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あやかし、もののけ、ホントにいるの?
~犬だって化けるんです~

地球・あやかし紀行

不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。

今回の“あやかしさん”は「山彦」。

山や谷、大自然に囲まれて「ヤッホー♪」と叫ぶと自分の声で「ヤッホー♪」が返って来る。子どもの頃に誰もが一度はやったのではないでしょうか?

昔の人はこの現象を「山彦」という妖怪の仕業と考えていました。

佐脇嵩之『百怪図巻』

★科学的な「やまびこ」とは…★

山など大自然の中で「ヤッホー!」「おーい!」など大声で叫ぶと、その声が音波として空気中を進み山肌や木々などにぶつかり音が反射して聞こえるという現象。よく似た現象に「こだま」があります。厳密には「やまびこ」と「こだま」では音波が当たる環境や地形、反射距離や時間差によって若干の違いがあります。

★妖怪「山彦」とは…★

やまびこは「山彦」。その文字の通り山の神や精霊。こだまは「木霊」と書き、木々の精霊です。これらの“人にあらざるモノ”が人の呼びかけに反応するのです。昔の人は大自然の中、応える人などいないはずなのに声が返ってくるとは“あやかし”の仕業以外の何者でもないと思ったのでしょう。

 

日本の多くの伝承では「山彦」の正体は山に住む山童(ヤマワラシ)や玃(ヤマコ)ヤマヒコというという“あやかし”の仕業、または山に住む呼子(ヨブコ)、呼子鳥(ヨブコドリ)という生き物が人の声真似で応えたり、突然奇妙な声を発すると言われていました。長野県には人の言葉を発するという山彦岩も存在します。

ヤマビコ現象はもちろん世界共通。大自然の中で人の声に応える姿なき“人にあらざるモノ”の伝承は世界各地に多く残されています。

その代表的なものとしては中国の「彭侯(ホウコウ)」。1000年以上生きた大木だけに宿る精霊で、これが人の声に反応すると言われています。

中国の古い文献には、古い巨木を切ったところ血が流れ人面犬のようなモノが現れたという伝説があります。さらには“食べたら犬の味がした”という驚きの記述もあります。中国などでは一部地域で犬を食用にしている地域がありますが、木から現れた奇妙な生き物を食す…なかなかの勇気です。中国の文献には「彭侯」は犬に似た化け物として記されています。

日本に残る古い妖怪図鑑『画図百鬼夜行』や『百怪図巻』などにも山彦は犬のような姿で描かれています。おそらく、中国から伝わった彭侯が日本の「山彦」のモデルとなったのでしょう。さすがに「食べた」というチャレンジャーはいないようですが…。

また、ギリシアでは牡羊座の神話にも登場する美しい木の妖精(ニンフ)・エーコーの返事と信じられ、やまびこ現象を「エーコー」といいます。それが現在の英語の「Echo(エコー)」になりました。やまびこは英訳すると「Echo」。もちろん木霊、反響、共鳴という意味です。

現代では「やまびこ」を妖怪と思う人はあまりいません。しかし、まだ科学が解明されていなかった時代は、どこの国でも人にあらざるモノが応えていると信じていたのですね。

 

話しは少し変わりますが、山や心が解放された時「ヤッホー!」と叫びたくなるのも世界共通です。西洋では「エーコー!」「エーオー!」豪州は「クーイー」など。日本人が叫ぶ「ヤッホー」の語源はドイツ語の「ヨーホー」から来ていると言われます。

 

春の訪れと共に山は雪解け。トレッキングやキャンプ、ハイキングなどアウトドアにもってこい季節になりますね。

自然に囲まれ美しい景色を目にしたら「ヤッホー!」と叫んでみてはいかがでしょう?きっと山彦が歓迎し応えてくれるでしょう。けれど、もし違う応えが返ってきたら…誰かのイタズラ?間違ってもコントではありません!(コントあるあるですが)ホンモノの「あやかし」が近くに隠れて人を試しているのかも!

日本では山彦と会話をするという昔話もありますから、妖怪が「山彦」が存在しないとは言い切れません。自然界には至る所に思わぬ“あやかし”が潜んでいるのですから。

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放送作家 キャスティングプロデューサー
南鰻衣ルカ

本業はTV番組・イベントなどキャスティングP

音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。

仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に

巡り合ううちに“不思議なモノ”や“目に見えぬものが”大好物に!

それらを伝えていこうと執筆している。

得意ジャンルは神話、伝承、歴史、天文、色彩、スピリチュアル、どうでもいい雑学。

趣味はイラストレーション、読書。

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