星空散歩～夜空の地図と星々の記憶～　vol.03
【しし座】

遥か古の時代から世界各地の人々がそれぞれに夜空を見上げ無数に輝く星と星を結び神や英雄、伝説の妖獣、動物などに見立て物語を紡いでいました。

現在は1922年に国際天文学連合が定めた世界共通の88の星座が宇宙の地図を作っています。

どんな星座にも物語があります。星の物語をお話ししましょう。

☆しし座☆

＜しし座はどこにある？＞

獅子座は春の星座です。見ごろは３月～４月下旬頃に南の空に昇っています。シンボルは獅子の心臓に当たる一等星レグルス。そして、その東に獅子の尻尾に当たる二等星デネボラまでの間の小さな星が反転した「？」を描くように並んでいます。ほぼこれが獅子の胴体です。都心では見つけ辛いですがレグルスの上に獅子の頭があります。ちなみに、付近にある一等星のうしかい座のアルクトゥールス、おとめ座のスピカと獅子座のデネボラが「春の大三角」と呼ばれています。

また、毎年11月中旬には獅子座流星群も最大日を迎えます。この頃には獅子座は東北東から昇ってきます。

 

＜人食い獅子の物語＞

獅子座はその名の通りいわゆるライオンです。ただ、単なる獅子ではなく怪物の子。しかも人食いというタチの悪い怪物です。ネメアの森という密林に住んでいて、多くの被害を出していたので腕に覚えある自称勇者が何人も獅子退治に森へ入りましたが、ほぼほぼ戻って来た者はありません。

 

そこへ12の試練を果たさなくてはならない超ワケアリの勇者ヘラクレスが最初の試練としてこの獅子退治に挑みます。

いざ、ネメアの森へ！ヘラクレスの武器は弓矢と落ちてた丈夫そうな固い木で作ったこん棒のみ。なかなかチャレンジャーです。

森の奥まで進むと怪しげな穴を発見。きっとヤツはいると踏んだヘラクレスは、あえてここでランチ休憩にします。そう、弁当の匂いでおびき寄せ作戦を決行。

 

獅子にとって美味しいそうなのは弁当よりヘラクレス、貴方です。人の気配を感じノソっと穴から出てきた獅子にヘラクレスは素早く弓をひきます。

ビヨ～ン！！！　…ポテッ⤵

「ありゃ！」

なんと！弓なんて全然効かないじゃありませんか。獅子は化け物ですから皮はハンパなく象より固い。矢じり潰れてるし！

獅子はヘラクレス目掛け突進してきます。こうなったら、もう体術で応戦するしかありません。とはいえ、そこらの獅子ではなく怪物ですから、どんな技をかけてもあまり効きません。猛反撃をくらいヘラクレスは大ピンチ！しかし、どんな怪物とて弱点はあるはず。ヘラクレスはイチかバチか木のこん棒で獅子の頭をガツンと一発殴ってみました。案の定、とんだ石頭！こん棒は真っ二つです。

けれど、さすがの獅子も脳天ガツンは効きました。一瞬フラッなったところにヘラクレスはタックルをかけ獅子の首根っこを押さえ締め上げます。獅子がどんなに抵抗し暴れようと一度掴んだ首は絶対に離さず、振り回されながらも三日三晩首を絞め続け、とうとう人食い獅子を仕留めたのです。

そして獅子の首をザックリ切り落とし皮を剥ぎ証拠として持ち帰り、多少獣臭こそ残っていますがmy兜とmyマントにして次の試練へと旅立って行きました。

 

その様子を観戦していたヘラクレスを目の敵にする大神ゼウスの妻ヘラは

「もう～ダメ猫ね！でもヘラクレスを苦しめてくれたから空に上げてあげるわ」と、この人食い獅子を星座にしたのです。

 

 

星占いでは獅子座は7月23日～8月22日生まれの人です。

負けず嫌いでプライドが高く、粘り強い性質を持つといいます。それはネメアの森の獅子に通じるところがあります。

獅子座生まれとは太陽が獅子座を通過する期間です。どの誕生星座にも共通しますが実際に見頃となるシーズンは誕生星座より3～4か月程度前になります。