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あやかし、もののけ、ホントにいるの?
~一つ目小僧は切ない小僧~

地球・あやかし紀行

不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。

今回の“あやかしさん”は唐傘と共に日本を代表する妖怪「一つ目小僧」を紹介します

 

今年のお盆はどのようにお過ごしでしたか?

現在はお盆も夏休みも今までのように自由に楽しめない日々が続いていますが、本来、お盆休みとは先祖や亡くなった方を偲ぶための休暇です。お盆は亡くなった方があの世から家族の元に帰ってくる期間。地方ごと、家庭ごとそれぞれの風習で先祖の霊をお迎えします。

亡くなった方が戻ってくるからでしょうか?お盆にはコワイ話、怖い番組、怖いイベントが多くあります。アミューズメントなどでもホラーに力が入ります。昔から遊園地のお化け屋敷に人気が出るのもこの時期です。

昔ながらのオバケ屋敷の定番といえば…目が1つだけの子どもの姿で現れる「一つ目小僧」。傘オバケと共にポスターや看板にも起用されていましたね。

まずは、一つ目小僧の特徴を簡単にまとめてみました。

*額の真ん中に目が一つある坊主頭で寺奉公の小坊主装束。

*一つ目小僧の大半が“小僧”というだけあり10歳前後の男児である。

*イタズラはするが呪いや命を奪う事はない。

北尾政美『夭怪着到牒』

江戸時代に書かれた怪談の中に一つ目小僧の話がいくつか残されています。

江戸・四谷に住むある男が麻布の武家屋敷へ行き、部屋で家主を待っていると、10歳位の子どもが床の間の掛け軸で遊び始めたので男が注意したところ、振り返えったその子どもには目が一つ!男はあまりにビックリしてその場で気絶。後にその屋敷の者の話によると屋敷には時々一つ目の子どもが現れるが、目立った悪さはしないとか。

会津地方では、ある少女が道で8歳ほどの子供に「お金欲しい?」と突然聞かれて「欲しい」と答え、子供の顔をよく見る目が一つ!少女はそのまま気絶してしまったとか。

岡山県のとある坂道では、夜にそこを歩くと青白い光とともに一つ目小僧が現れ、驚かされて腰を抜かした隙に一つ目小僧の長い舌でペロリと嘗められる。という話があります。他にも日本各地に一つ目小僧の伝説は残されています。

一つ目小僧も全国展開。その殆どが突然現れて人を驚かしますが、人の命を脅かし、呪いをかける、不幸を呼ぶという話は残されていません。出会った人も数日後には通常生活に戻りますので、比較的無害な“あやかしさん”です。

では何故、一つ目の小坊主というビジュアルの妖怪が現れたのか?

一説では怪談よりも怖ろしい現実、哀しく切ない時代の象徴とも言われています。

江戸時代以前、平民や農民は貧しく常に栄養状態が十分とは言えない時代でした。妊婦に必要なビタミンAを多く含む「肉」が食卓に登場するのはずっと未来の話。当時は妊娠しても母胎の栄養欠損で胎児の脳や臓器に十分な栄養が届かず流産や死産の原因になりました。運よく生まれても、すぐに亡くなってしまったり、どこか発育が充分ではなく、通常2つ対になるはずの“目”も栄養欠損のため単眼で生まれて来る赤ん坊も少なくなかったといいます。そんな子ども達を“一つ目小僧”“一つ目っこ”と呼んだ地域もあったとか。時代が時代とはいえ、とても哀しく切ない現実です。

一つ目小僧はそのような子どもの魂なのかもしれません。小坊主の姿をしているのは、子を亡くした親たちが、幼くして仏門に入り仏様の加護を得て、来世では元気で健康に生まれ、幸せに生きて欲しいと願う、せめてもの親心ではないでしょうか。

 

驚かすだけで、大きな悪さもしない一つ目小僧。小さな悪戯っ子です。お化け屋敷では悪戯をしながら、元気に駆け回っている姿が意地らしいようにも思えます。

…夏の夜、1人歩く帰り道、見知らぬ子どもが寄って来たら…顔をよく見て下さい。どこか変わったところはありませんか?ビックリして腰を抜かさないように!

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放送作家 キャスティングプロデューサー
南鰻衣ルカ

本業はTV番組・イベントなどキャスティングP

音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。

仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に

巡り合ううちに“不思議なモノ”や“目に見えぬものが”大好物に!

それらを伝えていこうと執筆している。

得意ジャンルは神話、伝承、歴史、天文、色彩、スピリチュアル、どうでもいい雑学。

趣味はイラストレーション、読書。

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