よみもの|聞くトリビア(読む編)

風邪薬に使われていたとある調味料って?/
朗読】いい夢が見られる雑学【聞くトリビア】

秋の夜長にぴったりな朗読雑学動画です。

フリーアナウンサーの大橋俊夫氏による面白雑学の朗読をお楽しみください。


こちらは動画の内容の書き起こし記事です。

音声と一緒にお楽しみください。

実は忍者は手裏剣を、ほとんど使っていなかった

忍者の武器といえば何、と聞かれたら、ほとんどの人は「手裏剣」と答えるのではないでしょうか?敵に向けて投げて突き刺してダメージを与える、そんなシーンをドラマやアニメで見た人も多いはず。実は最近、忍者は手裏剣をほとんど使用していないのではないかという説が出てきて話題となりました。

というのも忍者が手裏剣を攻撃手段として使用した記録が過去の資料から見られなかったからで、これらはのちに小説などで付け加えられた創作のエピソードではないかという話まで出てきています。実際に過去の資料からは、忍者は敵を暗殺するよりも、戦いを未然に防ぐための諜報活動をメインに行っていて、ドラマやアニメで見た忍者の姿とは大きく違うことがわかっています。そして手裏剣は攻撃ではなく、逃げるときに敵を撹乱するために使う道具だったようです。

かっこいい忍者の姿を思い描いていた人にとっては残念かもしれませんが、われわれが思うより忍者は地味な仕事だったようです。

扇風機税という税金があった

戦前の日本では、今では考えられないものに特別な税金がつけられていたようです。そのひとつに扇風機税というものがあります。これは都道府県が制定する地方税の一種で、その額がどれほどかは都道府県によって違いました。多くの都道府県では扇風機1台につきいくらと定めていましたが、一部では扇風機のサイズに応じて税金が設定されていたところもあったそうです。まだエアコンがない当時、冷房というものが贅沢と見なされていたことから、このような税金を課していたようです。

さらに、この扇風機税は地方税で、これとは別に国税として物品税が課せられていました。すなわち二重課税が行われていたわけです。

当時は現代に比べて夏の気温が低かったかもしれませんが、暑さから逃れるために扇風機を使いたいという人に対してこれほどの税金が課せられるという行為は、多くの人々にとって不公平な措置であると受け止められたことでしょう。

七味唐辛子はもともと、風邪薬として発売された

七味唐辛子が誕生したのは江戸時代で、江戸日本橋の薬研堀(やげんぼり)という地で最初に作られました。現在では調味料として一般的に親しまれていますが、当時は手軽に摂れる風邪の予防薬として開発されたものでした。

薬研堀はもともと医者や薬問屋が多く集まっている町で、七味唐辛子を考案したのもそのうちの一軒の薬問屋でした。漢方薬をベースにさまざまな生薬を混ぜて、しかもおいしく味わえるように風味や香りなどをバランスよく調整した結果、おいしくて健康に良いということからたちまち人気商品となりました。さらに当時の江戸では蕎麦が流行しており、蕎麦と七味唐辛子の相性が良いということで話題となったこともヒットの要因のひとつと考えられています。

ちなみに「七味唐辛子(しちみとうがらし)」という名前はもともとは関西特有の呼び方で、江戸では「七色唐辛子(なないろとんがらし)」と呼ばれていました。しかし、地域ごとに呼び方が異なると混乱をまねくということで、業界全体で「七味唐辛子(しちみとうがらし)」に統一させたそうです。

天狗にもランクがある

天狗が魔物であるなら天狗を祀る神社はどうしてご神体にしているのでしょう?どうやら天狗にランクがあり、位が高ければ徳のある天狗、低ければ低いほど悪さをするザコ天狗であるようです。

天狗にもいくつか種類がありますが、やはり一番ランクが高いのは「大天狗」、次いで「カラス天狗」、「木の葉天狗」の順となります。基本的に神社などで祀られているのは赤い顔に高い鼻がトレードマークの山伏装束の「大天狗」です。妖術に優れ、修験道を極め霊山を開山するなど功績ある天狗で、無闇に人間を困らせることはありません。

顔にクチバシ、背中に羽根がある「カラス天狗」や「木の葉天狗」はイタズラや嫌がらせをするタチの悪い天狗です。諸説ありますが、格が上がるとクチバシは長い鼻に変わるともいうので、ザコ天狗はまだまだ修行が足りないということでしょう。

天狗の発祥には2つの説があります。1つは日本神話に登場する猿田彦命(さるたひこのみこと)の姿、2つ目は大昔、“天狗”と呼ばれ、災いをもたらすと恐れられてた流星が地上に落ちて山で修行をする山伏や山の神、妖魔や悪霊と融合し妖怪・天狗となったと言われています。

ピラミッドで発見された3000年前のハチミツは、まったく腐っていなかった

ハチミツは賞味期限が表示されていますが、適切に保存すれば開封後も腐ることがないと言われています。というのもハチミツは糖分が高く、また弱酸性であるため雑菌が繁殖できないからです。賞味期限が書かれているのは日本の法律で表示が義務付けられているからだそうです。

そのことを証拠付けるエピソードとして、エジプトのピラミッドの中からハチミツが発見された話があります。このハチミツ、およそ3000年以上前に作られたものと考えられていますが、ピラミッド内部という暗く涼しい環境で長年保存されていたため、一切腐っておらず、それどころか問題なく食べることもできたそうです。ちなみにそのピラミッドではハチミツが食用というだけでなく、強力な殺菌力からミイラの防腐剤としても使われていたようです。

