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星空散歩~夜空の地図と星々の記憶~
vol.01【蟹座】

遥か古の時代から世界各地の人々がそれぞれに夜空を見上げ無数に輝く星と星を結び神や英雄、伝説の妖獣、動物などに見立て物語を紡いでいました。

1922年、国際天文学連合が世界中の星座を集め、その中から世界共通の88の星座を定め宇宙の地図を作りました。

どんな星座にも物語があります。星の物語をお話ししましょう。

☆蟹座☆

<かに座はどこにある?>

日本では3月下旬から4月上旬頃、かに座はちょうど南の空に昇っています。

1等星もなく特徴的な星の並びではありませんが、ふたご座の「ポルックス」、しし座の「レグルス」という大きく輝く1等星の間、視力が良い人なら肉眼でもぼんやり雲のように見える小さな星の集まりがあります。これがかに座のシンボルであるプレセペ星団、カニ座のほぼ中心です。この星団を囲むように控え目な4つの星が作る少し歪な四角形がカニの甲羅を象っています。

 

<カニ物語>

カニ座は美しく清らかなレルネの泉に住んでいた1匹の勇敢(?)な大蟹の姿です。かに座は北極星を挟んだ向こう側にあるヘラクレス座に深い関わりがあります。

 

レルネの泉には9つの首を持つヒュドラという怪物も住んでいました。人にとってはとても厄介な怪物でも、レルネに住む生物たちにとっては平和な泉の用心棒です。ところが、とうとうヘラクレスがヒュドラ退治にやってきちゃったのです。大男VS怪物の戦いはなかなか決着はつきません。だって、ヘラクレスはオニ強なんですもの。大蟹にとってヒュドラは友達って程ではなくとも、まぁ好意的に恩義も感じていたので苦戦するヒュドラに少しは加勢したいと思いましたが、ヘラクレスにしたら自分など沢蟹同然、歯が立つわけないじゃないですか!岩場の陰からただ見守ることしか出来ません。

 

この大蟹の名はカルキノス。カルキノスとは、そのまんま「カニ」という意味です

そんな律儀者のカルキノスに目をつけたのが神の王ゼウスの妻ヘラでした。ヘラクレスはゼウスが人間の女に産ませた子、ヘラは目の敵にしていたのです。

「ちょっと、そこのカニ!ヒュドラに世話になったんでしょ?助けておやり!」

「ええっ!あ…仰せの通りでございます。カルキノス行っきまーす!」と、言うしかありません。だってヘラに逆らったら即、煮えたぎった鍋にドボンです。

「そんな殺生な…何とかヘラクレスに隙を作りヒュドラにチャンスを…」

カルキノスは少ないカニ味噌をフル回転して考えます。そういえば、人間は箪笥の角に足の小指をぶつけたら目が飛び出る程痛いという噂話を思い出しました。

「ヘラクレスの小指をこのハサミでチョキンとな、これで行こう!」

カルキノスは岩陰に隠れながらソロリ、ソロ~リとヘラクレスの足元に近づきます。

もうちょっとでヘラクレスの足!あと少し、あと少し…タイミングを見て~

『ベシっ!!』

…ヘラクレスの足にハサミを突き立てた、のではありません。カルキノス自身がベシっ!です。

そう、一瞬でヘラクレスに踏まれカニ汁がぶしゃ~ってコトです。

 

「あら大変、カニぺったんこ…もう、役に立たずね!でも、その気持ちに免じて空に上げてあげるわ」

ヘラの気まぐれは有難いといえば、有難いですが、なんかもう…あんまりです。情けないというか無念というか…。

 

カルキノスの魂はゆっくりと空に昇りながら薄れゆく意識の中で呟きます。

「今度生まれるときは大蟹でなくていい、小さくても役立つ人気者のカニになろう。ズワイ、花咲、毛…タラバはヤドカリだから…ちょっとな」

 

かに座は黄道12星座でなければ、こんなにも有名でなかったかもしれません。星占いでは6/22~7/22に生まれた人をかにざ座としています。かに座の人は優しく世話好きで困っている人を見捨てられない性質を持つといいます。

かに座になったカルキノスの面影も感じられます。

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放送作家 キャスティングプロデューサー
南鰻衣ルカ

本業はTV番組・イベントなどキャスティングP

音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。

仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に

巡り合ううちに“不思議なモノ”や“目に見えぬものが”大好物に!

それらを伝えていこうと執筆している。

得意ジャンルは神話、伝承、歴史、天文、色彩、スピリチュアル、どうでもいい雑学。

趣味はイラストレーション、読書。

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