機械の操作に失敗しフィルムを逆さまにして放送してしまいました。同時に音が流れる部分も逆だったことからちゃんと音声も流れません。さすがにまずいということで途中で放送をストップさせ、事故として処理しました。日本初のCMは意図せず日本初の放送事故となったわけです。

その後19時に、時間だけ変えた同じCMを改めて流しました。現在ではこちらのほうが日本初のテレビCMとして記録されています。まさか当時のスタッフも最初のCMが日本初の事故として記録に残るとは思っていなかったことでしょう。

秋田県では修学旅行に出かけた学生の安否をテレビで教えてくれる

秋田県でテレビをつけていると中学・高校の修学旅行の様子を伝えてくれるCMが流れることがあります。現在どこどこの高校はどこどこの観光地を巡っていますとか、無事宿泊先に到着しましたなど、事細やかに教えてくれます。

このCMはもともと、初めて外泊する子どもが多くて心配だから、その安否を知らせてほしいという親御さんの要望をきっかけに秋田テレビが1969年頃に放送を始めたそうで、現在も秋田県の民放テレビ局2局が放送を続けています。このCMを流すにあたり、それぞれの学校の学区内にあるスーパーやお店などがスポンサーとなるそうです。

ちなみにこのようなCMは秋田以外にも山梨、長崎などでもやっています。また京都や愛媛でもやっていたのですが、携帯電話の普及などにより終了しているとのこと。確かに携帯があればすべて事足りるのかもしれませんが、何か暖かさを感じるこのCM、ずっと続けてほしいものです。

バーター出演の「バーター」の語源は、日本語の「束」

よくバラエティ番組で「あのタレントはバーターで出演している」という話を聞くことがあります。ある知名度の低い芸能人を売り出すために、有名な芸能人とセットで出演させるという、いわば抱き合わせ商法のようなものです。この「バーター」という言葉、「バーター」という英単語が由来の言葉だと思われるかもしれませんが、実は違います。

この「バーター」。もともとは有名な芸能人と無名な芸能人を「束」で売り出すというとこで「束」という言葉から生まれたものです。昔のテレビ業界では「銀座」のことを「ザギン」、「寿司」のことを「シースー」と逆さに読むことが多かったそうです。そこから「たば」という言葉を逆にして「バーター」という言葉ができました。

ちなみに英語でも「バーター」という言葉がありますが、これは「物々交換」という意味合いで使われることが多いため、テレビ業界の「バーター」とは全然違うものとなっています。

「スーパー戦隊」シリーズで、途中レッド役の役者が交代した作品がある。

子どもたちをはじめ大人たちにも人気の「スーパー戦隊」シリーズ。現在はメンバーが途中で入れ替わるということはまずありませんが、かつて何度か事情で入れ替わることがあったそうです。中でも1981年から放送された『太陽戦隊サンバルカン』はレッドを演じる俳優が入れ替わったという「スーパー戦隊」シリーズ唯一として語り継がれています。

入れ替わった理由はストーリーがマンネリ化してきたのでリフレッシュするためというテレビ局側の都合で、初代レッドを演じていた俳優は台本を見て初めて自分が降板することを知ったそうです。ちなみにストーリーでは初代レッドがパイロットとしての素質が認められNASAに転勤し、二代目レッドが交代するというものでした。

他の作品でもキャストの都合や契約の関係などでメンバー交代を余儀なくされることはありました。見ている子どもたちにしてみれば、今まで応援していたヒーローが突然交代するのだからたまったものではありませんね。

最終回が放送できず、ヒーローが日本を破壊したまま終わった特撮番組があった

1972年、あるヒーロー番組でヒーローが怪獣によって操られてしまい、日本を破壊したまま番組が終了するというとんでもない出来事がありました。

その番組とはTBS系で放送された『アイアンキング』というもので、アイアンキングに変身する霧島五郎と主人公・静弦太郎が、日本の平和を守るために戦うという内容のものでした。