ただ、3000年以上腐っていなかったのもピラミッド内の環境があったためで、ちゃんと保存しないと腐る可能性もあります。腐らないと楽観的に考えず、適切な保存を心がけることが大切です。

缶詰のみかんの薄皮は、塩酸で溶かしている

缶詰で販売されているみかんは、外の皮はもちろん、中の果肉のすぐ外の薄い皮まですべて取り除かれています。外の皮は機械を使ってむかれていますが、中の皮は下手にむくと果肉を傷つけてしまう可能性があります。ではどのようにしてむいているのでしょうか?実は塩酸を使って皮を溶かしています。

塩酸の溶液と水酸化ナトリウムの溶液の混合液に20分から40分ほどみかんを浸し、その後に水で1時間ほどさらすことで簡単に皮がむけるようになるそうです。

こう聞くと缶詰のみかんを食べると体に害があるのではないかと思うかもしれませんが、食品衛生法で指定されているよりも低い濃度の塩酸を使っており、最後には水にさらしているため、塩酸はまったく残っておらず、体には一切害はありません。むしろ、一般的に流通しているみかんにはさまざまな農薬が塗布されてるため、外の皮をむいているときにそれが手につき、そのまま手を洗わずに食べるほうが危険であるとまで言われています。

塩酸が使われていると聞いて怖いイメージを抱くかもしれませんが、全然安全であるため、安心して缶詰みかんを食べてください。

テントウムシの習性が、人工衛星の技術に取り入れられようとしている

人工衛星はさまざまな最先端の技術が取り入れられています。アンテナを折りたたむ技術もそのひとつで、いかにアンテナを素早くコンパクトに折りたためるかは、技術者にとって大きな課題になっているようです。しかし最近、その課題に対してテントウムシの習性を活用した技術が取り入れられようとしていることで話題となりました。

これは東京大学の研究チームがテントウムシが羽を素早く広げたり収納したり、かつコンパクトにまとめることができるという技術に注目し、そのメカニズムを調査したことにより誕生した技術で、研究チームはこの調査のために人工の羽を作ってテントウムシに移植し、羽が動く過程を詳細に観察して解明したそうです。

この技術、人工衛星のアンテナだけでなく、ミクロなレベルでの医療デバイスの開発や、傘などの日用品にも応用ができるということで注目されています。このようなさまざまな生き物の習性が日常生活に応用されるのはよくある話ですが、特にこのテントウムシの技術については多くの研究者の注目の的になっています。

沖縄県は猛暑日が意外と少ない

今年の夏も外出するのが危険なほど暑い毎日が続きました。1日の最高気温が35℃以上である猛暑日の日数が、昨年を超えた地域も多かったと考えられます。本土でこんな状況だから沖縄県はもっと厳しい暑さなんだろなぁと思いきや、実は2023年8月、沖縄県で猛暑日は1日もありませんでした。もっとも高い日でも34.6℃と下回っています。

この原因として都市部の気温が周囲よりも高くなるヒートアイランド現象が考えられています。沖縄は東京や大阪に比べて人口は少なく、エアコンの室外機や車などによる熱排出も多くありません。またアスファルトやコンクリートに覆われた建物や道路は熱を蓄えやすく、夜になっても気温が下がりにくい原因にもなります。自然が多い沖縄ではこれらが使われている場所が都市部より少ないため、気温が低くなったのではないかと考えられています。

今後地球温暖化が進むと、本土との気温差はより顕著になると予想されます。温暖化では海よりも陸のほうが気温上昇が大きくなるという調査結果が出ており、海に囲まれた沖縄県よりも本土のほうがより温暖化の被害を受けることになりそうです。近い将来、夏になったら沖縄に涼みに行くなんて話が出てくるかもしれません。

世界でもっとも死者が出ている山は、日本にある

世界一遭難者が多い山と聞いてどこの山を思い浮かべるでしょうか。多くの人はエベレストなど、ヒマラヤなどにある高い山を思い浮かべるかもしれませんが、実は群馬・新潟の県境にある谷川岳(たにがわだけ)が世界一です。1931年からの記録によるとその死者数は800人以上、エベレストをはじめとする世界の8000m以上の山、14座の死者数の合計よりも多い数です。このことは「世界一遭難者の多い山」として「ギネス世界記録」にも認定されているほどです。標高1977mとそれほど高くない谷川岳が、なぜそんな危険な山となったのでしょうか。

その理由として天気の変化が非常に激しいことが挙げられます。山の天気は変わりやすいと言いますが、谷川岳は特にそれが顕著で、本州の中央に位置しているため太平洋側と日本海側の両方の気候が影響し、急激な天気の変化が頻繁に起こり、ちょっとでも注意が緩んだ瞬間に事故につながってしまいます。

登山には万全な準備が必要ですが、谷川岳へ行く際は、より入念な下調べをしないといけません。さもないと命を落としかねません。

宇宙の天気を予測する「宇宙天気予報」がある

「宇宙天気予報」というのをご存じでしょうか。国立研究開発法人の情報通信研究機構が発表している予報で、宇宙には晴れや雨、台風などの気象現象は発生しないため、通常の天気予報とは異なりますが、太陽の表面に見られる黒点の数や、フレアと呼ばれる爆発現象の様子といった「宇宙天気」と呼ばれるさまざまな宇宙に関する自然現象の情報を提供しています。

実は、これらの情報は人工衛星の運用者や無線利用者にとっては重要な情報で、黒点が増加したときやフレア発生時には磁気嵐や太陽風といった磁気を帯びた気体の流れが発生しやすくなります。これらが発生すると人工衛星が損傷し、通信障害が発生しやすくなります。これらの被害に対する対策をたてやすくするために、宇宙天気予報が重要視されているというわけです。

