あやかし、もののけ、ホントにいるの?
~お盆とお彼岸、あやかしは現れやすいのか?~
地球・あやかし紀行
不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。
今回は“あやかしさん”が出やすい時期はいつ?「お盆と彼岸」についてです。
お盆とお彼岸…どちらも亡くなった人を忍ぶ風習です。お盆は亡くなった人があの世から家族の元に帰ってくる期間。お彼岸はあの世とこの世が一番近くなる期間と言われています。この時期は幽霊やあやかしに遭遇しやすいのでしょうか?お盆とお彼岸について解説します。
- お盆
お盆の正式名称は仏教用語で「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言います。期間は地域や家庭によって様々ですが一般的には8/13~8/16、東京や一部の地域では7/13~7/16、旧暦と新暦のどちらで行うかの違いです。また、9月中旬に行っているところもあります。
お盆が夏なのは僧侶の夏の修行に関連しています。釈迦の弟子の1人が、厳しい夏の修行を終えた僧侶たちを慰労し心からの誠意でもてなしたため、その功績が認められ地獄に落ちてしまった母を救う事が出来たという話に由来しているそうです。
亡くなった人はお盆に何をしに家族の元に帰って来るか?それは、生きている私たちの帰省とほぼ同じ。久しぶりに家族や子孫の顔を見て一緒に団らんを楽しんでいるのです。決して脅かしたり喝を入れたり、誰かを迎えに来るわけではありません。まぁ、時として、そんな魂もいないとも限りませんが。
亡くなった人は少しでも早く家族に会うため足の速いキュウリの精霊馬(しょうりょううま)に乗って帰宅し、戻る時はお供えされたお土産もたくさん持って帰るため力強いナスの精霊牛(しょうりょううし)に乗り楽しい余韻に浸りながらゆっくり帰ります。
- お彼岸
あの世を彼岸、この世を此岸(しがん)と言います。お彼岸は太陽が真東から昇り真西に沈み、彼岸はあの世とこの世が一番近い日とされています。お彼岸は年に2回、春の彼岸は春分の日を中心に前後3日間、秋の彼岸は秋分の日を中心に前後3日間それぞれ7日間ずつです。彼岸には煩悩がない“極楽浄土”があると信じられています。煩悩だらけの此岸にいる我々は、彼岸が一番近いお彼岸に墓や仏壇を整え、手を合わせ先祖の霊を忍び感謝し、煩悩まみれの自分を見直し改める期間です。彼岸が近いからと言ってお盆のように故人が帰省してくるのとは少し違いますが、近いだけにあの世から何かメッセージがあるかもしれません。
亡き人が現世に戻るという点ではお彼岸よりお盆の方が“あやかしさん”に遭遇しやすいのかもしれません。
お盆があの世の帰省シーズンならば、すでに家もなく子孫も絶えお墓もないという魂もいるはずです。縁者はないけど旅行気分でやってくる魂、生前の想い出の場所を巡る魂がいても不思議はありません。
お盆に帰る場所がない魂や未練を残した魂は人の集まる海や山に集い、水辺で人を引き込み山では神隠しをして生者をあの世へ連れていく、そんな言い伝えもあります。今も昔も夏はレジャーシーズンで気が緩みがちです。水難事故や山岳事故が防止のための戒めでもあります。恐ろしい悪さをする魂がいたとしても、久しぶりに此岸を楽しみ縁者を見守る善良な魂には全く迷惑な話です。
お盆もお彼岸と仏教や日本古来の祖霊信仰が融合したもの。あくまでも日本の仏教上の行事で宗派によっても形は異なります。当然、全世界共通ではありません。けれど、宗教を問わずお盆やお彼岸を機に、お墓参りに行ったり故人を偲んで想い出話に花を咲かせる…それはそれで、亡き人達も喜んでくれるのではないでしょうか?
ジャンル | エンタメ・カルチャー |
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掲載日時 | 2023/8/15 16:00 |
タグ | 妖怪 鈴鹿御前 |
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