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あやかし、もののけ、ホントにいるの?
<人魚編 その2>

地球・あやかし紀行

 

 

不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。

人魚編その1では世界各地に伝わる人魚をご紹介しました。

さて、その2では日本に伝わる人魚についてです。

 

この細長~い日本列の各地の人魚伝説には、いくつか共通点があります。

まず、人魚は西洋風とは異なり人面魚系。人魚を虐待すると水難に遭遇し、人魚を食べると不老長寿になる!というのです。

何とも残虐で、ちょっとキモイ…けれど、簡単にはお目にかかれない、絶対に食欲がわかない姿だからこそ、まことしやかな伝説となったのでしょう。

ここではその1つ、沖縄地方の人魚伝説を紹介します。

 

<南の海の人魚伝説>

その昔、沖縄の伊良部島の漁師の網に妙なモノがかかりました。

顔は人間風、身体は魚、人間の女性のような丸みを帯びたシルエット、さらに下半身となると完全に魚!

この島でも人魚は“不老長寿の妙薬”と伝えられていたので、漁師は「これは人魚でしょ?!超ラッキーかも♪不老長寿になってみるか!」と早めに家に戻り、活きが良いうちに調理にかかります。

包丁を研ぎ、まな板を洗い、鱗を取り、そして肝心の料理のひと手間!魚臭さを取るため人魚全体に軽く塩をふり、一晩置いておくことにしました。この漁師、なかなかの料理上手です。

「デカいなぁ~。1人で食べきれない。友達に手伝ってもらって、少し分けてあげようかな?自分だけ長生きしても…どうぜなら仲間も」と漁師は明日の人魚試食会を楽しみに床につきました。

 

そして深夜…漁師が眠っていると頭の中で不思議な声がします。

「娘よ、どこにいる?早く戻っておいで!」

「助けて!お父さん、ここにいるわ!私、塩漬け。食べられちゃう!」

「なんと!?待っていなさい。明朝、急いで迎えに行こう…」

ふと、我に返った漁師は妙な夢を見たなぁ?と、台所の塩ふり人魚を見ると…ぐったりとした、その瞳からは涙が溢れているではありませんか! しかも

「お父さん、待ってる。私、頑張るから…」 と微かな声が!

漁師はぶっ飛びました。魚が泣きながら喋っているのですから!

「絶対、夢だ!オレは寝ぼけている!」そう思い込み、そのまま布団を被って眠ることにしました。

翌朝未明、轟音と共に大津波が島を襲います。漁師の村を飲み込み、辺りを水圧で押しつぶしました。

予期せぬ津波の後、漁師と村の人々がどうなったか明確には伝えられていませんが、漁師の村の一帯は、まるで全ての力がその場だけに注がれたように陥没…現在では深い池となっています。

人魚が助けを求めていた“お父さん”とは、海の神だったのです。

海の神は津波となり、大切な娘を取り返しに来たのです。

…人魚は、無事にお父さんの元に戻れたでしょうか?塩漬けにされたおかげで魚臭さが抜け、ダイエット効果も重なり、美ボディ人魚となっていたのなら…彼女は恐怖を乗り越え、結果にコミット出来たのかもしれませんが…。

通り池
伝説の残る、宮古島市の“通り池”

 

この話には、欲のために無闇に他者の命を軽んじてはいけない、必ず自分に返ってくる、という教訓が込められているのでしょう。

 

石垣島近辺では人魚のモデルと言われるジュゴンを「ザン」と呼び、ザンに纏わる伝説も津波や嵐など海にまつわる災害と結びついています。

 

ではパート3では人魚を食べてしまった日本人の話をご紹介します。

(〈人魚編 その3〉は近日公開予定です)

放送作家 キャスティングプロデューサー
南鰻衣ルカ

TV番組・イベントなどキャスティングを生業としつつも、作家見習い時代のライター業務で得たモノカキにアジをしめ、ひそかに文筆を楽しむ。

音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在、いつのまにやら…“何でも屋”に。

 

得意ジャンルは神話、伝承、天文、スピリチュアル研究など。役に立たない雑学大好き。

趣味は未熟であるが、イラストレーション。

亡き父が「効果音職人」だった影響もあり、擬音についても勉強中

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