専門家の研究によると大規模な太陽嵐が発生すると、地磁気の乱れにより光ファイバーケーブルが故障し、インターネットに壊滅的なダメージが及ぶ可能性があるとされています。宇宙天気予報はその最悪な事態を避ける何かしらのヒントになるということで、今後の運用に期待が高まっています。

コンペイトウという名前の魚がいる

地球上には変わった名前の生き物がたくさんいます。「コンペイトウ」と呼ばれる魚もその一種で、本州より北の日本海沿岸や北海道、カムチャッカ半島の深海に生息しています。

コンペイトウという名前の通り、お菓子のコンペイトウをイメージさせる突起状のイボが全身にあります。体長は最大でも12cmとそれほど大きくなく、非常に可愛らしい見た目をしていますが、肉食性であるため海底の甲殻類や軟体動物を食べるという意外な習性をしています。またお腹には吸盤があるため、海底では普段、海流に流されないように貝殻などに張りついているようです。

そんなコンペイトウですが、深海で動いている姿は見ることができませんが、多くの水族館で飼育されているため、見に行こうと思えば簡単に見にいけるようです。中でも福井県の越前松島水族館では「コンペイトウハウス」と呼ばれる施設があり、稚魚をはじめとするさまざまな成長段階のコンペイトウを見ることができます。もし興味がある方は行ってみてはいかがでしょうか。

ホヤの一種、スボヤの血液には、硫酸が入っている

ホヤの一種にスボヤと呼ばれるものがあります。このスボヤという名前は血を舐めると酸っぱいからという理由でつけられたそうですが、この酸っぱさの原因は血液中に含まれている硫酸です。

この硫酸、酸の強さはペーハー1と胃液と同じぐらいの強さで、ちょっとした鉄の釘だと簡単に溶かすことができるそうです。なぜこんな血液を持っていながら体が大丈夫なのかはわかっていません。おそらく敵に襲われないようにするためにこのような血液になったと考えられますが、正確な理由も判明していません。非常に謎の多いホヤです。

このスボヤ、実は食用として流通していますが、血抜きなどの処理は行われているようで、安心して食べることができます。中にはどれだけ血が酸っぱいか舐めてみたいと思われる人もいるかもしれませんが、そもそも血液中には寄生虫や病原菌が生息している可能性が高いため、少量でも舐めることはオススメしません。

おしどり夫婦の由来となったオシドリの夫婦は、それほど仲良くない

オシドリといえば、仲睦まじい夫婦の形容に使われるだけあって、実際にも夫婦仲が良いと思われるかもしれません。しかし実際のオシドリは決して夫婦仲は良くありません。というのも、オスはメスが子育てしている最中に別のメスを探すために巣を出て行き、新しいメスが見つかると今までの妻と子どもを捨ててしまいます。

オスのオシドリが夫婦という形でいようとするのは繁殖期の時だけで、その間はメスを独占しようと必死になって、いつもメスにくっついて行動するという自分勝手ぶりが目立ちます。実はわれわれが、オシドリは仲睦まじいと思っているのはこのくっついているときの様子を見てのことで、実際はメスが自分勝手なオスに振り回されているだけです。

しかし、メスも決してされるがままで終わりません。オスを選ぶときは外見が整った、いわゆる「イケメン」のオスしか相手にしないようです。というのもそのほうが息子もイケメンに生まれるため、多くのメスに選ばれて自分の遺伝子を残すことができるからです。オシドリは愛情でなく、計算のうえであのような仲睦まじさを演じていたというわけです。

グリコの「ポッキー」。かつてマレーシアでは「ロッキー」という名前だった

グリコのロングセラーチョコレート菓子「ポッキー」。実はマレーシアではかつて「ロッキー」という名前で販売されていました。なぜこのような名前に変更されていたのでしょうか。

1970年代、グリコがマレーシアへの進出に伴い「ポッキー」の販売を検討していました。ところが、その際に現地法人から名前に関してストップがかかりました。というのも「ポッキー」という名前が豚肉を意味する英単語「ポーク」に似てるからです。マレーシアはイスラム教を国の宗教としている国で、イスラム教では豚を食べることは禁じられています。「ポッキー」という名前で店頭に並んでいると、豚肉を使ったものが販売されているかと思われ、問題が発生するのではないかということで、似た名前の「ロッキー」と命名したそうです。

しかし他の東南アジアの国では「ポッキー」という名前で普通に販売されており、イスラム圏の国でも特に売上に影響がないということがわかったため、2014年に「ロッキー」から「ポッキー」へと名前を変更しました。

ちなみに、マレーシアでこの「ロッキー」を見て、「ポッキー」の模倣品が販売されていると誤解していた日本人観光客も多かったそうです。

絵や写真がない、白一色のジグソーパズルがある

普通、ジグソーパズルといえば、絵柄をヒントにしてピースを組み合わせて完成させるものですが、中にはそんな既成概念を壊すとんでもないジグソーパズルがあります。それがミルクパズルと呼ばれる、ヒントとなる絵が一切なく、完成しても一面真っ白という代物です。

ピースの出っ張りとくぼみががいかに噛み合うかということだけをヒントに完成させていくのですが、絵がないため、何をモチベーションにして組み立てていけばいいかわからず、単に集中力と忍耐力が試されるというマニア向けのものとなっています。ただ好きな人にはたまらないらしく、一定数のファンもいるようです。

また、このパズル、宇宙飛行士の選抜試験にも採用されたことがあります。飛行士にとって集中力や忍耐力は必須能力であり、その能力を見極めるのに非常に適しているということでしょう。自分がどこまで集中力、忍耐力があるのかを確かめたい人はぜひ遊んでみてはいかがでしょうか。

