『木花咲耶姫』大神ゼウス君の世界神話教室
女神のコトならワシに聞け! 第17話
日本神話 木花咲耶姫~花の命は短くて~
世界各地の神々の物語“神話”。時代も文化も違うにも関わらず、どんな神話にも何故かよく似たストーリー、よく似た教訓を残しているものも多くあります。神様は意外と人間臭い。特に女神をみれば神々の“性質”がよくわかります。世界中の神話から女神1柱をPICK UP!
ナビゲーターはギリシャ神話の神の長にして、女性には百戦錬磨の大神ゼウス!数々の女神の物語から神話の世界を覗いてみましょう。
今回は日本神話で最も美しい女神「木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)」です。
最初にクイズです!
Q1 木花咲耶姫と共に天孫に嫁いだ姉のイワナガ姫が即離縁されたわけは?
a. 不倫 b 実は男 c. 不細工
*答えはこのゼウス君の神話教室にあるよ!
ゼウス:美人大好きゼウスだよ~。今回は日本神話一の美女・木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)だ。彼女の名前はあの「桜」の語源にもなっている。彼女は天照大御神の孫・瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の奥さん。神の国で美しい女神に囲まれて育った瓊瓊杵尊が一目惚れする程だから相当レベチ~!な美女だったんだな。
瓊瓊杵尊に求婚された木花咲耶姫の父・大山祇命(オオヤマツミノカミ)は「今ならもれなくぅ~」と木花咲耶姫と共に姉である石長比売(イワナガヒメ)も嫁がせた。それは大山祇命が通販好きだったからでも、姉姫の嫁ぎ先に困っていたのでもなく“花を娶れば栄えるが花のごとく儚い命となる、だが、岩も娶ればその命は岩のように強く永遠となる”そのため姉妹1セットで天孫に繁栄と不死の双方を送ったつもりだった。しかし、そんな事とはつゆ知らずの瓊瓊杵尊は石長比売だけ即日クーリングオフ。だって、チョ~不細工だったんだもの。
木花咲耶姫と夫婦となった翌朝から戦に赴き、暫く離れ離れの生活となった瓊瓊杵尊は、なんとか戦を平定し久しぶりに愛しの木花咲耶姫の元に戻ってビックリ!なんと木花咲耶姫が妊娠しているじゃないの。思わず「ホントに俺の子?」って言っちゃった。ニニギ君それはヤバイって、一夜とはいえ身に覚えがあるだろう?
これには穏やかな木花咲耶姫もキレるって。産気付いた彼女は自ら産屋に火を放ち「無事に生まれれば神である貴方の子である証よ!」と燃え盛る炎の中、男児3人を命がけで出産し、自らの潔白を証明した。後に、この3兄弟の1柱の孫が初代・神武天皇になる。とはいえ、神の子孫の天皇といえども寿命がある、それは先祖である瓊瓊杵尊が石長比売をチョ~不細工だからと追い返し永遠の命を得られなかったからだ。
そういえば、世界中でも人間に寿命に関わる伝承は男と女に纏わるものが多い。また近々紹介するよ。
…というわけで、冒頭のクイズの答えは「c.不細工」でした!
石長比売も不憫だが、木花咲耶姫も嫁いで早々、夫のおかげでご苦労だったなぁ。
まさに、厳しい冬を乗り越えて春の日差しに芽吹く桜の花のように、清く正しく美しく、気丈で健気に咲き誇る女神だね。
ジャンル | エンタメ・カルチャー |
---|---|
掲載日時 | 2023/5/29 16:00 |
タグ | 木花咲耶姫 |
本業はTV番組・イベントなどキャスティングP
音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。
仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に
巡り合ううちに“不思議なモノ”や“目に見えぬものが”大好物に!
それらを伝えていこうと執筆している。
得意ジャンルは神話、伝承、歴史、天文、色彩、スピリチュアル、どうでもいい雑学。
趣味はイラストレーション、読書。
クイズに関するニュースやコラムの他、
クイズ「十種競技」を毎日配信しています。
クイズ好きの方はTwitterでフォローをお願いします。
Follow @quizbang_qbik