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あやかし、もののけ、ホントにいるの?
<雪女は妖怪か?幽霊か?>

地球・あやかし紀行

不思議な現象、幽霊、妖怪、未確認生物をまとめて、親しみやすく“あやかしさん”と呼び、様々な“あやかしさん”情報を紹介しています。

冬になりました。都会ではまったくでも北国ではすでに一面銀世界なんてところも…雪といえば、アレですよ、アレ。

長い髪に透けるような白い肌、死に装束のような白い着物姿で雪の日、吹雪の夜に現れる美しい女…ゆきおんな。

…ほとんど幽霊のような姿で描かれる雪女って幽霊?妖怪?…

 

まずは、「妖怪」と「幽霊」の定義を紹介します…

【幽霊】…基本的にモトは人間だったもの。恨みや想いを残した死者が生前の姿かたちで現れる現象。稀に、ペットや家畜など動物も現れることがある。

【妖怪】…人でないもの。不思議な現象や妙なモノ。現実的には有り得ない形態や現象を引き起こし、特定の人に現れるとは限らず。また出現理由が明確ではない。

 

ちなみに「もののけ」は妖怪と同じ意味で使われることが多くなっていますが、本来は、取り憑いて人間に奇行をさせ、時には死をもたらすモノをいいます。

 

さて、話を戻しましょう。雪女を調べてみると…

室町時代の宋紙法師の「宋紙諸国物語」の中に、作者である宋紙自身が現在の新潟県で雪女を目撃したと記されています。室町時代にはすでに雪女の伝説があったのです。

室町時代は1338年(延元3年)〜1573年(元亀4年)までの約237年間。それ以前より雪女が存在したなら当時で250歳以上…もし、同じ雪女だとすると現在、推定年齢は800歳前後ですね。オバケは死なない~♪ですから。

 

「雪女」はその名からわかるように、雪国に多く残されている伝承です。青森、岩手、山形、秋田といった東北地方や新潟、鳥取などの日本海側。内陸部でも雪の多い長野や和歌山、愛媛、そして東京にも伝承が残されています。吹雪など雪の悪天候こそ、雪女には「本日はお日柄もよく♡」なのです。

呼び名は各地で様々。雪女郎、雪娘、雪おんば、雪降り婆、ツララ女など。名前の様子だと若い美女とは限らす、若い娘から婆ちゃんまで年齢層は幅広い!

各地の雪女伝承の特徴は…

  • 吹雪の夜、山小屋や民家などに現れ寝ている人間の精気を吸い取って殺す。
  • 若い男の一人暮らしの家に訪れ一夜を共にする、嫁になる→後に大抵は殺される。
  • 雪女の抱く赤ん坊を押し付けられ、暫く抱いていると、赤ん坊がどんどん重くなり、その重さで抱いた人間は雪に埋もれ死んでしまうか、雪山で凍死する。稀に無事にクリアすると、お礼として金品をくれる
  • 老夫婦に暖をとらせて欲しいと訪ねてきて、暫くすると消えてしまう。
  • 雪の降った後、満月の夜には雪女が子どもを連れ現れ、人間の子をさらう。
  • 雪女に「氷をくれ」と言われたら、氷を渡すと巨大化、お湯を渡すと消える。
  • 溶けるから風呂嫌い。正体がバレると姿が消えてツララが残る。

雪女と会うと結果的に殺されてしまうという話が多い中、条件さえクリアできればお得な話も。そして子ども(雪ん子)の存在。雪女に成長するのでしょうかね?雪女自身の結末は去るか、溶けるか、消えるか…わざわざ現れ、自虐的で意味不明な部分も。

 

日本各地の伝説や怪談などをもとに書かれた、小泉八雲の『怪談』(1904年出版)。ここに収められた一編「雪女」は一般的に語られている「雪女」の原型となっています。

小泉八雲の「雪女」を簡単に紹介しましょう。

舞台は武蔵の国(現在の東京の多摩地方)。若者が吹雪の夜に山小屋で美しい雪女と遭遇。殺されかかりますが「絶対誰にも言わない」いう約束で命拾いします。

それから数年後、若者はあの時の雪女とよく似た女性と出逢い結婚します。10人もの子供に恵まれ幸せに暮らしていたのですが、不思議な事に妻は何年経っても、何人子どもを産んでも全く姿は変わらず、老けません。ある夜「昔、雪山でお前によく似た美しい女に出逢って…」と話してしまいます。

すると、妻が「その雪女はこの私!誰かに話せば殺すと言ったはず!」と突然カミングアウト!けれど、今では雪女も人の親。子供を想うと夫を殺すことはできなかったのです。「子供達を立派に育てて。もし悲しませたら殺す!」と言い放ち、白い霧になり消えてしまいました。

雪国を代表する雪女伝説が、なぜ東京発信?と思うかもしれませんが、江戸時代頃までは日本は今よりずっと気温が低く、当時の多摩地方でも冬は大雪や吹雪が多かったようで…似たような雪女伝説が他にもいくつか残されています。

 

ご存じの方も多いでしょうが、この小泉八雲さん。日本人じゃありません!

小泉八雲は1850年生まれ。作家、日本研究家・日本民俗学者。本名パトリック・ラフカディオ・ハーン。お父さんはアイルランド人、お母さんはギリシャ人、れっきとした外国人。新聞記者として来日し日本で英語の教師となり、日本人の小泉節子さんと結婚。日本帰化し“小泉八雲”と名乗ります。日本の伝説をもとに数々の物語を執筆。54歳で亡くなりました。日本の妖怪に魅せられちゃった外国人の大先輩です!

 

雪女はルックスこそ幽霊ですが、定義からすると確実に妖怪、“あやかしさん”です。雪女のターゲットには個人的繋がりや恨みも、伝えたいこともなさそうです。そこに雪があるから、ヒトがいるから現れるようですね。

 

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放送作家 キャスティングプロデューサー
南鰻衣ルカ

本業はTV番組・イベントなどキャスティングP

音楽業界、芸能界、TV・ラジオ・イベント業界などを経て、現在に至る。

仕事の中で知り合った多くの人から不思議な話をたくさん聞き、不思議な事に

巡り合ううちに“不思議なモノ”や“目に見えぬものが”大好物に!

それらを伝えていこうと執筆している。

得意ジャンルは神話、伝承、歴史、天文、色彩、スピリチュアル、どうでもいい雑学。

趣味はイラストレーション、読書。

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