昔の人は、ネコの目を時計代わりに見ていた

まだ日本に時計がなかった時代、正確な時間を知ることが当然できなかったため、当時の人々の時間意識は相当曖昧だったようです。そんな中、伊賀や甲賀の忍者たちは独自でだいたいの時間を知る方法を考案し使用していました。それがネコの目を見るというものでした。

目にある瞳孔は光を取り込むため、入ってくる光の量によって大きさが変化します。ネコの瞳孔は縦に長く、どれぐらい光を取り込もうとしてるかわかりやすくなっています。暗い場所だと光をたくさん取り込もうとするため大きく開き円形になり、明るい場所だと取り込みすぎないように針のように細くなります。つまり、日中の太陽の位置や明るさに応じて瞳孔が変化するので、目を見るとだいたいの時間を知ることができるというわけです。

のちにその忍者の猫の目時計は庶民に伝わり、多くの人が時間を確認する手段として使用していたそうです。当時の言葉に「六つ丸く 五七は卵 四つ八つ柿の実にて 九つは針」というものがあります。これはネコの瞳孔の大きさと時間との関連性を言ったもので、この言葉が残るぐらいに人々の間にこの方法が浸透していたということでしょう。

かつて地面に埋めると花が咲く携帯電話があった

2004年、イギリスのウォリック大学の教授が斬新な携帯電話を開発したことで話題となりました。それは土に埋めるとプラスチックカバーが分解され、そこから花が咲くというものです。

これは微生物の働きにより分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水にまで変化する「生分解性プラスチック」を使って作られた携帯電話で、中の電子部品を取り除いて土に埋めると、数週間かけてバクテリアにより分解され、植物が生えてくる仕組みです。ちなみにこの大学教授が開発したものでは、ミニヒマワリの花が咲いたそうです。

この携帯電話の誕生により、環境保護に関心のあるユーザーが購入していくのではないかと期待されましたが、実際にはあまり注目を浴びず、販売されたかどうかも定かではありません。

マダガスカルには、キリンのように首の長い昆虫がいる

マダガスカルにはキリンクビナガオトシブミというカブトムシの一種が生息しています。このカブトムシ、オスが名前の通り非常に長い首を持ったユニークな姿をしていることで一部の昆虫ファンから注目を浴びています。その首は最長25mmで、胸と腹を合わせた部分の2倍以上の長さになります。工事現場で見るクレーン車をイメージするとわかりやすいかもしれません。その奇妙なシルエットは森の中でもひと際目を見張るものがあります。

ただし、この首と思われている部分、実は首ではなく、後頭部と胸の部分が細長く伸びているだけで、実際の首はその付け根にあり、長さもいたって普通で、他の昆虫と同じぐらいとされています。

なぜこのような姿になったのか、頭は何に使われているかは今のところはっきりわかっていませんが、この部分を使ってうまくうなずくことができるオスはメスからモテるとされており、その結果、頭が短い個体が淘汰されていったのではないかいう説もあります。

鉄道の混雑率は、人が見てだいたいで判定している

鉄道会社が発表している列車の混雑率。乗客が新聞を広げて読めると150%、電車が揺れるたびに体が斜めになって身動きができないと250%という目安はありますが、正確なものはどのように出しているかというと、実は各会社がホームから目で見ておおよそ推定するという形で測定しています。

というのも、現在空気バネを搭載した車両でその重さを計算し、人数を把握する試験を行っていますが、現時点で空気バネを搭載している車両としていない車両があるため、現状では一部車両でしか人数が把握できず、完全な混雑率を調査することができないからです。またこの方法は1人当たりの平均体重で人数を計算する形になりますが、もちろん体重には個人差がありますし、人によっては重い荷物を持って乗車している場合もあり、それが考慮されないため、正確な人数は把握できません。

他にもさまざまな方法が検討されていますが、まだ有効な手段が出てこず、結果、各社の社員が目で混雑率を判断する方法が採用されています。もちろん、目で確認しても正確な数字が出るわけでないため、正しい混雑率を把握できる新しい技術が開発されることが期待されています。

119番で救急車を呼んでも、消防車が来ることがある

事故で負傷者が出たり、急病人が出たりしたとき、119番に電話をかけて救急車を呼びますが、たまに救急車だけではなく、火事でもないのに消防車が一緒に来たりすることがあります。これは「PA連携」と呼ばれる、消防車と救急車が連携して出動する隊形で、この「PA」とは、消防車を意味する「Pumper(パンパー)」と、救急車を意味する「Ambulance(アンビュランス)」の英単語の頭文字をとったものです。

この連携は、傷病者が重症で一刻を争う場合や、救急隊だけでは傷病者の救出、搬送が難しいと思われる場合などの緊急事態に取られるもので、命に関わらないケガなどではこのような連携が取られることはありません。

ただ、消防車が来ても役に立たなくはないかと思われるかもしれませんが、消防車にはAEDや応急処置が行える設備が搭載されていて、また救急隊員と同じ資格を持った消防隊員が出動するため、決して足手まといにはなりません。

アメリカのスタバのドリンクサイズ。最大は、およそ1リットル

日本のスターバックスのドリンクサイズでもっとも大きいのはヴェンティの591ml、ペットボトルのサイズよりも大きいため、飲み切るには結構大変だったりしますが、本場アメリカにはそれを超える1リットルに近いサイズが存在します。その名もトレンタというもので、容量は916ml、ちょっとした瓶のお酒と同じぐらいのサイズです。ちなみに人間の胃袋の容量が平均で900mlほどなので、それを超えてしまっています。