この番組、最終話である25話、26話は前後編に分かれていて、この25話でアイアンキングが怪獣に操られて日本を攻撃しますが、26話で洗脳が解けて怪獣を倒し逆転勝利するという内容でした。しかし、その26話、多くのテレビ局では放送されましたが、テレビ埼玉だけ局の都合で放送しませんでした。そのため埼玉ではアイアンキングが日本を潰した悪者と捉えられていたそうです。

ちなみにこのアイアンキング、ウルトラマンと姿が似ていることから、一部ではウルトラマンが悪者になって日本を破壊したと信じていた人もいたそうです。テレビ局の都合とはいえ、子どもたちにとってはトラウマになったのかもしれません。

雑誌「ザ・テレビジョン」の表紙でレモンを持つことを拒否した人物がいる

テレビ雑誌「週刊ザ・テレビジョン」では、表紙となったタレントが雑誌のシンボルとなっているレモンを手にするというお約束がありますが、実は過去にこのお約束を過去に守らなかった人がいます。それはミュージシャンの長渕剛です。

長渕剛は1991年と1993年に表紙を飾りましたが、その2度ともレモンを持たずに撮影しました。長渕曰く、記憶が定かではないが当時素直じゃなかったためにワガママを言って断ってたのではないか、とのこと。

そのことを反省したのか、2013年の3度目の表紙撮影の際には両手にレモンを持って臨みました。また誌面のインタビューではレモンの入ったかごごと持つほどのサービスぶりを見せました。

『NHKのど自慢』の合格判定は当初、鐘は使われてなかった

NHKで放送されている『のど自慢』では合格か不合格かを鐘の音で伝えますが、実はあの演出は放送が始まってから半年ほどはなかったそうです。

ではどのように伝えていたかというと、司会者が参加者に、合格であれば「合格です」、不合格であれば「結構です」と口頭で伝えていたそうです。しかしこの「結構です」を「けっこうな歌声です」と解釈して合格したと勘違いする人が多かったため、別の手段を考えた結果、現在の鐘で伝えるという形が採用されたそうです。

現在、合格か不合格かの決定は、別室でテレビ画面を通じて審査員が決定し、その結果を鐘の演奏家に伝えて鳴らしてもらっているそうです。ちなみにあの鐘の名前はチューブラーベルと言います。

薬のCMの最後には、必ず「ピンポン」という効果音を流さないといけない

風邪薬などのCMを見ていると、最後に「ピンポン」というチャイムの効果音が鳴って、同時に「『使用上の注意』をよく読んでお使いください」というテロップが表示されます。実はこの「ピンポン」の効果音は必ず流さないといけないと決められています。

これは昭和55年、当時の厚生省が医薬品を宣伝する際には「使用上の注意をよく読むように」という一文を必ず提示しなければならないという通達を出し、それを受けた医薬品業界団体が、CMを流す際にどのようにフレーズを表示するかなどを詳しく決定し、最終的に「ピンポン」という効果音を同時に流すことを決定しました。

ちなみにこの効果音、必ずチャイムを使う必要はないようで、かつて小泉今日子が出演した薬のCMでは小泉今日子自身が口で「ピンポン」と言っていたことがあります。

NHK『みんなのうた』の第1回放送で最初に流された歌は、『おお牧場はみどり』

1961年に放送が始まったNHKの音楽番組『みんなのうた』。テレビから子どもの歌を広げようというコンセプトのもと始まり、現在にいたるまで数百曲もの歌を紹介してきたこの番組。その第1回の放送で紹介された局はチェコの民謡『おお牧場はみどり』でした。

当時まだ白黒だった画面で海外の牧場で馬や牛たちが暮らしている姿をバックに、東京少年合唱隊による歌声が流れるという形で放送されていました。変わったところでは今では歌に合わせて画面下に歌詞が出されるのが普通ですが、このときは最後に1番がもう一度歌われており、その時に画面いっぱいに縦書きで歌詞が表示されていました。

この後、番組は人気を博し、『山口さんちのツトム君』『ぼくはくま』『おしりかじり虫』といったヒット曲も輩出しました。

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