さすがに大容量であるため全商品に対応してるわけではなく、アイスティーなど一部のコールドドリンクでしか頼むことはできません。店によってはアイスコーヒーでも注文できるそうですが、カフェインの量が相当なので飲むには覚悟が必要かもしれません。またホットドリンクでのオーダーは残念ながらかないません。

ちなみに「トレンタ」とはイタリア語で「30」という意味があります。これは916mlをオンスの単位にすると30オンスであることから命名されたそうです。

秋田のなまはげには、女のなまはげもいる

秋田の伝統行事、なまはげ。大みそかの夜に鬼の面をつけたなまはげが家々を巡って「泣く子はいねがー!」と子どもを脅かす様子はよくテレビで見られます。そんななまはげですが、実は性別があったというのはご存じでしょうか?

なまはげのお面は大きく2つの種類があります。赤いお面と青いお面です。秋田では赤いお面のなまはげを「爺さんなまはげ」、青いなまはげを「婆さんなまはげ」、そして2対1組で「夫婦(めおと)なまはげ」と呼びます。この夫婦なまはげは常にペアで行動して各家をまわるそうです。また毎年2月に男鹿市の真山(しんざん)神社で開催される「なまはげ柴灯(せど)まつり」では、夫婦なまはげによる「なまはげ踊り」を見ることができます。

ちなみになまはげには他にもさまざまなお面が存在し、木彫りのものや、ブリキ、杉の皮などで作られたものもあり、金色に塗られた派手なお面も見られます。これはなまはげが行われる地域ごとに異なるお面が使われているからとのこと。もしテレビなどでなまはげの様子が流れたときは、その点を注意して見るのも楽しいかもしれません。

現存する日本最古のルイ・ヴィトン商品を購入したのは、板垣退助

1883年、自由民権運動の指導者として知られる板垣退助は、同じく政治家である後藤象二郎(ごとう・しょうじろう)とともに視察のためにフランス・パリを訪れた際、ルイ・ヴィトンでオーダーメイドのトランクを購入しました。時は流れて2017年、板垣退助の子孫が保管していたトランクがパリで購入したものであることが判明、また、調べたところこれが日本に現存するもっとも古いルイ・ヴィトン製品だということがわかりました。

当時の顧客名簿に板垣退助の名前と購入したトランクのシリアルナンバーが記載されていました。そのナンバーと、保管されていたトランクのタグに書かれていた番号が一致、また、それ以前に購入したとされる日本人が当時のトランクを所有していないということから、現存最古のルイ・ヴィトンだと認定されました。当時はおなじみのLとVのモノグラムがまだ誕生する前だったため、一目ではルイ・ヴィトンのものとはわかりませんが、シンプルなストライプ模様はたしかに当時ルイ・ヴィトンが発売していたものでした。

現在、このトランクは高知市にある自由民権記念館に保管されており、特別展示が行われる際には実際に見ることができるようです。

富士山は、明治時代まで女性が登ることは禁止されていた

日本の最高峰で世界文化遺産にも登録されている山、富士山。かつては神々が宿る場所として信仰の対象となっていました。そのため今のように簡単に登山することができず、特に女性は登ることが禁止されていたそうです。

というのも女性が富士山に登ることは修行するものにとって妨げになると考えられていたためで、基本的には2合目にある御室浅間神社(おむろせんげんじんじゃ)まで、特別な修行を行った女性だけが、4合5勺のところにある御座石浅間神社(ございしせんげんじんじゃ)まで登ることが許されていたそうです。

しかし、その禁を破って山頂に登った女性もいました。彼女は高山たつという、尾張名古屋藩で女中として働いていたとされる人物でした。彼女はわざわざ髷を結って男性の格好をして登ったためにバレなかったそうです。富士山登頂後、彼女はその経験を生かし、女性が富士山に登頂できるように尽力しています。結局、女性が自由に富士山に登れるようになったのは1872年、明治5年になってからでした。

ファミリーマートの入店チャイム音と同じ音の家庭用ドアホンチャイムがある

コンビニエンスストア、ファミリーマートの入店チャイムは他のコンビニに比べてメロディアスということで多くの人が印象に残っているのではないでしょうか。実はこのメロディ、家庭用のドアホンチャイムでも同じものが使われているのはご存じでしょうか?

というのも、もともとこのメロディはパナソニック電工が発売している家庭用のドアホンチャイムに使われているもので、そのチャイムをファミリーマートが入店用に採用し各店舗で使用されました。来店者数が多いコンビニで採用され、しかも入るたびにメロディが鳴るということであの音イコールファミリーマートの音というイメージが出来上がり、逆に元祖のドアホンチャイムを使っているほうがファミリーマートを真似していると誤解されるようになったようです。

ちなみにこのメロディ、作曲家の稲田康(いなだ・やすし)さんが作ったもので、『メロディーチャイムNO.1 ニ長調 作品17「大盛況」』というタイトルがつけられています。

鹿児島市には、火山灰用のゴミ袋がある

桜島を有する鹿児島市では、噴火のたびに火山灰に悩まされるそうです。灰が雨と混ざって泥のようになり、排水溝が詰まるといったトラブルも珍しくないとのこと。そんな鹿児島市では一定量の灰が降った場合、市から火山灰用のゴミ袋が無料で提供されます。

これは「克灰袋(こくはいぶくろ)」という黄色いゴミ袋で、市民はこの袋に灰を詰めて、指定された置場に置いておくと、業者が回収してくれます。収集された灰は埋め立てて処分するそうです。この克灰袋はもともとは「降灰袋」という名前でしたが、市民で火山灰を克服しようということから、克服の「克」の字をとって1991年から「克灰袋」と名前が変わったそうです。

また、鹿児島市ではこの克灰袋をモチーフにしたTシャツやトートバッグを発売しています。それだけ克灰袋が鹿児島市民の生活に浸透しているということでしょう。

日本初の駅弁は、おにぎりとたくあんだけだった

日本で初めて駅弁が作られたのは1885年、明治18年のことでした。日本鉄道、現在のJR東日本が大宮と宇都宮の間で路線を開通させた際に宇都宮駅前で旅館を営んでいた白木屋が販売したのが最初と言われています。当時まだ鉄道のスピードは遅く、上野から宇都宮までの所要時間が片道3時間半もかかりました。そんな長時間鉄道に乗り続けるとおなかもすくだろうということで、駅弁の販売を思いついたそうです。

その当時の駅弁は今のようなたくさんのおかずが入っているものではなく、ゴマをまぶしたおにぎり2つとたくあんを竹の皮に包んだだけというシンプルなもので、価格はひとつ5銭、当時そばが1杯1銭だったことを考えると高額でした。しかしそんな値段にもかかわらず大ヒット、それに触発された他の業者も駅弁事業に乗り出し、多くの駅弁が発売されるようになりました。その結果、宇都宮は「駅弁王国」とまで言われるようにいたったそうです。

しかし現在、コンビニ弁当などが発達したことや、乗車時間も短縮されていったため、駅弁事業も衰退しているようです。時代の変化とは言え寂しいものを感じます。

講談社文庫の背表紙の色は、作者が好きな色を選んでつけている

講談社文庫の背表紙には、上部に白地に黒で著者の名前が、下部にはさまざまな色の上に黒で本のタイトルが書かれています。本屋に行ったことがある人ならば、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。このタイトル部分のバックの色は、何かしらのジャンルで使い分けられているかと思いきや、特に基準はなく、本の作者が好きな色を選ぶことができるようです。

現在、この背表紙の色は茶、桃、朱、灰、空、富士、緑、若草、山吹、橙の10色あり、そのうちの1色を作者が選ぶことで背表紙が決まります。

これらの色、かつては「時代小説は灰色」などジャンルごとに色が分けられてましたが、2000年頃からだんだんと作者にお気に入りの色が選べるようになったそうです。

実は、この10色以外にもう一色、藍色の背表紙のものが存在します。ただし、この色は海外の作家による翻訳ミステリー作品専用の色であるため、日本の作家が選ぶことはできません。

大分県のJR、重岡(しげおか)駅の下りの終電が出るのは、朝6時台

普通、最終電車といえば多くの人は深夜に運行されるものというイメージするかもしれませんが、大分県にあるJR日豊(にっぽう)本線の重岡駅の下り、延岡方面の最終電車の発車時刻はなんと朝の6時47分。この駅は日本で一番最終電車が早く出発する駅なのです。

一方、上りの佐伯(さいき)・大分方面のほうはというと、6時47分、18時21分、20時43分発とこちらは3本しかなく、日中はまったく列車が止まりません。どちらも逃してしまうと大変なことになってしまいます。

というのも、この駅は利用者数が10人ほど。近くの集落の人はこの駅ではなく豊肥(ほうひ)本線の三重町(みえまち)駅をメインに利用するからこんな運行状況になっています。重岡駅をおもに利用するのは延岡方面に学校がある学生たちだそうで、6時台の延岡方面行きで学校に向かい、18時台着の大分方面行きで帰ってきます。そのため、こんな発着時間になっているというわけです。

この重岡駅と北延岡駅の間の日豊本線の上り区間では1日が1本しか電車が運行されていません。そのためほとんどの駅で朝の6時、7時台に終電がなくなるそうです。

「明治」という元号は、くじ引きで決まった

令和から数えて4つ前の元号、明治。1867年に江戸幕府が倒れ、天皇を中心とした新政府が発足したことから改元が行われ使われるようになりました。新しい元号を決めるにあたり、さぞかし入念な会議が行われたことであろうと思いきや、実際にはくじ引きによって選ばれたそうです。

というのも日本では神の意思を問う神事としてくじ引きが行われており、実際に室町幕府の将軍にはくじ引きで選出された人もいます。その考えのもと、新しい時代を迎える日本の元号は神のおぼしめしを問うくじ引きによって決めようというアイデアが採用されたようです。

さまざまな元号案から選び出された3つの中から、明治天皇が皇居内でくじ引きを行い、その結果、「明治」が新元号に選ばれました。その後の日本は急速な近代化が進み発展していきます。もしくじ引きが行われず別の元号が選ばれていたら、違った未来が待っていたかもしれません。ちなみに、くじ引きで元号が選ばれたのはこれが最初で最後の例です。

靖国神社には、かつて競馬場があった

多くの参拝者が訪れる東京千代田区の靖国神社、ここはもともと1869年、明治2年に幕末の尊王攘夷運動で倒れた志士たちを弔う「東京招魂社(しょうこんしゃ)」として創建された神社でした。明治時代から多くの国民が参拝していたことから、お祭りでは相撲の興業が行われるなど、当時の娯楽が集まる場としても人気でした。そんな娯楽のひとつとして1870年からなんと競馬が開催されていたそうです。

参道の両脇に柵を巡らせて、その両端を結ぶ形で楕円形の1周900mのコースを作って、馬たちを競わせていました。これが日本人の運営による初の洋式競馬であったことから、物珍しさもあり、多くの人々が見物に集まったそうです。

しかし、1898年、突如競馬が中止となり、競馬場も撤去されることとなりました。なぜ廃止になったかというと、コースがあまりにも狭く、レースを行うには危険であると判断されたからです。

後に競馬場は撤去され、現在その地は靖国神社の駐車場となっており、当時の面影は一切ありません。

新幹線ののぞみは、かつて名古屋を通過していた

現在、東京と新大阪を結ぶ東海道新幹線「のぞみ」は、品川、新横浜、名古屋、京都に停車して、最速2時間22分で走り抜けます。しかし、のぞみがデビューした1992年3月、1日1本早朝に走る列車だけですが、名古屋と京都を通過していました。これは早朝の時間帯に線路の地盤を固める必要があるため、通常よりもスピードを抑える必要がありました。そうなると当時のぞみの売りであった東京と新大阪間を2時間30分で結ぶことができません。そこで苦肉の策で名古屋と京都を通過するという措置を取ったわけです。

これに対し、京都駅はそれほど問題にならなかったものの、名古屋駅では政治家や財界、メディアが大騒ぎし、停車するようにJR東海に要請しましたが、ひとつの駅に停車することで時間がかなりロスしてしまうなどの理由で拒否し、そのまま運行を続けました。

しかし、1997年に地盤を安定させるための作業車両が導入され、早朝の速度制限が解消されたことから、名古屋、京都の両駅にすべてののぞみが停車するようになりました。ただ、この一件は当時の名古屋の財界やメディアなどに大きな遺恨を残したと言われています。

江戸時代にあった「音消しの壷」が消していたのは、トイレの音

「音姫」などに代表されるトイレで排泄音を水の音などで消してくれる擬音装置。誕生したのは1979年のことでした。しかし、江戸時代にこの「音姫」と同じ役目を果たす装置がすでに置かれていたそうです。

その名も「音消しの壺」と呼ばれる、栓がついた直径40cmほどの壺で、水を入れておき、トイレに行った際にその壺の栓を抜いて水が流れる音で排泄の音を隠していました。また終わった後はその壺にたまった水で手を洗っていたとも言われています。基本、身分の高い人しか使えなかったそうで、お城や身分が高い人が宿泊する宿ぐらいにしか置かれなかったようで、使う際は近くにいた付き人が栓を抜いていたそうです。

そんな音消しの壺ですが、江戸が終わるとしばらく使われることはありませんでした。というのも明治に入ってからはトイレは住居とは別の離れに作られることが多かったのが大きな理由のようです。そして1979年になって、ようやく音を流す装置が誕生したわけです。

当初この装置が誕生した理由は、女性の恥ずかしい思いを解消するためというよりも、排泄音を隠すために水を流すことを防ぎ、水を節約するためというのが大きかったようです。

「毛蟹(けがに)」という名前の烏龍茶がある

中国福建省の南部で産出されている烏龍茶の一種に「毛蟹」という変わった名前のものがあります。濃い緑色をした産毛がある茶葉が特徴的なお茶で、飲みやすく、爽やかな柑橘系の香りがするのが楽しめます。また中国では鉄観音、黄金桂(おうごんけい)、本山(もとやま)とともに安渓(あんけい)四大銘茶のひとつにも数えられている人気のお茶です。

なぜこのような変わった名前がつけられたかというと、栽培しているときに茶の木の枝が横へ伸びていくため、まるでカニの足みたいであるということと、茶葉の周辺がギザギザでさらに小さな産毛が生えているところがケガニみたいだというところからだと考えられています。

この「毛蟹」、台湾や東南アジア、そして日本に輸出されており、日本でもネットなどを通じて購入できます。名前だけ聞くと飲むのに勇気が必要かもしれませんが、一度試してみてはいかがでしょうか。

フルマラソンのコースの多くは、42.195キロよりも長い

フルマラソンといえば42.195kmといった中途半端な距離を走ります。これは第4回ロンドンオリンピックでもともと42kmという距離で設定していたものを、当時の王女だったアレキサンドラがゴールを目前で見たいという注文をしたため、無理やり195m伸ばして42.195kmにしたのが公式の距離として採用されたからだそうです。

現在、世界のさまざまな所でマラソン大会が開催されていますが、果たしてすべての大会でちゃんと42.195kmという距離を正確に測れているのでしょうか。実はどのマラソン大会でもわざと少しだけ長めの距離をとっているそうです。

というのも、世界陸連のルールでは、コースを再測定したとき、距離が少しでも不足している記録が認められません。認められるのは42.195kmの0.1%プラスまで誤差がある場合、すなわち42m長い場合までです。短かったら認められません。もし42.195kmギリギリので大会を行った場合、どうしても距離がショートする可能性が高まります。そこでわざと余裕をもって少し長めの距離にしています。

韓国には、地雷原に囲まれたゴルフコースがある

過去に雑誌などで「世界でもっとも危険なゴルフコース」と紹介されたゴルフコースが韓国に存在します。その名も「パンムンジョムゴルフコース」で、なんと朝鮮半島の北緯38度線近く、すなわち北朝鮮の国境付近にある国連軍の軍事基地「キャンプ・ボニファス」内に作られたパー3のホール1つだけのゴルフコースです。

このコースの何が恐ろしいかというと、周囲を地雷原に囲まれているということです。コース内の看板には「ラフには地雷が埋まっているため、ボールを探すことができません」と注意書きが書かれています。グリーンかフェアウェイにボールがなければ即座に打ち直しというとんでもないホールです。実際に過去プレイ中にボールが地雷にあたり爆発したこともあるそうです。

こんなホール、誰が遊びに来るんだと思いきや、過去にはプロゴルファーのポーラー・クリーマーとなどの選手がプレイしているとのこと。そこまでしてゴルフを楽しみたいものかと思わせるコースです。

香川には、うどんの茹で汁を捨てるための排水処理施設がある

讃岐うどんでおなじみの香川県では、うどんの茹で汁の処理に関する大きな問題が発生してています。うどんの茹で汁は水質汚染の度合いを示すCOD(化学的酸素要求量)が1リットルあたり1000mgと一般家庭の排水の約10倍の濃度があり、このまま排出を続けると環境汚染が深刻化してしまいます。そのため香川県はそれを防ごうと条例で廃水処理を義務付けるなど、積極的な取り組みを行っています。

そこで香川県内のある企業が開発したのが「高濃度うどん排水処理施設」です。この施設は薬品を一切使わず微生物を活用して、うどんの茹で汁を浄化して処理することができます。現在、香川県内ではこの設備が50件以上設置されています。この設備の設置により排水問題が軽減し、悪臭も発生しなくなり、近隣の住民からの苦情も減少したと報告されています。

また、うどん店以外にも食肉加工工場やお菓子製造工場などの食品に関する工場からの設置依頼があり、環境問題を意識した企業から強い関心が向けられています。

悔しいときの涙と悲しいときの涙は、味が違う

眼球に潤いを与えるだけでなく、ものを見やすくしたり、抗菌の作用など、涙にはさまざまな役目があります。もちろん、感情の表れとしても涙が自然とあふれることがあります。嬉しいときや悲しいとき、感情が揺さぶられて思わず泣いたという経験は誰にでもあるはずです。ところで、嬉しいときの涙と悲しいときの涙、実は味が少し違うというのはご存じでしょうか。

これはそれぞれの涙が出るときに異なる神経が働いているからで、悔しいときは交感神経が働き、涙は塩辛くてしょっぱい味がして、嬉しいときは副交感神経が働き、水っぽくて少し甘い味がします。涙を流したときに余裕があれば、ぜひその味を確かめてみてください。

ちなみに、悲しいときの涙には、ストレスを受けたときに分泌される「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが含まれており、一緒に外に出してくれます。つまり悲しい涙は流すとストレスが発散されます。泣いた後に気持ちがスッキリするのはこのせいです。一方、嬉しいときの涙は気持ちを落ち着かせるリラックス効果があると言われています。

選挙の投票用紙は、プラスチックからできている

国会議員や地方議員などの選挙で使用される投票用紙、スベスベとした手触りと書き心地の良さがたまらないという人もいるのではないでしょうか。そんな投票用紙ですが、実は原料は紙ではありません。ポリプロピレンというプラスチックの一種と無機充填材(むきじゅうてんざい)という天然の鉱物を主原料として作られた「ユポ」という合成紙です。

ポリプロピレンと無機充填材を混ぜて熱で溶かし、紙のように薄くなるまで引き伸ばして作られています。紙ではないため、書き味も滑らかでひっかかりも少なく、また表面には目に見えない無数の穴があいているため、鉛筆の黒鉛などがその穴に入り込み、美しい黒い線を表現できます。

さらに、ユポには折り曲げにくいという特徴もあります。たとえ折り曲げて投票箱に入れても、中ですぐにもとに戻ります。これにより、開票するときに折り曲がった投票用紙を職員がいちいち広げる必要がないため、その分スピーディーに結果を導き出すことができます。ユポは職員にとって非常にありがたい存在なのです。

カンガルーがいつ誕生日を迎えるかは、動物園によって違う

実はカンガルーがいつ生まれたかというのを動物園の飼育員が確認するのは非常に難しいものがあります。というのもカンガルーの赤ちゃんは生み落とされた後、すぐ育児嚢(いくじのう)と呼ばれるお母さんのお腹にあるポケットに入り込むからです。そのため、カンガルーの赤ちゃんの誕生日の決め方はそれぞれの動物園によって異なるようです。

たとえば上野動物園では赤ちゃんが母親の袋から全身を出した日、多摩動物公園では赤ちゃんが袋から全身を外に出し、さらに地面に降り立った日を誕生日にしています。他にもポケットから顔を出した日を誕生日にする動物園もあるそうです。通常、ポケットから顔を出すのは生後5カ月ぐらい、すなわち、実際に生まれた日から5カ月以上ものズレが生じる場合もあるようです。

ちなみに、生まれたてのカンガルーは超未熟児で、体長もわずか1、2cmほど。色もピンクでまだ毛も生えていません。そんな小さい赤ちゃんが自分の力だけでポケットまでよじ登るわけです。生命の神秘を感じずにはいられません。

ファミリーレストラン、サイゼリヤのキッチンには、包丁が置かれていない

ファミリーレストランのサイゼリヤ。低価格でおいしいイタリア料理が食べられることで人気です。そのサイゼリヤのキッチンには、普通のレストランのキッチンには必ず置かれているものがありません。それは何かと言えば、包丁です。

これはサイゼリヤの調理システムによるもので、出される料理すべて専門の工場で完成直前まで作られており、キッチンでは最後の盛り付け程度しか行いません。そうすることでキッチンを最低限の人数で回すことができますし、未経験のスタッフでも短期間研修をするだけでキッチンを担当させることもできます。そして店によって味が違うといったことも起こりません。非常に合理的なシステムとなっています。このシステムを採用している以上、包丁などといった調理器具は必要がない、ということで置かれていないというわけです。

サイゼリヤがあの価格の安さで長年営業を続けられているのは、こういうコスト削減のためのさまざまな工夫が取り入れられているからだと思われます。

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